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非常災害訓練の義務は、指定通所支援基準 第40条に書かれています。
児童発達支援が行わなければならない非常災害への対応は、指定通所支援の事業の人員、設備及び運営に関する基準(以下「基準」といいます。)第40条で定められています。
第40条第1項は非常災害の対策に関する規定、第2項は訓練の義務です。第2項の原文を引きます。
指定通所支援事業者は、非常災害に備えるため、定期的に避難、救出その他必要な訓練を行わなければならない。
(指定通所支援の事業の人員、設備及び運営に関する基準 第40条第2項)
「定期的に」と書かれていますが、基準の条文だけを見ると何回以上という数字は出てきません。回数については、事業所に適用される消防法の側の規定と組み合わせて考える必要があります。
消防法が「年2回以上」を定めています。
児童発達支援の事業所は、消防法施行令の別表第一において(六)項ハに分類されます(障害児通所支援事業の用に供するもの)。この分類の事業所は、消防法の防火管理の対象になります。
収容人員が30人以上の場合、防火管理者を選任する義務があります(消防法施行令第1条の2第3項第1号ロ)。
防火管理者は、消防計画に基づいて消火訓練と避難訓練を年2回以上実施し、事前に消防機関へ通報しなければなりません(消防法施行規則第3条第10項・第11項)。
防火管理者は、少なくとも年2回以上、消火訓練及び避難訓練を行わなければならない。
(消防法施行規則 第3条第10項)
したがって、収容人員が30人以上の事業所では、「消火訓練と避難訓練を年2回以上」が最低ラインです。
収容人員が30人未満の小さな事業所でも、消防署や市区町村が地域の防火管理計画の中で訓練の実施を推奨している場合があります。基準の「定期的に」という言葉の意味を実態に即して解釈するなら、年1回以上は実施することが望ましいと考えられています。
BCP訓練と非常災害訓練は、別に数えます。
業務継続計画(BCP)の訓練は、基準第38条の2に根拠があります。研修・訓練をそれぞれ年1回以上行うことが義務です。
BCPは地震や感染症の流行で事業が継続できなくなった場合の対応計画です。避難訓練は利用者を安全な場所に避難させることを目的とした訓練です。
一般的に、BCP訓練と非常災害訓練は内容が重なる部分もありますが、法令の根拠が異なります。同じ日に実施できても、記録上は別の訓練として残しておくことが運営指導でも確認されることがあります。
放課後等デイサービスの運営指導の指摘事例では、「BCPの訓練は行っているが、基準に基づく避難訓練の記録がない」という指摘が見られます。同様のことが児童発達支援の運営指導でも確認される可能性があります。
訓練の内容は、施設の立地と利用者の特性に合わせます。
訓練の内容は、施設がどこにあるか、どんな利用者が来ているかによって変わります。
基準第40条第1項は、非常災害に備えるための対策を定めています。同項の原文は次のとおりです。
指定通所支援事業者は、消火設備その他の非常災害に際して必要な設備を設けるとともに、非常災害に関する具体的計画を立て、非常災害時の関係機関への通報及び連絡体制を整備し、それらを定期的に従業者に周知しなければならない。
(指定通所支援の事業の人員、設備及び運営に関する基準 第40条第1項)
「関係機関への通報及び連絡体制」を整備し、「定期的に従業者に周知」することが求められています。訓練の中でこの確認も合わせて行うと効果的です。
未就学児がいる場合の訓練の工夫
児童発達支援は未就学児が対象です。避難訓練では、次のような点に特別な配慮が必要です。
- 自力で避難できない子どもを抱えて移動する担当者の確認
- 車いすや特定の補助具を使用する子どもへの対応
- パニックが起きやすい子どもへの声かけの方法と順序
- 保護者への連絡手順(誰が・いつ・どのような手段で連絡するか)
- 迎えに来た保護者への引き渡し手順と引き渡し確認の記録
訓練のシナリオは毎回同じにしないことが重要です。火災、地震、大雨など複数の災害種別を交互に設定し、対応力を高めていきます。
水防法・土砂災害防止法の対象になる場合、訓練結果の報告が義務です。
市区町村の地域防災計画に施設の名称と所在地が記載された場合、その施設は「要配慮者利用施設」として位置づけられます。この場合、水防法第15条の3または土砂災害防止法第8条の2に基づく規定が加わります。
具体的には、避難確保計画の作成と市区町村への報告、訓練の実施と訓練結果の市区町村への報告が義務になります。消防法は事前通報が義務ですが、訓練結果の報告が条文で義務とされているのは水防法・土砂災害防止法の対象施設です。
自分の事業所が対象かどうかは、市区町村の担当窓口(防災・危機管理部門)に確認してください。
訓練の記録に残すべき項目
訓練を実施したことを記録として残しておくことが重要です。運営指導では記録の有無を確認されます。記録に残す項目の例は次のとおりです。
- 実施日時
- 訓練の種類(消火訓練・避難訓練・BCP訓練など)
- 参加者数(職員・利用者)
- 訓練のシナリオ(想定した災害の種類・状況)
- 実際の避難経路と所要時間
- 訓練中に気づいた問題点
- 次回の訓練に向けた改善事項
訓練を記録し、次回の改善につなげるPDCAのサイクルを回すことが求められています。
年間計画に訓練の予定を組み込みます。
訓練を確実に実施するには、年間計画の段階から予定を入れることが有効です。
年間計画の例として、次のような配分が考えられます。
- 6月:消火訓練・避難訓練(1回目)
- 9月:BCPの研修・訓練
- 12月:消火訓練・避難訓練(2回目)
季節ごとのリスク(梅雨・台風・大雪・インフルエンザの流行など)に合わせて訓練のシナリオを変えると、より実践的な準備ができます。
研修キットでは、法定テーマの年間計画の管理と訓練記録の様式を用意しています。ご活用ください。
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