消防設備士 1類で覚える数字のまとめ。法令・設置基準・規格を条文つきで

消防設備士 1類で覚える数字のまとめ。法令・設置基準・規格を条文つきで 資格

消防設備士 第1類の試験は、屋内消火栓設備とスプリンクラー設備に関する数字が多く出ます。放水量・放水圧・水平距離・水源水量・設置基準の面積・点検周期など、覚える数字のジャンルが複数あって、混同しやすい組み合わせがあります。

法令の根拠条文と一緒に表にしました。数字を暗記するときの確認用、試験直前の総まとめ用に使ってください。

放水量と放水圧の基準値。設備ごとに違う

1類の試験でよく出て、混同しやすいのが放水量と放水圧の組み合わせです。設備の種類が3つあり、それぞれ数字が違います。

設備の種類 放水量(最低) 放水圧(最低) 放水圧(最高) 根拠
屋内消火栓(1号) 130L/min以上 0.17MPa以上 0.7MPa以下 施行令第11条
屋内消火栓(2号・15m型) 60L/min以上 0.25MPa以上 0.7MPa以下 施行規則第12条
スプリンクラーヘッド 80L/min以上 0.1MPa以上 1MPa以下 施行規則第14条

「1号消火栓の放水圧は0.17MPa・2号消火栓は0.25MPa(2号の方が高い)」「1号と2号で放水量が違う(130L/minと60L/min)」「スプリンクラーは放水圧が低くて上限が高い(0.1MPa〜1MPa)」という違いが試験によく出ます。

屋内消火栓の設置基準。延べ面積と階数が判断材料

屋内消火栓設備の設置が必要になる延べ面積は、防火対象物の用途によって変わります(消防法施行令第11条第1項)。

防火対象物の用途 設置が必要な延べ面積の目安
(一)項:劇場・映画館・演芸場・観覧場 500㎡以上
(二)項:遊技場・キャバレー等 500㎡以上
(三)〜(十)項:飲食店・百貨店・病院・工場等 700㎡以上(用途による)
地下階・無窓階 延べ面積に関わらず設置義務が生じる場合あり

「(一)項は500㎡・それ以外は700㎡」という対比が試験問題に使われます。ただし用途によって細かく分かれているため、原文(消防法施行令第11条第1項各号)の確認が確実です。

屋内消火栓の種類と設置距離

種類 ホースの長さ 水平距離(各消火栓から半径) 操作人数
1号消火栓 15m 25m以下 2人(原則)
易操作性1号消火栓 15m 25m以下 1人
2号消火栓(15m型) 15m 15m以下 1人

根拠:消防法施行令第11条第3項・消防法施行規則第12条。「1号は25m以内・2号は15m以内」という数字の対比が重要です。

消火栓箱の設置高さ

部品 設置高さの基準 根拠
開閉弁(バルブ) 床面から1.5m以下 施行規則第12条
ホース格納箱(上端) 床面から1.5m以下 施行規則第12条

スプリンクラー設備の設置基準

スプリンクラー設備の設置義務は用途と階数の組み合わせで決まります(消防法施行令第12条)。

条件 設置義務の有無
11階以上の部分(すべての防火対象物) 設置義務あり
地下街 設置義務あり
百貨店・ホテル等(特定の用途・10階以下) 面積・条件によって義務あり

「11階以上はすべての建物でスプリンクラーが義務」という点は試験でよく問われます(施行令第12条第1項第12号)。

スプリンクラーヘッドの水平距離と防護面積

スプリンクラーヘッドの配置は、建物の構造や部位によって水平距離の基準が変わります(消防法施行規則第13条の2)。

建物・部位の種類 水平距離(R) 防護面積の目安
耐火建築物(高感度型以外) 2.3m以下 約16.6㎡(π×2.3²)
耐火建築物以外(準耐火・木造等) 2.1m以下 約13.8㎡(π×2.1²)
舞台部 1.7m以下 約9.1㎡(π×1.7²)

「2.3→2.1→1.7」と数字が順に小さくなる(守りが厳しくなる)と覚えると整理しやすいです。

スプリンクラーヘッドの色表示(溶融温度)

