就労移行支援の経営データ。全国平均の収支・人件費率・定員規模。

就労移行支援の全国平均の収支差率は6.0%です(令和7年度障害福祉サービス等経営概況調査・令和6年度決算・全体・n=296)。定員20人以下の事業所に絞ると5.2%(n=288)です。人件費率は64.2%(全体)で、収入規模は年間約2,878万円が全国平均です。事業所の約97%が定員20人以下に集中しています。

出典:令和7年度障害福祉サービス等経営概況調査(厚生労働省、令和7年9月公表・令和6年度決算) 調査対象:就労移行支援(外部サービス利用型・宿泊型を含む通常の就労移行支援)

全国平均の収支は、収入約2,878万円・収支差率6.0%。

令和7年度障害福祉サービス等経営概況調査(以下「経営概況調査」)の就労移行支援のデータは次のとおりです。

就労移行支援の全国平均(R7経営概況調査・R6年度決算)
指標 全体(n=296) 定員20人以下(n=288)
収入(千円/年) 28,784 27,909
給与費(千円/年) 18,476 18,099
収支差額(千円/年) 1,741 1,443
平均定員(人) 14 13
人件費率 64.2% 64.8%
収支差率 6.0% 5.2%

人件費率(64.2%)・収支差率(6.0%)は上の表の収入・給与費・収支差から計算した値です。

収支差額が年間約174万円(全体)・約144万円(定員20人以下)という水準は、設備投資の余裕がほとんどない水準です。月換算では約14.5万円・12万円です。

事業所の規模は、定員20人以下が大半を占める。

経営概況調査のサンプル数を見ると、全体296事業所のうち定員20人以下が288事業所(97.3%)です。就労移行支援の最低定員は省令174第62条の2で10人と定められており、小規模事業所が多い構造になっています。

1事業所当たりの費用額は月2,414千円です(「障害福祉サービス等の報酬に係る最近の動向について」から)。これは月の支出合計(人件費・事業費・管理費等)の目安です。

全国平均と開業当初の数字は別物。収支差率の読み方。

経営概況調査の数字は、全国のサンプル事業所の平均値です。開業後2〜3年目以降の事業所が多く含まれており、開業1年目の事業所の数字ではありません。

収支差率6.0%は「既存事業所の平均」として参考にする数字です。開業1年目は稼働率が低く、収支差率がマイナス(赤字)になることが多い点に注意が必要です。

また、就労移行支援の基本報酬は就労定着者の割合によって7段階に変わります(告示523第12の1)。開業後2年間は30%以上40%未満(新規みなし)で算定できますが、3年目以降は実績の定着率で区分が決まります。定着率が下がれば収入が大きく減るため、全国平均の6.0%は一つの参考値として使いながら、自社の定着率見込みに合わせた試算をすることが重要です。

→ 就労移行支援 開業向け収支シミュレーターでは、定員・稼働率・就労定着者の見込み数を入力することで、全国平均との比較を確認できます。

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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