就労継続支援B型の身体拘束廃止研修、1%減算の仕組みと委員会・指針・研修の3要件。
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就労継続支援B型では、身体拘束廃止未実施減算が適用されます。減算は所定単位数の1%で、「実際に身体拘束をしたかどうか」ではなく「委員会・指針・研修の体制が整っているかどうか」で判定されます。
この記事では、就労継続支援B型の身体拘束廃止研修に必要な3要件と、B型の作業現場で起きやすい身体拘束に当たる行為を整理します。
身体拘束廃止の3要件(委員会・指針・研修)
指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第171号)第35条の2は、就労継続支援B型に第202条で準用されています。3要件の内容は次のとおりです。
- 身体拘束等の適正化のための委員会を定期的に開催し、結果を全従業者に周知していること
- 身体拘束等の適正化のための指針を整備していること
- 従業者に対し、身体拘束等の適正化のための研修を定期的に実施していること
3つのうち一つでも欠けると減算の対象となります。
減算は所定単位数の1%(訪問・通所系の区分)
身体拘束廃止未実施減算の割合は、サービス種別によって異なります。
| 区分 | 減算割合 | 主なサービス |
|---|---|---|
| 入所系・GH | 所定単位数の10% | 障害者グループホーム・施設入所支援など |
| 訪問・通所系 | 所定単位数の1% | 就労継続支援B型・就労継続支援A型・就労移行支援・生活介護など |
就労継続支援B型は訪問・通所系の区分にあたるため、減算は所定単位数の1%です。割合はGHの10%より小さいですが、3要件が整っていないという「体制の不備」は変わりません。運営指導では必ず確認されます。
B型の作業場面で身体拘束に当たる行為
就労継続支援B型は作業・生産活動が中心の通所サービスです。GHの夜間支援とは異なり、「作業中」「送迎中」「帰宅場面」でリスクが生じます。研修では、B型の現場に即した場面を取り上げます。
作業中の行動制限
利用者が作業場から離席しようとするのを制止するために、体を押さえたり、腕をつかんで引き戻したりする行為は身体拘束に当たります。作業の継続を優先するあまり、利用者の自由な移動を妨げる行為は、工賃を受け取る立場であっても認められません。
また、「座っていないと給料は出ませんよ」という言い方で精神的に圧迫する行為は、身体拘束ではなく心理的虐待に当たります(虐待防止研修の記事を参照)。
送迎中の行動制限
送迎車両の中で、利用者が座席から立ち上がろうとするのを腕をつかんで座らせ続ける行為は身体拘束に当たります。安全上の理由があっても、まずシートベルトの適切な使用・補助具の活用・短時間で降車できるルートの見直しなどの代替方法を検討します。
自室・休憩室への隔離
利用者の問題行動を防ぐために、自室や別室に連れていき、外から施錠する行為は身体拘束です。「クールダウン」の目的であっても、本人が出られない状態にする行為は許容されません。利用者本人が望んで別室に移動し、いつでも自分で出られる状態は身体拘束に当たりません。
緊急やむを得ない場合の3要件
緊急やむを得ない場合に限り、身体拘束が例外的に許容される場合があります。ただし、次の3要件をすべて満たすことが必要です。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 切迫性 | 利用者本人または他者の生命・身体が危険にさらされる可能性が著しく高い |
| 非代替性 | 身体拘束以外の方法では危険を回避することができない |
| 一時性 | 身体拘束は一時的なものに限る |
この3要件を満たす場合も、本人・家族への説明と同意、記録への記載、委員会への報告が必要です。「やむを得なかった」と説明できる記録がなければ、運営指導での指摘対象となります。
委員会は年1回以上、研修は年1回以上
委員会の開催頻度については基準の条文に明示されていません。解釈通知(障発第1206001号 第三の3の(26))では、「定期的に開催する」とされており、年1回以上の開催が運営指導で確認される際の目安です。
研修は「定期的に実施する」ことと「新規採用時にも必ず実施する」ことが求められています(解釈通知 第三の3の(26))。年1回以上の定期実施に加え、新たに採用した職員には定期研修の開催を待たずに個別で実施します。
指針に含める項目
指針の形式は自由ですが、次の項目を含む内容が実務上の目安です。
- 身体拘束廃止に向けた基本方針
- 身体拘束に当たる行為の定義と、B型の作業場面での具体例
- 緊急やむを得ない場合の3要件(切迫性・非代替性・一時性)と手続き
- 身体拘束を実施した場合の記録方法(様式・記載事項・保管場所)
- 委員会の開催頻度・構成員・役割
- 研修の実施頻度・対象・方法
- 不適切な対応を発見した場合の報告経路
研修で確認する内容
B型の研修では、次の内容を確認します。
定義と具体例の確認:身体拘束に当たる行為の定義と、B型の作業場面・送迎場面での具体的な場面例を確認します。職員が「これは身体拘束に当たるのか」と迷わずに判断できる水準を目指します。
代替的な対応の共有:身体拘束をせずに済んだ対応の事例(施設環境の見直し・作業の組み合わせの変更・複数職員での対応など)を共有します。
記録の書き方の確認:身体拘束を実施した場合の記録様式と記載事項を確認します。様式がない事業所は研修の機会に整備します。
記録として残すもの
- 研修の実施日・テーマ・実施方法・参加職員の確認サイン
- 新規採用時の個別研修の記録(実施日・対象者・確認内容)
- 委員会の開催記録(日時・出席者・議事内容・決定事項)
- 委員会結果の全職員への周知を確認できる記録(議事録の回覧サイン・説明会の出席簿など)
- 指針(文書として整備されており、最終更新日が分かること)
- 身体拘束を実施した場合の記録(3要件の充足・実施した行為・時間・状況の詳細)
まとめ
就労継続支援B型の身体拘束廃止研修は、委員会・指針・研修の3要件を整えることが義務です。減算は所定単位数の1%(訪問・通所系の区分)です。B型では作業中・送迎中・隔離といった通所ならではの場面でのリスクを理解し、代替的な対応を職員が判断できる状態をつくることが研修の目的です。
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出典:指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第171号)第35条の2(第202条で準用)・解釈通知(障発第1206001号)第三の3の(26)・厚生労働省・こども家庭庁「障害者福祉施設等における身体拘束廃止の手引き」(令和6年改訂版)。


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