クレーン 特定機械等とは 製造許可と設置後の検査義務【労働安全衛生法第37条】

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クレーンは「特定機械等」に指定されており、製造・設置・変更には労働安全衛生法に基づく製造許可または特定自主検査(定期検査)の義務があります。特定機械等とは何か、製造時に必要な手続き、設置後の検査義務について解説します。

出典:労働安全衛生法(厚生労働省)・クレーン等安全規則

特定機械等とは何か(労働安全衛生法第37条)

「特定機械等」とは、労働安全衛生法第37条が定める、危険性が高いため製造に許可が必要な機械等のことです。労働安全衛生法施行令第12条によって、以下の機械が特定機械等として指定されています。

  • ボイラー(小型ボイラーを除く)
  • 第一種圧力容器
  • クレーン(つり上げ荷重3t以上)
  • 移動式クレーン(つり上げ荷重3t以上)
  • デリック(つり上げ荷重2t以上)
  • エレベーター(積載荷重1t以上)
  • 建設用リフト(積載荷重0.25t以上)
  • ゴンドラ

製造許可(労働安全衛生法第37条)

特定機械等を製造しようとする者は、あらかじめ都道府県労働局長の許可を受けなければなりません。製造許可の申請には、構造図・強度計算書などの書類が必要です。

製造許可が必要なもの・不要なもの

区分 製造許可
クレーン(つり上げ荷重3t以上) 必要(都道府県労働局長の許可)
クレーン(つり上げ荷重3t未満) 不要
デリック(つり上げ荷重2t以上) 必要
デリック(つり上げ荷重2t未満) 不要

検査の種類

特定機械等であるクレーンには、製造段階・設置段階・運用段階でそれぞれ検査の義務があります。

製造検査(クレーン等安全規則第7条)

製造後・設置前に、都道府県労働局長が行う製造検査を受けます(または都道府県労働局長の指定を受けた検査機関による検査)。合格するとクレーン検査証の交付を受けられます。

落成検査(クレーン等安全規則第10条)

クレーンを設置した後、使用開始前に所轄の労働基準監督署長が行う落成検査を受けます。合格後にクレーン検査証の交付を受け、使用を開始できます。

性能検査(クレーン等安全規則第40条)

クレーン検査証の有効期間(2年)ごとに、登録性能検査機関による性能検査を受けます。合格するとクレーン検査証の有効期間が延長されます。

試験での出題ポイント

  • 「クレーン(つり上げ荷重3t以上)は特定機械等に該当する」
  • 「特定機械等の製造には都道府県労働局長の許可が必要」
  • 「落成検査に合格後、クレーン検査証の交付を受けてから使用できる」
  • 「クレーン検査証の有効期間は2年(性能検査で延長)」
  • 根拠:労働安全衛生法第37条・施行令第12条・クレーン等安全規則第7条〜第40条

変更検査の流れ

特定機械等に該当するクレーン(つり上げ荷重3t以上)の主要部分を変更した場合は、使用前に変更検査を受ける必要があります(クレーン等安全規則第37条)。

  • 変更検査の対象部分:クレーンガーダ・脚柱・原動機・つり上げ機構・ブレーキなど構造に影響する変更
  • 申請先:登録性能検査機関(労働安全衛生法に基づく登録機関。都道府県労働局ではない点に注意)
  • 検査内容:荷重試験・安定性の確認・安全装置の作動確認など

型式検定との違い

型式検定は製造段階の検査で、変更検査とは異なります。

検査の種類 対象 実施機関
型式検定 クレーンの設計・製造段階(同一型式のクレーンの安全性を型式ごとに確認) 厚生労働大臣または登録型式検定機関
製造時検査(使用検査) クレーン1台ごとの完成後の確認 都道府県労働局長
変更検査 設置後のクレーンの主要部分を変更した後 登録性能検査機関
定期性能検査 クレーン検査証の有効期間(2年)ごとの更新 登録性能検査機関

試験では「誰が検査するか(都道府県労働局長・登録性能検査機関・厚生労働大臣)」という問いが出やすいです。検査の種類と実施機関の組み合わせを正確に覚えてください。

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本記事は労働安全衛生法・クレーン等安全規則(厚生労働省)に基づきます。最新の規定は厚生労働省の公式サイトでご確認ください。

特定機械等の検査制度の全体像

クレーンを含む特定機械等には、製造段階から廃止まで各段階で検査が必要です。検査の種類と実施者・根拠条文を整理します。

検査の種類 実施者 タイミング 根拠条文
製造検査 都道府県労働局長(または指定機関) 製造後・設置前 クレーン等安全規則第7条
落成検査 所轄労働基準監督署長 設置完了後・使用前 第10条
性能検査 登録性能検査機関 検査証の有効期間ごと(2年) 第40条
変更検査 所轄労働基準監督署長 変更工事完了後・使用前 第44条

クレーン検査証の管理

クレーン検査証はクレーンを使用するために必要な法的証明書です。次のルールを押さえておきましょう。

  • 備え付け義務:クレーンの検査証は、そのクレーンに備え付けておかなければなりません(クレーン等安全規則第30条)
  • 有効期間:2年(ただし性能検査に合格すると有効期間が延長される)
  • 有効期間前の性能検査申請:検査証の有効期間満了日の2か月前から申請できる
  • 記載事項の変更:変更があった場合は記載事項を書き換える(変更検査後に行う)

受験者がよく混同する検査の比較

製造検査 vs 落成検査

製造検査は「クレーンを製造した後・まだ設置する前」に行う検査です。落成検査は「クレーンを設置した後・使用を開始する前」に行う検査です。製造検査は都道府県労働局長(または指定機関)が行い、落成検査は所轄の労働基準監督署長が行います。

性能検査 vs 定期自主検査

性能検査は登録性能検査機関が行う公的な検査(2年ごと)で、クレーン検査証の有効期間延長のために必要です。定期自主検査は事業者が自ら実施する検査(年次・月次)で、法令で義務付けられていますがクレーン検査証とは別の位置付けです。

試験のよく出る問題

  • 「特定機械等の製造には都道府県労働局長の許可が必要」→ 正しい(所轄労働基準監督署長ではない)
  • 「落成検査は所轄の労働基準監督署長が行う」→ 正しい
  • 「クレーン検査証の有効期間は1年である」→ 誤り(2年)
  • 「性能検査は事業者が自ら行う」→ 誤り(登録性能検査機関が行う)
この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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