衛生管理者・産業医 何人以上から選任義務?事業場規模別の一覧表

第二種衛生管理者試験では「何人以上の事業場に何人の衛生管理者を選任しなければならないか」という問題が毎回出題されます。事業場規模(常時使用する労働者数)に応じた選任人数の表を正確に覚えることが得点の基本です。このページでは衛生管理者・産業医・総括安全衛生管理者の選任義務を整理します。

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衛生管理者の選任義務(事業場規模別)

衛生管理者の選任義務は労働安全衛生法第12条・労働安全衛生規則第7条に定められています。

常時使用する労働者数 選任すべき衛生管理者の数
50人以上200人以下 1人以上
200人超500人以下 2人以上
500人超1,000人以下 3人以上
1,000人超2,000人以下 4人以上
2,000人超3,000人以下 5人以上
3,000人超 6人以上

出典:労働安全衛生規則第7条第1項第4号

試験では「300人の事業場には衛生管理者が最低何人必要か(答え:2人)」「1,500人の事業場には何人か(答え:4人)」という問い方がよく出ます。200人以下・200人超500人以下・500人超1,000人以下の境目が特に問われやすいため、「50〜200は1人、201〜500は2人」を起点に覚えることを勧めます。

衛生管理者の選任後の届出

衛生管理者を選任したときは、遅滞なく所轄の労働基準監督署長へ届け出なければなりません。届出書類は所定の様式を使います。

専任の衛生管理者が必要な場合

常時1,000人を超える事業場または特定の有害業務に常時500人以上を使用する事業場では、衛生管理者のうち少なくとも1人を専任(他の業務を兼務しない)にしなければなりません。

産業医の選任義務

産業医の選任義務は労働安全衛生法第13条に定められています。

事業場の規模 産業医の選任要件
常時50人以上 産業医を1名以上選任(選任後14日以内に届出)
常時1,000人以上(または一定の有害業務に常時500人以上) 専属の産業医(当該事業場のみに従事)が必要
常時3,000人超 産業医を2名以上選任

「専属産業医が必要な1,000人(または有害業務500人)」というラインは衛生管理者の「専任」が必要なラインと同じ1,000人であることが多く、混同しやすいため注意が必要です。

総括安全衛生管理者の選任義務

総括安全衛生管理者は安全・衛生全体を統括管理する者で、事業場の規模と業種によって選任義務が異なります。

業種 選任義務が発生する常時使用労働者数
製造業(林業・鉱業含む)、建設業、電気業、ガス業、輸送・通信業等 100人以上
農業、水産業、卸売業・小売業、医療・福祉、その他 300人以上
ホテル・旅館、ゴルフ場等 100人以上(労働省令で定める業種)

第二種衛生管理者が主に扱う非製造業(IT・小売・金融・教育等)では「300人以上」が目安になります。ただし試験では「業種と人数のセット」で問われるため、業種別の数字も確認しておくことを勧めます。

選任義務のまとめ:第二種でよく出る規模別整理

人数 発生する義務
50人以上 衛生管理者(1名以上)・産業医・衛生委員会・ストレスチェック実施義務
200人超 衛生管理者2名以上
300人以上(非製造業) 総括安全衛生管理者(業種による)
500人超1,000人以下 衛生管理者3名以上
1,000人超 衛生管理者4名以上・専任衛生管理者・専属産業医
3,000人超 産業医2名以上

衛生管理者選任後の実務:最初にやること

衛生管理者として選任された後、最初に整備すべき実務の優先順位を整理します。

  1. 所轄の労働基準監督署長への届出(選任後14日以内)
  2. 衛生委員会の設置・運営(月1回以上):産業医・衛生管理者・労働者代表が参加
  3. 健康診断の実施計画の確認・整備(未実施の場合は速やかに計画)
  4. 職場巡視の実施(毎週1回以上):照度・換気・清潔の確認・記録
  5. ストレスチェック制度の運用確認(50人以上の事業場は年1回義務)
  6. 長時間労働者の面接指導対象者の確認・管理体制の整備

衛生管理者の資格要件

第二種衛生管理者免許を取得するための要件を整理します。

要件 内容
受験資格(学歴・実務経験) 大卒1年以上・短大卒3年以上・高卒5年以上(いずれも労働衛生の実務経験)
試験の実施機関 公益財団法人安全衛生技術試験協会
試験科目 関係法令(有害業務に係るもの以外)・労働衛生(有害業務に係るもの以外)・労働生理(3科目・各10問)
合格基準 各科目40%以上かつ全体60%以上の正答率(各科目の最低点が設けられている点が重要)

