運行記録計(デジタコ)の装着義務と記録データの活用方法。

運行記録計(デジタコ)の装着義務と記録データの活用方法。 運送業(ドライバー教育)

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貨物自動車運送事業輸送安全規則第9条は、一定規模以上の事業用自動車に運行記録計(デジタコ)を装着し、記録を1か月以上保存することを義務づけている。デジタコの記録データは、ドライバー個別指導や事故発生時の状況確認にも使える。この記事では装着義務の対象・記録事項・活用のポイントを整理する。

運行記録計の装着義務は車両総重量8t以上が対象

貨物自動車運送事業輸送安全規則第9条は、「車両総重量8t以上または最大積載量5t以上の事業用自動車」に運行記録計(デジタコ)を装着することを義務づけている。

軽貨物(黒ナンバー)は車両総重量が最大で約1t未満のため、デジタコの装着義務の対象外だ。ただし、発注元の荷主から任意でドライブレコーダーの装着を求められるケースはある。

デジタコが自動で記録する3つのデータ

運行記録計(デジタコ)が記録するのは次の3項目だ。

記録データ 内容
速度 走行中の速度の変化を連続的に記録する。速度超過や急加速の有無が確認できる
時間 運行した時間帯・停車時間・乗務時間の合計が分かる
距離 走行距離を記録する。燃料管理や乗務記録との照合に使える

旧型のタコグラフ(アナログ式・円形の記録紙)に対し、デジタル式(デジタコ)はデータをICカードやSDカードに記録する。PCで読み出して分析できるため、ドライバーごとの運転傾向の把握が容易になった。

記録の保存期間は1か月以上

安全規則第9条は、運行記録計の記録を「1か月以上保存しなければならない」と定めている。保存したデータは、運輸局の運営指導(監査)の際に提示を求められることがある。保存先がICカード・SDカード・サーバーのいずれであっても、すぐに取り出せる状態にしておくことが求められる。

記録データをドライバー教育に活用する

デジタコのデータは、ドライバーへの個別指導の根拠として使える。「この日の〇時〇分に時速△△kmで走っていた」という具体的なデータを示すことで、抽象的な注意より伝わりやすくなる。

特に以下の場面で活用できる。

  • 急加速・急減速が多いドライバーへの省エネ・安全運転指導
  • 速度超過のあった区間の確認と再発防止
  • 長時間連続運転(改善基準告示の連続運転4時間上限の管理)の確認
  • 事故・ヒヤリハット発生時の速度・行動記録の検証

デジタコのデータをドライバー本人にフィードバックする「エコドライブ指導」「安全運転報告」を実施している事業者では、燃費の改善と事故件数の低下が報告されている。

ドライブレコーダーは法定義務ではないが、装着が広まっている

ドライブレコーダー(ドラレコ)は、現時点では法定義務ではない。ただし、国土交通省が運用する「Gマーク(安全性優良事業所)」の認定では装着率が評価項目に含まれており、荷主や元請けから装着を条件とする契約が増えている。

前方・後方・車内の映像を記録するドラレコは、事故時の状況証明に有効なだけでなく、「あおり運転」「不当な過失割合の主張」への対策にもなる。映像データを使ったドライバー教育(危険運転の映像を研修で見せる)も有効だ。

デジタコとドラレコ、それぞれの役割の違い

デジタコは「速度・時間・距離の数値データ」、ドラレコは「映像データ」を記録する。目的が異なるため、両方装着している事業者が多い。

  • デジタコ:乗務時間管理・改善基準告示の遵守確認・省エネ指導に使う
  • ドラレコ:事故・トラブル時の証拠保全・教育用映像の取得に使う

デジタコとドラレコのデータを連携させた「統合型車両管理システム」を導入する事業者も増えており、運行管理の効率化とドライバー教育の質向上につながっている。

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▶ 運送業 法定研修キット(軽貨物・一般貨物)

出典:貨物自動車運送事業輸送安全規則第9条(e-Gov法令検索)、国土交通省「デジタル式運行記録計の活用について」。作成:2026年10月。

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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