第二種衛生管理者 労働生理 呼吸・循環のしくみ|外呼吸・内呼吸・心臓・肺循環

第二種衛生管理者の労働生理で最も出題頻度が高いテーマは呼吸と循環です。「外呼吸と内呼吸の違い」「呼吸中枢の位置(延髄)」「心臓の4部屋と血液の流れ」「体循環と肺循環」「動脈血と静脈血の区別」を正確に理解することが得点につながります。このページでは試験に出る呼吸・循環のしくみをまとめます。

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呼吸のしくみ:外呼吸と内呼吸

「呼吸」という言葉には広義と狭義があります。試験では「外呼吸」と「内呼吸」の区別が頻繁に問われます。

種類 場所 内容
外呼吸(肺呼吸) 肺胞(肺の中の小さな袋) 空気中のO2を取り込み、CO2を排出する(血液と外気のガス交換)
内呼吸(組織呼吸) 体の各組織の細胞 血液からO2を取り出し、CO2を血液に渡す(細胞のエネルギー産生)

ポイント:「外呼吸」は肺での交換・「内呼吸」は体の細胞での交換。「内呼吸は皮膚で行われる」という誤りに注意してください(皮膚での酸素交換は人間ではほとんどない)。

呼吸運動のメカニズム(横隔膜と肋間筋)

呼吸運動は横隔膜と肋間筋の収縮・弛緩によって行われます。これは不随意(意識しなくても自動的に行われる)運動ですが、意識的に制御することもできます(深呼吸など)。

吸気(息を吸う):

  • 横隔膜が収縮して下がる → 胸腔が広がる
  • 肋間筋(外肋間筋)が収縮して肋骨が上がる → 胸腔がさらに広がる
  • 肺が広がり、外気が肺に流れ込む

呼気(息を吐く):

  • 横隔膜が弛緩して上がる → 胸腔が狭まる
  • 肋骨が下がる → 肺が縮んで空気が押し出される

呼吸調節:呼吸中枢と二酸化炭素の役割

呼吸のリズムと深さを制御する「呼吸中枢」は延髄(脳幹の一部)にあります。

呼吸の促進トリガー:

  • 血液中のCO2濃度の上昇(最も重要な呼吸促進刺激)
  • 血液のpH低下(酸性に傾く)
  • O2濃度の低下(CO2ほど強い刺激ではない)

試験のポイント:「血液中のCO2が増加すると呼吸が促進される」「呼吸中枢は延髄にある」は頻出の確認事項です。「呼吸は脊髄で制御される」という誤りに注意してください。

心臓のしくみ:4つの部屋と弁

心臓は2つの心房と2つの心室から成る4つの部屋で構成されています。

部屋 機能 流れ込む血液
右心房 全身から戻ってきた血液を受け取る 大静脈からの静脈血(CO2が多い)
右心室 肺へ血液を送り出す 右心房から
左心房 肺からガス交換後の血液を受け取る 肺静脈からの動脈血(O2が多い)
左心室 全身へ血液を送り出す(最も壁が厚い) 左心房から

心臓の弁:血液の逆流を防ぐための弁(僧帽弁・三尖弁・大動脈弁・肺動脈弁)が4か所にあります。

体循環と肺循環

血液の流れには大きく「体循環」と「肺循環」の2つがあります。

循環の名称 経路 血液の種類の変化
体循環(大循環) 左心室 → 大動脈 → 全身 → 大静脈 → 右心房 動脈血(O2豊富)→ 静脈血(CO2豊富)
肺循環(小循環) 右心室 → 肺動脈 → 肺 → 肺静脈 → 左心房 静脈血(CO2豊富)→ 動脈血(O2豊富)

試験頻出のひっかけ:「肺動脈には動脈血が流れる」は誤りです。肺動脈には右心室から送り出された静脈血(CO2が多い血液)が流れます。動脈血か静脈血かは「酸素が多いか少ないか」で決まり、「動脈を流れる血液が動脈血」ではありません。

心拍数・血圧の基本

試験では心拍数・血圧の基本値と変動要因も問われます。

  • 成人の安静時心拍数:60〜100回/分(60回/分未満は徐脈・100回/分超は頻脈)
  • 血圧の単位:mmHg(ミリメートル水銀柱)
  • 正常血圧:収縮期血圧(最大血圧)120mmHg未満・拡張期血圧(最小血圧)80mmHg未満が目安
  • 運動・緊張で心拍数増加・血圧上昇。安静・睡眠で低下

呼吸・循環の頻出ひっかけパターン

よくある誤り 正しい内容
呼吸中枢は大脳にある 誤り。延髄(脳幹の一部)
内呼吸は肺で行われる 誤り。内呼吸は体の各組織の細胞で行われる
肺動脈には動脈血が流れる 誤り。肺動脈には静脈血(CO2が多い)が流れる
CO2濃度ではなくO2濃度の低下が主な呼吸促進刺激 誤り。血液中のCO2濃度上昇が主なトリガー

心臓の構造と血液の循環

心臓は4つの部屋(右心房・右心室・左心房・左心室)から構成されています。試験では「肺循環(小循環)」と「体循環(大循環)」の血液の流れが問われます。

循環の名称 流れのルート 内容
肺循環(小循環) 右心室→肺動脈→肺→肺静脈→左心房 静脈血を肺に送り、CO2を放出してO2を取り込む(ガス交換)
体循環(大循環) 左心室→大動脈→全身組織→大静脈→右心房 動脈血を全身に送り、組織でO2を渡してCO2を受け取る

