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ハラスメント防止研修の義務は、指定通所支援基準 第38条第4項に書かれています。
児童発達支援の事業者が従業者に対して行わなければならないハラスメント防止の取り組みは、指定通所支援の事業の人員、設備及び運営に関する基準(以下「基準」といいます。)第38条第4項で定められています。
第38条第4項の原文を引きます。
指定通所支援事業者は、適切な指定通所支援の提供を確保する観点から、職場において行われる性的な言動又は優越的な関係を背景とした言動であって業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより従業者の就業環境が害されることを防止するための方針の明確化等の必要な措置を講じなければならない。
(指定通所支援の事業の人員、設備及び運営に関する基準 第38条第4項)
「必要な措置」の内容として、事業者指針(令和2年厚生労働省告示第5号)は、方針の明確化・周知、相談体制の整備、研修の実施を挙げています。研修は義務の一部として位置づけられています。
職場のハラスメントには3つの種類があります。
職場のハラスメントには、主に次の3種類があります。それぞれの定義を確認することが研修の第一歩です。
パワーハラスメント(パワハラ)
優越的な関係を背景に、業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動により、労働者の就業環境を害するものです。労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(労働施策総合推進法)第30条の2に根拠があります。
6つの行為類型が厚生労働省のガイドラインで示されています。
- 身体的な攻撃(暴力・傷害)
- 精神的な攻撃(脅迫・侮辱・暴言)
- 人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し)
- 過大な要求(業務上明らかに不要なことを強制する)
- 過小な要求(能力に見合わない仕事だけさせる)
- 個の侵害(私的なことへの過度な立ち入り)
セクシュアルハラスメント(セクハラ)
職場における性的な言動により、労働者の就業環境を害するもの、または性的な言動への対応によって不利益を与えるものです。男女雇用機会均等法第11条に根拠があります。
マタニティハラスメント(マタハラ)・育児・介護ハラスメント
妊娠・出産・育児・介護に関する言動により、労働者の就業環境を害するものです。男女雇用機会均等法第11条の3、育児・介護休業法第25条に根拠があります。
利用者・保護者からのハラスメントも研修で扱います。
ハラスメントは職場内の職員間だけに起きるものではありません。利用者や保護者から職員に対する不当な言動(暴言・暴力・過剰な要求・SNSへの書き込みなど)も、事業者として対応しなければならない問題です。
厚生労働省のハラスメント対策に関する通知でも、社会福祉事業の従事者への顧客等からのハラスメントへの対応を求めています。基準第38条第4項の「職場において行われる」には、利用者・家族から職員へのハラスメントも含まれると解されています。
研修では、職員間のハラスメントと合わせて、利用者・保護者からの不当な言動への対応方法も扱うことが重要です。
具体的には次のような場面を扱うと現実的な研修になります。
- 保護者から特定の職員へ繰り返し行われる暴言や長時間の電話
- SNSへの事業所や職員への誹謗中傷の書き込み
- 送迎時の暴力的な言動
- 過度な要求・理不尽なクレームの繰り返し
研修で伝える内容の組み立て方
ハラスメント防止研修で職員に伝える内容は、次の流れで組み立てると理解しやすくなります。
第1段階:定義と事例
パワハラ・セクハラ・マタハラの定義を確認します。「これはハラスメントに当たるか」という判断基準を示す事例を複数用意します。グレーゾーンの事例(指導とパワハラの境界など)も取り上げると、職員の理解が深まります。
第2段階:事業所の方針と相談窓口
事業所がハラスメントを許容しないという方針を明文化し、職員に周知します。相談があった場合の窓口と手順を示します。相談した職員が不利益を受けないことを明記することも重要です。
第3段階:発生したときの対応
相談を受けたときの対応の流れ、事実確認の方法、対処の手順を確認します。プライバシーの保護と秘密保持の徹底も合わせて伝えます。
第4段階:自分がされた・目撃した場合の行動
自分がハラスメントを受けた場合、または同僚がされているのを見た場合に何をすべきかを具体的に伝えます。「見て見ぬふりをしない」という姿勢を育てることが組織的な防止につながります。
記録と周知の方法
研修を実施した記録(日時・参加者・内容)を残します。また、方針の周知についても記録が必要です。
周知の方法としては、次のようなものが考えられます。
- 就業規則や服務規程への明記
- 事業所内の掲示板への掲示
- 入職時のオリエンテーションでの説明
- 年1回の研修での確認
方針を明確にし、定期的に研修で確認することが、ハラスメントが起きにくい職場環境を作ることにつながります。
研修の頻度
基準の条文には回数の定めがありません。国の解釈通知を確認する範囲では、ハラスメント防止研修の頻度について「年1回以上」という明確な定めは見当たりません。
ただし、労働施策総合推進法のパワハラ防止の義務(令和2年6月施行・中小企業は令和4年4月から)に基づく取り組みとして、定期的な研修の実施を求めるガイドライン(令和2年厚生労働省告示第5号)があります。
虐待防止や身体拘束の研修(年1回以上)に合わせて年1回以上実施するのが実務的な基準として広く受け入れられています。
研修キットでは、ハラスメント防止の研修資料・確認テスト・年間計画の管理機能を用意しています。ご活用ください。
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