第一種衛生管理者の試験全体については、こちらの記事もご参照ください。
▶ 第一種衛生管理者 試験ガイド(概要・合格率・勉強法)
第一種衛生管理者の労働生理では、血液の組成・循環・呼吸のしくみが毎回出題されます。赤血球・白血球・血小板の役割・体循環と肺循環の流れ・呼吸数と換気量の基本値・CO₂による呼吸中枢への刺激を正確に覚えることが合格への近道です。
問題をすぐに解いてみたい方は、こちらのアプリをご利用ください。
▶ 第一種衛生管理者 過去問アプリ
血液の組成
血液は血球成分(赤血球・白血球・血小板)と血漿(液体成分)から構成されます。
| 成分 | 特徴 | 主な機能 |
|---|---|---|
| 赤血球 | 核がない・ヘモグロビンを含む・円盤形。成人の血液1mm³あたり約500万個 | 酸素を全身に運搬する(ヘモグロビンが酸素と結合)。CO(一酸化炭素)との親和性はO₂の約200〜250倍 |
| 白血球 | 核がある・複数の種類(好中球・リンパ球・単球等) | 免疫(細菌・ウイルス・異物の排除) |
| 血小板 | 核がない・最も小さい | 止血(血液凝固を助ける) |
| 血漿 | 淡黄色の液体(約90%が水分) | 栄養素・ホルモン・老廃物・二酸化炭素の運搬。血清(フィブリノーゲン除去後)と区別 |
血液循環の2つのルート
心臓を中心とした血液の流れには体循環(大循環)と肺循環(小循環)の2つがあります。
| 循環の種類 | 経路 | 役割 |
|---|---|---|
| 体循環(大循環) | 左心室 → 大動脈 → 全身の組織・臓器 → 大静脈 → 右心房 | 酸素と栄養素を全身に運び、CO₂と老廃物を回収する |
| 肺循環(小循環) | 右心室 → 肺動脈 → 肺 → 肺静脈 → 左心房 | 肺でCO₂を排出し、酸素を受け取る(ガス交換) |
重要な注意点:肺動脈には静脈血(CO₂が多い血液)が流れ、肺静脈には動脈血(O₂が多い血液)が流れます。動脈・静脈は血管の構造の区分であり、動脈血・静脈血とは別の概念です。
呼吸のしくみ
呼吸には外呼吸(肺でのガス交換)と内呼吸(組織・細胞でのガス交換)の2段階があります。
| 呼吸の種類 | 場所 | 内容 |
|---|---|---|
| 外呼吸(肺呼吸) | 肺胞 | 肺胞と肺毛細血管の間でO₂とCO₂を交換する。O₂が血液に取り込まれ、CO₂が排出される |
| 内呼吸(組織呼吸) | 全身の細胞 | 血液から組織・細胞へO₂を渡し、CO₂と老廃物を受け取る。エネルギー(ATP)産生が目的 |
呼吸の基本数値
| 項目 | 正常値・目安 |
|---|---|
| 安静時の呼吸数 | 15〜20回/分(成人) |
| 1回換気量(安静時) | 約500mL |
| 分時換気量(安静時) | 約7,500〜10,000mL/分(呼吸数×1回換気量) |
| 肺活量(成人男性の目安) | 約3,500〜4,500mL(個人差大) |
呼吸中枢とCO₂の関係
呼吸を制御する呼吸中枢は延髄に存在します。血中CO₂濃度の上昇(=pH低下)が呼吸中枢を刺激し、呼吸数・換気量が増加します。
- 血中CO₂増加 → 延髄の呼吸中枢が刺激される → 呼吸数・換気量が増加
- 激しい運動時:筋肉でのエネルギー消費増大 → CO₂産生増加 → 呼吸促進
- 酸素不足も呼吸を促進するが、通常はCO₂がより強い刺激因子
一酸化炭素(CO)中毒の原理
COはヘモグロビンとの親和性が酸素の約200〜250倍あります。COがヘモグロビンと結合(カルボキシヘモグロビン)すると酸素を運搬できなくなり、組織の酸素欠乏(一酸化炭素中毒)が起こります。症状は頭痛・悪心・意識消失・死亡です。
COは無色・無臭なので感知が難しく、換気不十分な室内での燃焼器具使用時に危険です。
試験での出題ポイント
- 赤血球は「核がない」(白血球は「核がある」と対比して覚える)
- 肺動脈には静脈血、肺静脈には動脈血が流れる(逆になっている)
- 呼吸中枢は「延髄」。CO₂増加が刺激になる
- 安静時呼吸数:15〜20回/分、1回換気量:500mL
- COはO₂の200〜250倍の親和性でヘモグロビンと結合
問題をすぐに解いてみたい方は、こちらのアプリをご利用ください。
▶ 第一種衛生管理者 過去問アプリ
出典:
・公益財団法人 安全衛生技術試験協会「公表試験問題」(www.exam.or.jp)
・労働安全衛生規則 第577条(一酸化炭素関連)
・標準生理学教科書(医科向け参考)

コメント