サテライト型グループホームとは。本体住居との違いと開業への活用。





サテライト型グループホームとは。本体住居との違いと開業への活用。


サテライト型グループホームとは。本体住居との違いと開業への活用。

サテライト型住居は、グループホーム(共同生活援助)において定員1人の単独居室として設置できる居住形態です。本体住居から一定距離の範囲内に設置し、本体住居の指定の一部として運営します。複数人が共同生活する本体住居とは異なり、入居者が単身に近い生活を送ることができます。介護サービス包括型・外部サービス利用型にのみ認められており、日中サービス支援型では設置できません(出典:埼玉県「共同生活援助(グループホーム)の基準 概要」R6.3版)。

この記事では、サテライト型住居の基本的な位置づけ・本体住居との違い・開業・定員拡大への活用方法・収支上の注意点を整理します。

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サテライト型住居は、定員1人の単独居室。本体住居の指定の一部として運営する。

共同生活援助の設備基準では、「共同生活住居(複数人が共同生活する建物)」とは別に「サテライト型住居(定員1人の単独居室)」という区分が設けられています(出典:埼玉県「共同生活援助(グループホーム)の基準 概要」R6.3版)。

サテライト型住居の主な特徴は次のとおりです。

  • 定員は1人。共同生活住居(2〜10人または2〜20人)とは異なる
  • 独立した「事業所」として指定を受けるのではなく、本体住居の事業所の指定の一部に含まれる
  • 本体住居の定員に算入される(事業所全体の定員数として数えられる)
  • 入居者が本体住居での集団生活から段階的に単身生活へ移行するための居住形態として位置づけられている

たとえば、定員5人の共同生活住居(本体)を1か所運営している事業所が、近隣にサテライト型住居を1か所追加すると、事業所全体の定員は6人になります。追加の指定を新たに取得するのではなく、既存の事業所の変更届として手続きを行います(実際の手続きは指定権者に確認してください)。

本体住居との違いは、5項目で整理できる。

本体住居(共同生活住居)とサテライト型住居の主な違いを比較します。

項目 本体住居(共同生活住居) サテライト型住居
定員 2〜10人(既存建物は最大20人) 1人
居室面積 1室あたり7.43㎡以上 7.43㎡以上(同じ基準)
共用設備 居間・食堂・台所・浴室・トイレ等を建物内に設置 建物内に不要。本体住居の共用設備を利用
支援の形態 本体住居に常駐する世話人・生活支援員が対応 本体住居の職員が移動して対応
利用できるサービス形態 包括型・日中サービス支援型・外部サービス型すべて 包括型・外部サービス型のみ(日中サービス支援型は不可)
大規模住居等減算への影響 1か所の定員が8人以上で5%減算の対象 本体住居の定員に算入されるため、合計定員が8人以上になる場合は影響あり(指定権者に確認)

注目すべき点は「共用設備が不要」という点です。マンションの1室や一軒家の一部屋など、浴室・台所を共有できる物件でなくても、本体住居と一定距離の範囲にあれば設置できます。この柔軟性が、物件探しの選択肢を広げる実務的なメリットになります。

設置できるのは、本体住居の定員に応じて最大2か所まで。

サテライト型住居の設置数には上限があります(出典:埼玉県「共同生活援助(グループホーム)の基準 概要」R6.3版)。

本体住居の定員 設置できるサテライト型住居の上限
4人以下 1か所まで
5人以上 2か所まで

本体住居の定員が4人以下の場合は1か所、5人以上であれば2か所まで設置できます。つまり、定員5人の共同生活住居であれば、最大でサテライト型を2か所追加して、事業所全体の定員を7人にすることができます。

本体住居との距離については、「一定の範囲内」という条件があります。具体的な距離(「自動車で20分以内」等)は、都道府県・市区町村の指定要綱や運用によって異なります。事前に指定権者(都道府県・政令市・中核市)に確認してください。距離が遠すぎると、支援のために移動する職員の負担が増えるため、実務的には本体住居から徒歩または自転車で行き来できる範囲が望ましいとされています。

