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石綿(アスベスト)は建築物の断熱・防音材として広く使われてきた繊維状鉱物で、吸入すると中皮腫・肺がん・石綿肺を引き起こします。石綿障害予防規則(石綿則)は石綿を含む建材の除去・解体作業などに対し、作業主任者の選任・呼吸用保護具の着用・特殊健康診断等を義務付けています。
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石綿による健康障害
| 疾病 | 特徴 |
|---|---|
| 石綿肺 | 肺の線維化(じん肺の一種)。潜伏期間10〜20年。呼吸機能低下・呼吸困難 |
| 悪性中皮腫 | 胸膜・腹膜に発生する悪性腫瘍。潜伏期間20〜40年と極めて長い。予後不良 |
| 肺がん | 喫煙との相乗効果で発症リスクが大幅に高まる(相乗的リスク増大) |
| 良性石綿胸膜炎・胸膜プラーク | 胸膜の肥厚・石灰化(良性だが石綿曝露の指標) |
石綿則の主な規制内容
作業主任者の選任
石綿等の切断・穿孔・研磨などの作業では、石綿作業主任者(技能講習修了者)を選任しなければなりません(石綿則第19条)。
特殊健康診断(石綿則第40条)
石綿業務に常時従事する労働者には、雇い入れ時・配置転換後・その後6か月以内に1回の健康診断が義務付けられています。健康診断の記録は40年間保存しなければなりません(石綿則第41条)。
作業環境測定(石綿則第36条)
石綿を取り扱う屋内作業場では6か月以内に1回の作業環境測定が義務付けられています。測定記録の保存期間は40年間です。
呼吸用保護具の使用
石綿作業では防じんマスク(RL3相当以上)または送気マスク等の呼吸用保護具の使用が義務付けられています。
石綿の製造・使用禁止
石綿(クリソタイル・クロシドライト・アモサイト等)の製造・輸入・使用は、安衛法第55条に基づき、事実上全面禁止されています(一部の代替品を含む全ての石綿が2006年から完全禁止)。現在の規制の主な対象は、過去に施工された建築物の解体・改修工事です。
石綿健康管理手帳
石綿(アスベスト)の業務に相当期間従事した労働者は、退職時または転職時に健康管理手帳の交付を申請できます(安衛法第67条)。手帳保有者は退職後も指定医療機関で定期的に健康診断を受診できます(費用は国が負担)。
事前調査と作業計画の届出
建築物の解体・改修工事では、石綿含有建材の有無を事前に調査することが義務付けられています(大気汚染防止法も含む)。石綿等が使用されている建築物の解体等で一定規模以上の工事は、作業計画を所轄の労働基準監督署長に届け出なければなりません(石綿則第5条)。
粉じん作業の規制(粉じん則)との比較
石綿以外の粉じん(ケイ酸・岩石粉じん等)は粉じん障害防止規則(粉じん則)で規制されています。
| 項目 | 石綿則 | 粉じん則 |
|---|---|---|
| 規制対象 | 石綿(アスベスト)を含む業務 | 特定粉じん・粉じん作業 |
| 主な疾病 | 中皮腫・肺がん・石綿肺 | じん肺(ケイ肺等) |
| 健診頻度 | 6か月以内に1回 | じん肺法により1〜3年ごと(管理区分による) |
| 健診記録保存 | 40年間(石綿則第41条) | 粉じん作業に従事した全期間(じん肺法) |
| 作業環境測定記録 | 40年間 | 7年間 |
試験での出題ポイント
- 石綿の健康障害:中皮腫(悪性)・肺がん・石綿肺。潜伏期間が20〜40年と非常に長い
- 石綿の記録保存は健診・作業環境測定ともに40年間(他のほとんどの物質より長い)
- 石綿の製造・使用は2006年から全面禁止(試験では「現在は使用禁止」として出題される)
- 健康管理手帳:退職後も指定医療機関で定期健診が受けられる
- 石綿と喫煙の相乗効果:肺がんのリスクが相乗的に高まる(加算的ではなく乗算的)
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出典:
・石綿障害予防規則 第5条・第19条・第36条・第40条・第41条・第43条
・労働安全衛生法 第55条・第67条
・じん肺法 第2条・第8条・第17条
最新の試験日程・受験申請・公表試験問題は、公益財団法人 安全衛生技術試験協会(www.exam.or.jp)の公式サイトでご確認ください。

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