自律神経と体温調節。交感神経・副交感神経の違いと熱中症の種類

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第一種衛生管理者の労働生理では、自律神経(交感神経と副交感神経)の働き・体温調節のしくみ・基礎代謝量が繰り返し出題されます。交感神経が「緊張・活動」、副交感神経が「安静・回復」に関わるという基本の軸を押さえたうえで、各器官への作用を整理します。

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自律神経の基本

自律神経系は意識的にコントロールできない身体の機能(心臓・血管・消化器・汗腺・瞳孔など)を調整します。交感神経と副交感神経が拮抗的に働き、身体の状態を調節します。

神経の種類 活発になる場面 主なはたらきのイメージ
交感神経 緊張・興奮・活動時(ストレス・戦闘・逃走) 身体を活動モードにする(戦うか逃げるか)
副交感神経 安静・休息・食事・睡眠時 身体を回復・消化モードにする(食べて休む)

各器官への自律神経の作用

器官 交感神経の作用 副交感神経の作用
心臓 心拍数増加・心収縮力増大 心拍数減少
血管 末梢血管収縮・血圧上昇 末梢血管拡張・血圧低下
瞳孔 散大(大きくなる) 縮小(小さくなる)
消化管の運動 抑制(消化を止める) 促進(消化を進める)
汗腺 発汗促進(手足・体幹の汗) (作用なし)
気管支 拡張(呼吸しやすくなる) 収縮(呼吸しにくくなる)
唾液腺 分泌抑制(口が乾く) 分泌促進(よだれが出る)
膀胱 弛緩(尿を蓄える) 収縮(排尿を促す)

体温調節のしくみ

体温は約36〜37℃(腋窩温)に維持されます。体温調節の中枢は視床下部にあります。

体温調節の方法 内容
体熱産生 基礎代謝・筋肉の収縮(ふるえ)・褐色脂肪組織の燃焼
体熱放散(暑いとき) 発汗・皮膚血管の拡張(血液を皮膚表面に集める)・輻射・対流・伝導
体熱保全(寒いとき) 皮膚血管の収縮・筋肉の不随意収縮(ふるえ)・立毛(鳥肌)

体温の測定部位による差

体温は測定部位によって値が異なります。

  • 直腸温:最も高い(核心温に近い)
  • 口腔温:直腸温より0.2〜0.3℃低い
  • 腋窩温(わきの下):口腔温より0.2〜0.5℃低い(最も日常的に使われる)

基礎代謝量

基礎代謝量は、安静覚醒状態(早朝空腹時・快適温度環境下)で生命維持に最低限必要なエネルギー消費量です。

項目 値・内容
成人男性の基礎代謝量の目安 約1,400〜1,600kcal/日
成人女性の基礎代謝量の目安 約1,100〜1,300kcal/日
基礎代謝量が多い条件 筋肉量が多い・若い・男性・体格が大きい・気温が低い
基礎代謝量が少ない条件 筋肉量が少ない・高齢・女性・体格が小さい・気温が高い

熱中症の種類

高温環境での作業では熱中症のリスクが高まります。症状の重さに応じて4段階あります。

種類 症状 対応
熱失神 めまい・立ちくらみ(皮膚血管拡張による血圧低下) 涼しい場所で安静・水分補給
熱疲労 倦怠感・脱力・頭痛・悪心(脱水・循環不全) 涼しい場所で安静・水分と電解質の補給
熱けいれん 有痛性の筋けいれん(多量の発汗後に水のみ補給 → 低ナトリウム血症) 生理食塩水・スポーツドリンク等で電解質補給
熱射病 高体温(40℃以上)・意識障害(最重症) 緊急冷却・即救急搬送。死亡例あり

試験での出題ポイント

  • 交感神経:瞳孔散大・心拍数増加・気管支拡張・消化抑制(活動モード)
  • 副交感神経:瞳孔縮小・心拍数減少・消化促進・唾液促進(安静モード)
  • 体温調節の中枢:視床下部(「延髄」の呼吸中枢と混同しない)
  • 基礎代謝量の目安:男性1,500kcal・女性1,200kcal(試験では概算値が出る)
  • 熱けいれんは水分補給だけでは悪化する(電解質補給が必要)

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出典:
・公益財団法人 安全衛生技術試験協会「公表試験問題」(www.exam.or.jp)
・厚生労働省「職場における熱中症予防基本対策要綱」(令和3年4月)

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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