また、サテライト型住居は介護サービス包括型・外部サービス利用型のみに認められています。日中サービス支援型で開業する場合は設置できません。

段階的な自立を目指す利用者に向いている。定員拡大の選択肢にもなる。

サテライト型住居は、制度上「自立した日常生活・社会生活への移行を目指す利用者のための居住形態」として位置づけられています。

開業や運営の観点からのメリットは次のとおりです。

  • 利用者の幅が広がる:グループホームでの共同生活になじめない利用者でも、単身に近い形式であれば生活できる場合があります。1人暮らしへのステップとして、支援が届く範囲に個室を確保する形です。
  • 物件探しの選択肢が広がる:複数人が入居できる共同生活住居の物件は、まとまった室数と共用スペースが必要で探しにくいことがあります。サテライト型は1人入居の普通のアパート1室でもよいため、物件が見つかりやすい場合があります。
  • 既存事業所の定員拡大手段になる:新たな事業所の指定を取得しなくても、既存の事業所の変更届でサテライト型住居を追加できます(手続きの詳細は指定権者に確認してください)。大規模な初期費用をかけずに定員を増やす方法の一つです。
  • 開業時の最低定員を確保しやすい:グループホームの指定要件として事業所全体の定員が4人以上必要です。「本体住居2〜3人+サテライト型1〜2人」の組み合わせで最低定員を確保できます。小規模な開業を検討している場合に有効な選択肢です。

報酬は本体住居と同じ単位数が適用される。

サテライト型住居に入居している利用者に対しても、基本報酬の単位数は本体住居と同じく障害支援区分に応じた単位数が適用されます(出典:厚生労働省「障害福祉サービス費等の報酬算定構造」)。サテライト型だからといって単位数が下がるわけではなく、収入面では本体住居の入居者と同等に扱われます。

大規模住居等減算への影響を確認する。

サテライト型住居は本体住居の定員に算入されます。たとえば、本体住居の定員が7人でサテライト型が1か所(定員1人)の場合、事業所全体の定員は8人になります。

大規模住居等減算は、「1つの共同生活住居の定員が8人以上」の場合に適用されます。サテライト型住居が本体住居の「共同生活住居」に含まれて計算されるかどうかは、指定権者の判断によります。サテライト型住居の追加を検討する際は、大規模住居等減算の適用範囲について指定権者に事前確認してください。

職員の移動コストが発生する。

サテライト型住居には世話人・生活支援員が常駐せず、本体住居の職員が移動して支援を行います。本体住居から離れた場所にサテライト型を設置すると、職員の移動時間・交通費が発生します。

移動にかかるコストを最小限にするには、本体住居と徒歩・自転車で行き来できる範囲にサテライト型住居を設置することが実務的な基準になります。

重度障害者の受け入れには向かない。

サテライト型は単身生活に近い形式のため、夜間に頻繁な支援が必要な重度の利用者には向かない場合があります。区分5〜6の重度の利用者を受け入れる場合は、本体住居での支援体制を優先することが一般的です。

設備基準は個室7.43㎡以上。共用設備は本体住居を利用できる。

サテライト型住居の居室(個室)に求められる面積は、本体住居の個室と同じく7.43㎡以上です(出典:埼玉県「共同生活援助(グループホーム)の基準 概要」R6.3版)。

本体住居との大きな違いは、居間・食堂・台所・浴室・トイレ等の共用設備を建物内に設置しなくてよい点です。サテライト型住居の入居者は、本体住居の共用設備(食事・入浴・洗濯等)を利用する形になります。そのため、アパートの1室のように共用設備がない物件でも、本体住居との距離の条件を満たせば設置できます。

なお、消防法上の設備(自動火災報知設備等)や建築基準法上の要件は、物件の所在地・建物規模によって異なります。サテライト型住居として使う予定の物件についても、消防署・建築担当課・指定権者への事前確認が必要です。

設備基準の全体的な内容については、グループホームに使える物件の条件。個室の広さ・定員・設備基準をまとめます。をあわせてご参照ください。

まとめ

サテライト型住居のポイントを整理します。

  • 定員1人の単独居室で、本体住居の指定の一部として運営する
  • 介護サービス包括型・外部サービス利用型のみ設置可能(日中サービス支援型は不可)
  • 設置数の上限:本体定員4人以下→1か所まで、5人以上→2か所まで
  • 本体住居との距離条件は都道府県・市区町村によって異なる(指定権者に確認)
  • 報酬の単位数は本体住居と同じ。大規模住居等減算への影響は指定権者に確認
  • 職員は本体住居から移動して支援するため、距離が近い方が運営コストを抑えられる
  • 単身生活に近い形式で、段階的自立を目指す利用者・小規模開業時の定員確保に有効

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出典

作成日:2026年10月27日


この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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