短期入所の研修記録の書き方。5項目・5年保管が義務と、運営指導の指摘事例。

短期入所の研修記録の書き方。5項目・5年保管が義務と、運営指導の指摘事例。 短期入所

短期入所の研修記録には、実施日時・参加者・内容・欠席者への周知方法を残すことが求められています。記録は5年間の保管が義務です。「配布のみ」や「回覧のみ」は研修実施と認められず、運営指導の指摘事例になっています。この記事では、短期入所の研修記録の書き方・保管期間・運営指導の事例をまとめました。

研修記録の保管義務は5年

基準(平成18年厚生労働省令第171号)は、研修記録の保管について「5年間」と定めています(第145条で準用する各条文)。記録の保管期間が「2年」と定められているものもありますが、利用者への支援に関わる記録の多くは5年保管です。

解釈通知(障発第1206001号)は、研修記録の内容として次のものを挙げています。

「研修や訓練は定期的に行い、実施後は実施日時、参加者、具体的な実施内容、資料、欠席した従業者への周知方法等も含め記録を残してください。」

出典:高知市「令和7年度 集団指導資料」(令和7年度)p.10

この表現は高知市の集団指導資料の原文です。国の解釈通知(障発第1206001号)も各テーマで同趣旨を求めています。

研修記録に書く5つの項目

項目 記入例
実施日時 〇年〇月〇日(〇)〇〇:〇〇〜〇〇:〇〇(所要時間〇分)
参加者 氏名一覧または署名(常勤・非常勤・夜勤専従を含む全職員)
具体的な実施内容 テーマ・使用した資料の名称・確認テストの実施有無・討議した内容
使用した資料 資料の名称またはファイル番号(資料自体も記録として保管)
欠席した職員への周知 欠席者の氏名・周知の方法(資料配布・個別確認)・周知日

表は当方が整理したものです。

「欠席した職員への周知方法」まで記録することが求められている点に注意が必要です。夜勤専従の職員が昼間の研修に参加できない場合は、別日に個別確認を行い、その日時と方法を記録に残してください。

「配布のみ」「回覧のみ」は研修実施と認められない

高知市の集団指導資料は、BCPについて不適切な事例として「業務継続計画の周知(配布や回覧)のみで研修を実施したと認識している。」を挙げています。(出典:高知市「令和7年度 集団指導資料」 p.10)

BCPだけでなく、虐待防止・身体拘束廃止・感染症などの研修でも同じことが当てはまります。資料を配布・回覧しただけでは「研修を実施した」とは認められません。職員が内容を理解したことを確認する機会(説明・テスト・討議など)が必要です。

各研修テーマの回数と記録保管

短期入所で求められる主な研修テーマと、解釈通知が示す最低回数を整理しました。

研修テーマ 根拠 最低回数(解釈通知)
虐待防止 基準 第65条(準用) 年1回以上(新規採用時は別途)
身体拘束廃止 基準 第35条の2(準用) 定期的に(回数の定めなし。年1回以上が目安)
感染症対策 基準 第32条(準用) 年2回以上(訓練も年2回以上)
BCP(自然災害・感染症) 基準 第33条の2(準用) 研修 年1回以上・訓練 年1回以上
非常災害訓練 基準 第70条(準用) 定期的に(消防法:年2回以上が目安)
行動障害・意思決定支援・ハラスメント・個人情報・事故苦情 各条文・手引き 年1回以上が目安

表は当方が解釈通知等を整理したものです。回数は最低限の目安であり、自治体の案内で個別に確認してください。出典:障発第1206001号(最終改正 令和7年3月31日)

年間研修計画を立てて、記録をひとつのファイルにまとめる

短期入所で求められる研修は11テーマ(訓練を含めると14テーマ)あります。全テーマを1年間で実施するには、年間計画が必要です。

計画を立てるポイントは次のとおりです。

  • 各テーマの最低回数を一覧にして、年間での実施予定月を割り当てる
  • 感染症・BCP・非常災害訓練など回数の多いテーマは、重なる月がないよう分散させる
  • 虐待防止・身体拘束廃止は同じ委員会で扱えるため、委員会開催月と合わせると効率的
  • 夜勤専従の職員が参加できない研修は、個別確認の日程を別途設ける

研修記録は、テーマ別にファイルにまとめて5年分を保管してください。年間計画表・実施記録・使用した資料・確認テストの結果・欠席者への周知記録を一セットにしておくと、運営指導のときにすぐ提示できます。

当方の法定研修・訓練キット(短期入所版)では、全テーマの研修資料・確認テスト・受講記録・年間計画表を一体で管理できます。記録の書式も含まれており、記録保管の整備に活用できます。

この記事は、国の解釈通知(障発第1206001号・最終改正 令和7年3月31日)、高知市「令和7年度 集団指導資料」の原文を確認して書いています(確認日:2026年11月1日)。自治体によって指導内容が異なる場合があります。所在地の指定権者の案内で確認してください。作成:fufumumu_design

この記事の出典

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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