小規模多機能型居宅介護では、事業所に配置された「計画作成担当者」が利用者一人ひとりの「小規模多機能型居宅介護計画(サービス計画)」を作成します。通常の居宅介護支援(ケアプラン)との違いや、計画の作成・更新・変更の手順は、省令(平成18年厚生労働省令第34号)の運営基準に定められています。
小規模多機能のサービス計画と通常のケアプランの違い
通常の居宅サービスでは、居宅介護支援事業所のケアマネジャーが「居宅サービス計画(ケアプラン)」を作成します。小規模多機能型居宅介護では、この役割を事業所の「計画作成担当者」が担い、小規模多機能専用のサービス計画を作成します。
| 項目 | 通常の居宅サービス(ケアプラン) | 小規模多機能のサービス計画 |
|---|---|---|
| 作成者 | 居宅介護支援事業所のケアマネジャー | 小規模多機能事業所の計画作成担当者(介護支援専門員) |
| 包含するサービス | 訪問介護・通所介護等の複数サービスを組み合わせる | 通い・宿泊・訪問を一体的に計画する |
| 独立性 | 利用者が事業所を変えてもケアマネジャーは継続できる場合もある | 小規模多機能を退所すると計画作成担当者も変わる |
| 費用 | 居宅介護支援費として介護保険から算定 | 小規模多機能の月額報酬に含まれる(別途算定なし) |
サービス計画の作成手順
省令の運営基準では、サービス計画の作成について以下のプロセスが定められています。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| アセスメント(情報収集) | 利用者・家族との面談・心身状態の確認・生活環境の把握 |
| 課題の整理 | 利用者の希望・解決すべき生活上の課題の特定 |
| サービス計画の原案作成 | 通い・宿泊・訪問の使い方・頻度・目標を記載 |
| 利用者・家族への説明と同意 | 計画の内容を説明し、署名または確認を得る |
| 計画の実施・サービス提供 | 計画に基づいてサービスを提供する |
| モニタリング | 定期的に目標の達成状況・状態変化を確認する |
| 計画の見直し・更新 | 状態変化・利用者の希望の変化に応じて計画を改訂する |
計画に記載する内容
サービス計画には、省令の運営基準に基づき以下の内容を記載します。
- 利用者の基本情報(氏名・要介護度・既往歴・現在の状態)
- 利用者・家族の希望(どのような生活を送りたいか)
- 解決すべき課題(日常生活・介護面での問題点)
- サービスの目標(短期目標・長期目標)
- 通い・宿泊・訪問の利用回数・時間・内容の計画
- 他のサービス(訪問看護・福祉用具等)との連携方針
- 緊急時の対応方針
- 計画の見直し時期
計画の見直し頻度:状態変化に応じて随時
計画の見直しは定期的に行いますが、利用者の状態が大きく変化した場合は随時見直しが必要です。一般的な目安として、少なくとも6か月に1回はモニタリングと計画の確認を行うことが求められます。
特に以下の場合は、計画の見直しを速やかに行います。
- 入院・退院・転院があった場合
- 要介護度が変わった場合
- 利用者・家族の希望が変わった場合
- BPSDや身体状況が著しく変化した場合
- 通い・宿泊・訪問の利用パターンを大きく変える場合
計画作成担当者が担う居宅サービスとの調整
計画作成担当者は、小規模多機能のサービスだけでなく、利用者が別途利用している訪問看護・福祉用具・医療機関との連携調整も担います。
具体的には以下のような調整が日常的な業務になります。
- 訪問看護事業所との定期的な情報共有(体調・服薬状況等)
- かかりつけ医への受診同行・情報提供
- 福祉用具の使用状況の確認と変更の調整
- 家族への月次報告・相談受付
計画書の保管義務
作成したサービス計画書は、省令の規定に基づき一定期間の保管が義務付けられています。サービス終了後も完結の日から5年間(または省令の定める期間)の保管が必要です。
書類の保管方法は紙・電子媒体のどちらも可能ですが、利用者の個人情報を含むため、適切なアクセス管理・保管場所の確保が必要です。
計画作成の記録も義務
サービス計画を作成・変更した都度、経緯・内容・利用者の意向を記録することが求められます。アセスメントの記録・家族への説明の記録・同意確認の記録はセットで管理し、実地指導時にも確認されます。
小規模多機能型居宅介護の収支計画の試算は、小規模多機能型居宅介護 収支シミュレーターで確認できます。
参考・出典
- 指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第34号)
- 指定地域密着型サービス及び指定地域密着型介護予防サービスに関する基準について(通知)
この記事は2026年11月時点の法令・通知に基づいています。
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