「肺動脈には静脈血が流れる」「肺静脈には動脈血が流れる」というひっかけ問題に注意。名称と血液の種類が逆になっています。

動脈血と静脈血の違い

種類 O2濃度 CO2濃度 色 主な流れる場所
動脈血 高い(O2が多い) 低い 鮮やかな赤(鮮紅色) 体循環の動脈・肺静脈
静脈血 低い(O2が少ない) 高い 暗い赤(暗赤色) 体循環の静脈・肺動脈

「動脈=動脈血」とは限りません。肺動脈には静脈血が流れます。動脈・静脈の区別(心臓から出る血管・心臓に戻る血管)と、動脈血・静脈血の区別(O2の多少)は別物として理解しましょう。

呼吸の調節機構

呼吸は自律神経と延髄の呼吸中枢によって調節されています。

  • 呼吸中枢:延髄(脳幹の一部)にある。延髄が呼吸のリズムを作る
  • CO2濃度が上昇すると呼吸が促進される(血中CO2の増加が延髄の呼吸中枢を刺激)
  • O2濃度の低下も呼吸促進の刺激になるが、CO2の方が強い刺激
  • 横隔膜と外肋間筋が収縮すると胸腔が広がり吸息(息を吸う)が起こる

試験では「呼吸中枢の位置は延髄か小脳か」という形で問われます。正解は「延髄」です。

呼吸・循環に関するよくある試験の問い

  • 「外呼吸が行われる場所は肺胞か組織か」→肺胞(肺胞で血液と外気のガス交換が行われる)
  • 「肺動脈には動脈血か静脈血が流れるか」→静脈血(右心室→肺への血管なのでO2が少ない)
  • 「呼吸中枢はどこにあるか」→延髄(脳幹部の一部)
  • 「血中CO2が増加すると呼吸は促進されるか抑制されるか」→促進される
  • 「体循環の起点となる心臓の部位はどこか」→左心室(左心室から大動脈を通り全身へ)
  • 「動脈血は鮮紅色で静脈血は暗赤色、どちらが正しいか」→正しい

呼吸・循環は第二種試験の「労働生理」科目で毎回出題される最重要テーマです。「肺動脈には静脈血」「肺静脈には動脈血」という逆転ポイントと、外呼吸(肺胞)・内呼吸(組織)の区別を確実に覚えることで、この分野を確実に得点源にできます。

肺の構造と換気量

肺の構造と換気に関する基本的な数値も試験に出ることがあります。

名称 内容 目安の量(成人安静時)
1回換気量 1回の呼吸で出入りする空気の量 約0.5L(500mL)
予備吸気量 安静吸息後にさらに最大限吸える量 約1.5L
予備呼気量 安静呼息後にさらに最大限吐ける量 約1.5L
残気量 最大呼息後に肺に残る空気 約1.2L
肺活量 最大吸息後に最大限吐ける量(1回換気量+予備吸気量+予備呼気量) 約3.5L

試験では「1回換気量は約500mLか約1,000mLか」「肺活量に残気量は含まれるか含まれないか(含まれない)」などが問われます。残気量は最大呼息後にも肺に残り、絶対に出すことができない量です。

呼吸・循環は第二種試験の労働生理科目で最も出題頻度が高いテーマです。体循環・肺循環の血液の流れ・動脈血と静脈血の区別(肺動脈には静脈血)・呼吸中枢の位置(延髄)・外呼吸と内呼吸の違いを確実に覚えてください。

血液の成分と主な機能

第二種衛生管理者の試験では「血液の成分と機能」も出題されます。

成分 主な機能
赤血球(ヘモグロビン) 酸素(O2)の運搬。肺でO2を結合し、組織でO2を放出
白血球 免疫(感染防御)。細菌・ウイルスを捕食・排除する
血小板 止血(血液凝固)。血管が傷ついた部位に集まって傷口をふさぐ
血漿(けっしょう) 栄養素・ホルモン・老廃物の運搬。血液の液体成分(約55%)

試験では「酸素を運ぶ血球は赤血球か白血球か」「血小板は免疫か止血か」といった問いで出題されます。赤血球のヘモグロビンがO2と結合して全身に酸素を運ぶしくみを覚えておきましょう。

呼吸・循環・血液のテーマは第二種試験の労働生理科目で最頻出です。体循環・肺循環の流れ・動脈血と静脈血の区別・血液成分の機能(赤血球・白血球・血小板)を確実に覚えることが合格への近道です。

自律神経と循環の調節

心臓の働きは自律神経によって調節されています。

  • 交感神経:心拍数を増加させる・血圧を上昇させる(活動時・緊張時・ストレス時に優位)
  • 副交感神経(迷走神経):心拍数を低下させる・血圧を下げる(安静時・睡眠時に優位)

試験では「交感神経が活性化すると心拍数は増加か減少か」(増加)という問いが出ることがあります。自律神経のバランスは血圧・心拍数だけでなく消化・免疫・体温調節にも関わっています。呼吸・循環のテーマを学ぶ際は自律神経の働きも合わせて覚えておくと、試験の出題範囲を広くカバーできます。

呼吸・循環の基礎知識は、職場での急病対応(心肺蘇生・AED使用)にも直結する実践的な知識です。試験で得点するだけでなく、実際の救命現場でも役立てることができます。肺循環・体循環の仕組みと血液成分の機能を確実に覚えることが第二種衛生管理者として必要な基礎知識です。過去問での繰り返し練習で確実に身につけてください。

呼吸・循環の基礎知識は第二種衛生管理者の必須知識です。正確に覚えて確実に得点してください。

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出典:公益財団法人安全衛生技術試験協会「衛生管理者免許試験 試験案内」(2026年11月時点)。法令の数字は労働安全衛生法・同施行令・安衛則の条文に基づきます。

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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