消防設備士の資格を調べていると、1類から7類まである中で、7類だけ「乙種」しか存在しないことに気づく方がいます。なぜ7類に甲種がないのか、消防法の根拠と電気工事士との業務分担から整理します。
問題をすぐに解いてみたい方は、こちらのアプリをご利用ください。
▶ 消防設備士 乙種第7類 問題集
消防設備士は甲種と乙種に分かれ、業務範囲が異なる
消防設備士には「甲種」と「乙種」の2種類があります(消防法第17条の5)。どちらも消防用設備等の整備・点検を行えますが、甲種のみ「工事」が可能です。
| 区分 | 工事 | 整備 | 点検 |
|---|---|---|---|
| 甲種 | 可 | 可 | 可 |
| 乙種 | 不可 | 可 | 可 |
ここでいう「工事」とは、消防用設備等の設置・増設・改造を指します。「整備」は設備が正常に機能するよう調整・修理することで、「点検」は設備の機能を確認することです。
消防設備士の類別で甲種がある類と乙種のみの類
1類から7類のうち、甲種が設けられているのは特類・1類・2類・3類・4類・5類の6種類です。6類(消火器)と7類(漏電火災警報器)は乙種のみで、甲種は存在しません。
| 種別 | 対象設備 | 甲種 | 乙種 |
|---|---|---|---|
| 特類 | 特殊消防用設備等 | あり | なし |
| 1類 | 屋内消火栓・スプリンクラー等 | あり | あり |
| 2類 | 泡消火設備 | あり | あり |
| 3類 | 不活性ガス・ハロゲン消火設備等 | あり | あり |
| 4類 | 自動火災報知設備・ガス漏れ警報器等 | あり | あり |
| 5類 | 金属製避難はしご・救助袋等 | あり | あり |
| 6類 | 消火器 | なし | あり |
| 7類 | 漏電火災警報器 | なし | あり |
6類に甲種がないのは、消火器が工事を必要とする設備ではないためです。7類に甲種がない理由は、これとは別の根拠があります。
7類に甲種がない理由は電気工事士との業務分担にある
漏電火災警報器の「設置工事」には、電路への変流器取り付けという電気工事が伴います。この作業は「電気工事士法」上の「電気工事」に該当するため、電気工事士が担当する業務です。
つまり、漏電火災警報器の設置工事は消防設備士ではなく電気工事士の業務領域として位置づけられています。消防設備士の資格で「工事」を担当する甲種を設ける必要がなく、7類には乙種のみが設けられています。
4類(自動火災報知設備)にも電気工事的な側面がありますが、4類では消防設備士甲種4類が工事を担当できます。漏電火災警報器は電路そのものに介入する工事(変流器の電路への設置)を行うため、電気工事士法との関係から消防設備士の工事業務から除外されています。
乙7で担当できる業務の範囲
消防設備士乙7の資格で行える業務は、整備と点検です。具体的には次のとおりです。
- 漏電火災警報器の機能点検(6か月ごと)
- 総合点検(年1回)
- 受信機・変流器・音響装置の整備・修理
- 部品の交換
- 作動試験(試験電流を使った動作確認)
設置工事(変流器を電路に取り付ける作業)は行えませんが、設置後の維持管理は乙7が担当します。
電気工事士と乙7の両方を取得するメリット
電気工事士(第1種または第2種)と消防設備士乙7の両方を取得すると、漏電火災警報器の設置工事から点検・整備まで一貫して担当できます。現場での対応範囲が広がるため、電気設備の保守を担当する技術者には有用な組み合わせです。
また、消防設備士乙7の試験では「電気に関する基礎的知識」5問が出題されますが、電気工事士を取得済みであれば消防法施行規則第44条第2号の規定によりこの科目が全問免除されます。資格取得の順番としては、電気工事士を先に取得してから乙7を受験すると科目免除の恩恵を受けられます。
乙7受験者が甲種について知っておくべきポイント
乙7の試験では「甲種と乙種の業務範囲の違い」「7類に甲種がない理由」は直接問われることは少ないですが、消防設備士の制度全般として把握しておくと、法令科目の理解が深まります。
法令共通の科目では、消防設備士の免状の種類・工事と整備の定義・業務範囲の制限が出題対象です。甲種・乙種の区別と7類が乙種のみである点はセットで覚えておくと整理しやすくなります。
7類に甲種がない理由のまとめ
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 甲種の業務 | 工事・整備・点検 |
| 乙種の業務 | 整備・点検(工事は不可) |
| 7類に甲種がない理由 | 設置工事が電気工事士法上の電気工事にあたるため |
| 乙7でできること | 整備・点検(機能点検・総合点検・作動試験) |
| 設置工事の担当 | 電気工事士 |
漏電火災警報器の設置は電気工事士、維持管理は消防設備士乙7という分担で成り立っています。乙7を取得すれば整備・点検の専門資格として現場で活用できます。
問題をすぐに解いてみたい方は、こちらのアプリをご利用ください。
▶ 消防設備士 乙種第7類 問題集


コメント