酸素欠乏作業の規制。第1種・第2種の違いと送気マスク使用義務

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酸素欠乏症は、酸素濃度18%未満の空気を吸入したことで起こる疾患です。酸素欠乏症等防止規則(酸欠則)は、マンホール・タンク内・坑内・貯蔵庫などの酸素欠乏危険場所で作業する際の作業主任者の選任・空気環境の測定・送気マスク等の使用を義務付けています。

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酸素欠乏の定義

酸欠則第2条では次のように定義しています。

用語 定義
酸素欠乏 空気中の酸素濃度が18%未満の状態
酸素欠乏症 酸素欠乏の空気を吸入することにより生じる症状(意識消失・死亡等)
第1種酸素欠乏危険作業 酸素欠乏症にかかるおそれのある場所での作業(硫化水素中毒の危険なし)
第2種酸素欠乏危険作業 硫化水素中毒にもかかるおそれのある場所での作業(酸素欠乏症+硫化水素中毒の両リスク)

酸素欠乏の症状

酸素濃度 症状
16〜18% 頭痛・倦怠感(通常空気の21%より3%低下)
12〜16% 頭痛・めまい・吐き気・動悸・視力障害・筋力低下
8〜10% 意識不明・顔面蒼白
6〜8% 6〜8分以内に死亡
6%以下 ほぼ瞬時に昏倒・死亡

酸欠則の主な規制内容

作業主任者の選任(酸欠則第11条)

酸素欠乏危険作業では、酸素欠乏危険作業主任者(技能講習修了者)を選任しなければなりません。第2種では「酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者」を選任します。

作業前の空気環境測定(酸欠則第3条)

酸素欠乏危険場所での作業を行う日の作業開始前に、空気中の酸素濃度(第2種は硫化水素濃度も)を測定しなければなりません。記録は3年間保存。

換気(酸欠則第5条)

作業開始前に換気を行い、酸素濃度を18%以上に保たなければなりません。ただし、爆発・火災のおそれがある場合や換気が困難な場合は、送気マスクや空気呼吸器を使用します。

呼吸用保護具(酸欠則第5条の2)

換気できない場合は、送気マスクまたは空気呼吸器を使用しなければなりません。防じんマスク・防毒マスクは酸欠環境では使用禁止です。

立入禁止(酸欠則第9条)

関係者以外の立入禁止と、その旨の表示を行わなければなりません。

監視人の配置(酸欠則第13条)

タンク内等の作業では、作業者が1人の場合でも外部に監視人(常時監視・緊急時の救助要請担当)を配置しなければなりません。

硫化水素中毒との違い

第2種酸素欠乏危険作業では、硫化水素(H₂S)中毒のリスクも管理しなければなりません。硫化水素は腐った卵のような臭いがする有毒ガスで、汚水・し尿処理施設・腐植物が分解する場所(タンク・マンホール等)で発生します。

  • 硫化水素の許容濃度(作業環境評価基準):1ppm
  • 高濃度の硫化水素は嗅覚を麻痺させるため、臭いを感じなくなっても危険が続く

試験での出題ポイント

  • 酸素欠乏の定義:「18%未満」(自然空気の約21%を下回る状態)
  • 第1種:酸欠症のリスクのみ。第2種:酸欠症+硫化水素中毒の両リスク
  • 酸欠環境での防じん・防毒マスク:使用禁止(送気マスクまたは空気呼吸器のみ)
  • 作業前測定:作業当日の開始前に測定(毎日)
  • 監視人の配置:タンク内等では外部に1人以上配置

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出典:
・酸素欠乏症等防止規則 第2条・第3条・第5条・第5条の2・第9条・第11条・第13条
・作業環境評価基準(硫化水素の管理濃度)

最新の試験日程・受験申請・公表試験問題は、公益財団法人 安全衛生技術試験協会(www.exam.or.jp)の公式サイトでご確認ください。

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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