クレーン台帳 作成義務と記載事項【クレーン等安全規則第32条】

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クレーンを設置した事業者には、クレーン等安全規則第32条に基づきクレーン台帳の作成・保存義務があります。クレーン台帳は検査証の有効性確認や保守管理の基礎資料となります。記載事項・保存期間とあわせて解説します。

出典:クレーン等安全規則(厚生労働省)

クレーン台帳とは(クレーン等安全規則第32条)

クレーン台帳は、クレーンごとに作成する管理台帳です。落成検査に合格してクレーン検査証の交付を受けた後、事業者が作成・保存します。台帳の保存義務はクレーンが存在する間です(廃棄・解体後の保管義務はありません)。

クレーン台帳の記載事項

クレーン等安全規則第32条では、クレーン台帳に記載すべき事項として次のものを定めています。

  • クレーンの種類
  • クレーンの製造者の名称
  • クレーンの製造年月
  • つり上げ荷重
  • 設置場所
  • 落成検査の年月日
  • 定期自主検査の年月日・結果
  • 性能検査の年月日・結果
  • 修繕・改造を行った年月日・内容

クレーン台帳と検査証の関係

クレーン検査証(有効期間2年)とクレーン台帳は別のものです。

書類 発行者 目的 保存
クレーン検査証 都道府県労働局長(落成後)・登録機関(性能検査後) 法的な使用許可証明 クレーンに備え付け
クレーン台帳 事業者が作成 保守管理の記録 事業場で保存

定期自主検査との関係

事業者が実施する定期自主検査(年次・月次)の結果は、クレーン台帳に記録します。クレーン等安全規則第36条では、定期自主検査を実施した際は記録を3年間保存することを義務付けています。

定期自主検査の種類と頻度

  • 年次定期自主検査:1年以内ごとに1回(第34条)
  • 月次定期自主検査:1か月以内ごとに1回(第35条)

移動式クレーン・デリックの台帳

移動式クレーン(第85条)およびデリック(第115条)にも同様の台帳作成・保存の規定があります。

試験での出題ポイント

  • 「クレーン台帳は事業者が作成する管理記録(クレーン検査証は官庁・登録機関が発行)」
  • 「定期自主検査の記録は3年間保存する義務がある」
  • 「年次検査は1年以内ごとに1回・月次検査は1か月以内ごとに1回」
  • 根拠:クレーン等安全規則第32条・第34条〜第36条

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本記事はクレーン等安全規則(厚生労働省)に基づきます。最新の規定は厚生労働省の公式サイトでご確認ください。

クレーン台帳の実際の記録方法

クレーン台帳は紙または電子データのどちらで管理しても問題ありません。重要なのは法定記載事項が漏れなく記録されており、いつでも確認できる状態にあることです。

定期自主検査結果の記録例

検査の種類 実施日 検査者 結果・処置
月次定期自主検査 令和〇年〇月〇日 〇〇 〇〇 異常なし
月次定期自主検査 令和〇年〇月〇日 〇〇 〇〇 ワイヤロープに素線切れを発見→交換実施
年次定期自主検査 令和〇年〇月〇日 〇〇 〇〇 ブレーキライニング摩耗→整備済み

定期自主検査で確認する主な箇所

クレーン等安全規則では、定期自主検査で確認すべき箇所が定められています。

月次定期自主検査(第35条)の確認事項

  • フック・グラブバケット等の吊り具の損傷の有無
  • ワイヤロープの損傷の有無
  • 各装置のブレーキの機能の状態
  • 巻き上げ・走行等の各装置の機能

年次定期自主検査(第34条)の確認事項

  • 構造部分(ガーダー・ジブ・脚等)の変形・亀裂等の有無
  • ワイヤロープの損傷の有無
  • 各安全装置(過巻防止・過負荷防止・逸走防止等)の機能
  • 各電気部品・制御装置の異常の有無

定期自主検査の記録保存期間

クレーン等安全規則第36条では、定期自主検査を実施したときは、その結果を記録し3年間保存する義務があります。保存期間は「3年」で、試験では「5年」「2年」との誤答が多いため注意が必要です。

クレーン台帳と定期自主検査記録の関係

書類 作成義務者 保存期間 根拠
クレーン台帳 事業者 クレーンが存在する間 クレーン等安全規則第32条
定期自主検査記録 事業者 3年間 クレーン等安全規則第36条
クレーン検査証 都道府県労働局長等が発行 クレーンに備え付け クレーン等安全規則第30条

試験でよく問われる問題例

  • 「定期自主検査の記録は3年間保存する」→ 正しい(5年・2年ではない)
  • 「クレーン台帳は事業者が作成・保存する」→ 正しい(労働基準監督署が作成するのではない)
  • 「月次定期自主検査は1か月以内ごとに1回実施する」→ 正しい
  • 「クレーン台帳はクレーンが廃止された後も保存しなければならない」→ 誤り(廃止後の保管義務はない)

クレーン台帳に関するよくある質問

Q. クレーン台帳の様式に決まりはあるか

クレーン等安全規則では記載事項は定められていますが、様式(書式)の指定はありません。市販の台帳様式を使うか、独自に作成した台帳を使っても問題ありません。必要な記載事項がすべて網羅されていれば法的要件を満たします。

Q. クレーン台帳と定期自主検査記録は同じものか

別の書類です。クレーン台帳は設置から廃棄までのクレーンの基本情報を記録する台帳で、定期自主検査記録は各回の検査の結果を記録する書類です。実務では同一の書類にまとめて管理することもありますが、法的には区別されています。

Q. 移動式クレーンにも台帳が必要か

移動式クレーンについても同様の台帳作成・保存義務があります(移動式クレーン安全規則第85条相当)。移動式クレーンは複数の事業場で使用されることがあるため、台帳の管理者を明確にしておくことが重要です。

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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