第一種衛生管理者は有害業務を含む全業種に対応しており、試験問題が異なります(5科目44問)。第二種は有害業務のない業種向けで、試験問題は3科目30問です。

選任で迷いやすいケース

衛生管理者の選任に関して実務でよく問題になるケースを整理します。

ケース 考え方
グループ会社で衛生管理者を共有したい 衛生管理者は事業場ごとに選任が必要。別法人・別事業場の者を専任として兼任させることはできない
出向社員を衛生管理者として選任できるか 実質的にその事業場で業務を行っていれば選任できる。ただし選任は出向先の事業者が行う
派遣社員を衛生管理者として選任できるか 派遣労働者は派遣先の事業場で衛生管理者として選任できる(安衛法の適用は派遣先事業主)
事業場が50人未満になったら衛生管理者は不要か 常時使用する労働者数が50人を下回った場合、選任義務はなくなる。ただし安全衛生推進者の選任義務(10〜49人)が発生する

安全衛生推進者・衛生推進者との違い

事業場の規模が10〜49人の場合は「衛生推進者」または「安全衛生推進者」を選任しなければなりません(安衛法第12条の2)。

区分 対象規模 選任する者
衛生管理者 常時50人以上 免許保有者(第一種・第二種等)
安全衛生推進者・衛生推進者 常時10〜49人 一定の要件を満たす者(免許不要)

試験対策まとめ:選任・人数の得点ポイント

選任・人数のテーマから得点を確実に取るために意識したいポイント:

  • 「50人以上200人以下→1人、200人超500人以下→2人、500人超1000人以下→3人」の選任人数を覚える
  • 「選任後14日以内に所轄の労働基準監督署長へ届出」を覚える
  • 「1,000人超または有害業務500人以上→専任衛生管理者が必要」を覚える
  • 「産業医の専属が必要なのも1,000人以上(または有害業務500人以上)」で衛生管理者と同じライン

選任・人数に関する試験の頻出出題パターン

衛生管理者の選任・人数に関する問題で頻出の出題形式を確認します。

よくある誤りの選択肢 正しい内容
200人の事業場では衛生管理者が2人以上必要 誤り。200人以下(50〜200人)は1人以上。2人が必要になるのは200人「超」から
専属の産業医が必要なのは2,000人以上の事業場 誤り。1,000人以上(または一定の有害業務に500人以上)から専属産業医が必要
選任後30日以内に届け出る 誤り。14日以内に届け出る
常時500人以上の事業場では衛生管理者を専任にする必要がある 誤り。専任が必要なのは1,000人超(または一定の有害業務に500人以上)の場合

安全衛生委員会(合同の委員会)

衛生委員会と安全委員会を合わせて設置する「安全衛生委員会」について整理します。

  • 安全委員会:建設業・製造業等の常時50人以上の事業場に設置義務
  • 衛生委員会:常時50人以上のすべての事業場に設置義務
  • 安全衛生委員会:安全委員会と衛生委員会を合同で設置することができる(義務がある業種では合同可)

第二種衛生管理者が主に担当するオフィス業種(IT・小売・金融等)では衛生委員会のみ設置義務があります。安全委員会の義務は製造業・建設業等に限られます。

試験対策まとめ:選任・人数の最終確認

選任・人数のテーマでよく出題されるポイントを最終確認します。

  • 選任人数:「50〜200→1人」「201〜500→2人」「501〜1,000→3人」「1,001〜2,000→4人」「2,001〜3,000→5人」「3,001以上→6人」
  • 「200人以下は1人・200人超で2人以上」の境目(200人以下と200人超の区別)が頻出
  • 産業医:50人以上で選任義務・1,000人超(または有害業務500人以上)で専属産業医が必要・3,000人超で2名以上
  • 「選任後14日以内に所轄の労働基準監督署長へ届出」を覚える
  • 衛生委員会:50人以上・月1回以上開催・議事録を3年間保存(安衛則23条)

衛生管理者に関する試験の総仕上げ

選任・人数のテーマに関する試験問題の典型パターンを確認します。

問われやすい内容の整理:

  • 「200人の事業場では衛生管理者を2人以上選任しなければならないか?」→誤り。200人以下は1人以上でよい
  • 「衛生管理者を選任したときの届出期限は30日以内か?」→誤り。14日以内
  • 「産業医の専属義務は500人以上の事業場から発生するか?」→誤り。1,000人超(または一定の有害業務に500人以上)から
  • 「衛生委員会の議事録の保存期間は5年か?」→誤り。3年間

選任人数の表(50〜200→1人・201〜500→2人・501〜1,000→3人…)を確実に覚えることが最重要です。届出期限(14日以内)・専任が必要な規模(1,000人超)も頻出数字です。

衛生管理者の選任人数(50〜200人は1名以上・200人超500人以下は2名以上・500人超1,000人以下は3名以上)と届出期限(14日以内)は試験の最重要ポイントです。産業医の選任義務(50人以上・1,000人超で専属・3,000人超で2名以上)と併せて覚えることで、規模別の義務に関する問題に確実に対応できます。

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出典:公益財団法人安全衛生技術試験協会「衛生管理者免許試験 試験案内」(2026年11月時点)。法令の数字は労働安全衛生法・同施行令・安衛則の条文に基づきます。

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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