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騒音による職業性難聴(騒音性難聴)は、長時間の強い騒音への曝露で引き起こされる不可逆的な聴力低下です。騒音障害防止のためのガイドライン(平成4年・令和5年改正)は、85dBを超える騒音環境での作業管理・健康管理・保護具の使用を定めています。試験では難聴の特徴・4,000Hzからの始まり・管理区分が出題されます。
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騒音性難聴の特徴
騒音性難聴は、強い音による有毛細胞の損傷で起こります。次の特徴があります。
- 4,000Hz(C5 dip)から始まる:最初に4,000Hzの聴力が低下する(「C5 dip」と呼ばれるオージオグラムの特徴)
- 両耳性:騒音に均等に曝露されるため、通常は両耳に同様の影響が出る
- 不可逆的(治らない):損傷した有毛細胞は再生しないため、一度低下した聴力は回復しない
- 徐々に進行する:急性の音響外傷(爆発音等)とは異なり、長年の曝露で徐々に悪化する
- 騒音曝露停止後は進行しない:騒音から離れると、それ以上は悪化しない
騒音レベルの管理基準
騒音障害防止ガイドラインでは次の管理区分を示しています。
| 管理区分 | 騒音レベル | 対応 |
|---|---|---|
| 第1管理区分 | 85dB未満 | 現状の管理の継続 |
| 第2管理区分 | 85dB以上90dB未満 | 騒音源対策・防音保護具の使用 |
| 第3管理区分 | 90dB以上 | 優先的に工学的対策・防音保護具の使用義務 |
騒音の測定
騒音発生作業場では、作業環境測定の義務はありませんが、ガイドラインに基づく騒音レベルの測定が推奨されます。測定器は「騒音計」を使用し、作業者の耳の位置に近い場所で測定します。
なお、安衛則第588条では強烈な騒音を発する屋内作業場について規定されており、そのような作業場での作業環境測定は努力義務として位置付けられています。
騒音健康診断
騒音障害防止ガイドラインは、強烈な騒音作業従事者を対象とした「騒音健康診断」の実施を推奨しています。ただし、騒音は特化則・有機則等で定める「特殊健康診断」(法定義務)の対象ではなく、事業者の自主的な管理として実施されます。
健診の主な項目:問診(職業歴・騒音曝露状況)・純音聴力検査(1,000Hz・4,000Hz)
防音保護具の種類と効果
| 保護具 | 特徴 | NRR(遮音値)の目安 |
|---|---|---|
| 耳栓(フォームタイプ) | 耳道に挿入する。正しく装着すれば高い遮音性。携帯に便利 | 25〜33dB |
| イヤーマフ | 耳全体を覆うカップ型。装着が簡単・確実。高周波の遮音に有効 | 20〜30dB |
| 耳栓+イヤーマフの併用 | 極めて強い騒音環境(100dB超)で使用 | 約36〜40dB(単純加算ではない) |
工学的な騒音対策
- 騒音発生源の低騒音化:機械・設備の防振・防音化
- 遮音・吸音:騒音発生源を囲うカバー・壁の設置
- 防振マウント:機械の振動を床・壁に伝えない
- 作業時間の短縮・ローテーション:曝露時間を減らす管理的対策
試験での出題ポイント
- 騒音性難聴は4,000Hzから始まる(低音域ではない)
- 不可逆性:治らない・騒音曝露停止後は進行しない
- 管理区分の閾値:第2管理区分は85dB以上、第3は90dB以上
- 騒音の健康診断は法定義務の「特殊健康診断」ではなく、ガイドライン上の自主的実施
- 耳栓とイヤーマフの違い:耳栓は耳道に挿入・イヤーマフは耳を覆う
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出典:
・厚生労働省「騒音障害防止のためのガイドライン」(令和5年4月改訂版)
・労働安全衛生規則 第588条
・公益財団法人 安全衛生技術試験協会「公表試験問題」(www.exam.or.jp)

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