閉鎖型スプリンクラーヘッドの感熱部は、溶融温度によって色で区別されています(JIS B 9890)。

色 溶融温度(℃) 主な使用場所の例
橙(だいだい) 57℃ 通常の居室
赤 68℃ 通常の居室・廊下
黄 79℃ 厨房・ボイラー室等
緑 93℃ 厨房・乾燥室等
青 121℃ 高温の作業場等
紫 141℃ 非常に高温の場所
黒 163℃以上 極高温の場所

試験では「橙は○℃・赤は○℃」という直接問答のほか、「この厨房に適切なヘッドの色は」という判断問題も出ます。色の順番(橙→赤→黄→緑→青→紫→黒)とセットで覚えると答えやすくなります。

水源水量の基準値

設備の種類と条件によって必要な水源水量が変わります。消防法施行令第11条・第12条に基づいて設定されています。

設備の種類 同時使用・開放数 単位水量 合計水量
屋内消火栓(1号) 最大2基 1基2.6m³ 5.2m³
屋内消火栓(易操作性1号) 最大2基 1基2.6m³ 5.2m³
屋内消火栓(2号・15m型) 最大2基 1基1.2m³ 2.4m³
スプリンクラー(10階以下) 15個同時開放 1個1.6m³ 24.0m³
スプリンクラー(11階以上) 30個同時開放 1個1.6m³ 48.0m³

「消火栓は2基・5.2m³(または2.4m³)」「スプリンクラーは15個・24m³(または30個・48m³)」という組み合わせで覚えます。

ポンプ全揚程の計算に使う数字

ポンプ全揚程 H = h1 + h2 + h3 + Pの式で使う数値を整理します。

設備の種類 h1(ホース摩擦損失) 末端放水圧P(水頭換算)
屋内消火栓(1号) 17m 17m(0.17MPa)
屋内消火栓(2号・15m型) 12m 25m(0.25MPa)
スプリンクラー設備 0(ホースなし) 10m(0.1MPa)

h2(配管摩擦損失)とh3(落差)は問題文に数値が与えられます。計算式の構造を理解しておけば、問題ごとに数値を変えて対応できます。

設備の点検周期と報告周期

消防設備の点検は法律で義務付けられており、第1類の設備も対象です(消防法施行規則第31条の6)。

項目 周期
機能点検 6か月に1回
総合点検 1年に1回
消防庁への報告(特定防火対象物) 1年に1回
消防庁への報告(非特定防火対象物) 3年に1回

「点検は6か月と1年・報告は1年と3年」という2段構えの数字を混同しないようにします。点検周期と報告周期は別のものです。

非常電源の容量と種類

屋内消火栓設備・スプリンクラー設備には非常電源が必要です(消防法施行令第11条・第12条)。

項目 基準
非常電源の種類 自家発電設備・蓄電池設備・燃料電池設備
容量 60分以上稼働できること

「60分」という数字が試験に出ます。他の消防設備では容量が10分・20分・30分のものもあるため、屋内消火栓・スプリンクラー設備の1類は60分という数字を押さえておきます(施行規則第12条・第14条)。

甲1の計算問題の重要数字まとめ

計算問題(ヘッド個数・水源水量・ポンプ全揚程)に直接使う数字を一覧にしました。

計算の種類 重要数字 根拠
ヘッド個数(耐火建築物) 水平距離R = 2.3m 施行規則第13条の2
ヘッド個数(耐火以外) 水平距離R = 2.1m 施行規則第13条の2
ヘッド個数(舞台部) 水平距離R = 1.7m 施行規則第13条の2
水源水量(1号消火栓) 2基 × 2.6m³ = 5.2m³ 施行令第11条
水源水量(スプリンクラー10階以下) 15個 × 1.6m³ = 24m³ 施行令第12条
ポンプ全揚程(1号消火栓) h1 = 17m、P = 17m 施行規則第12条
ポンプ全揚程(スプリンクラー) h1 = 0m、P = 10m 施行規則第14条

混乱しやすい数字の組み合わせ

1類の試験で受験者が間違えやすい数字の組み合わせをまとめます。

混同しやすい数字 正しい対応
1号消火栓の水平距離(25m)とホース長(15m) 水平距離25m・ホース15m(別の数字)
2号消火栓の水平距離(15m)とホース長(15m) 水平距離15m・ホース15m(同じ数字だが意味が違う)
1号消火栓の放水量(130L/min)とスプリンクラー(80L/min) 消火栓の方が多い
消火栓の放水圧(0.17MPa)とスプリンクラー(0.1MPa) スプリンクラーの方が低い
点検周期(6か月・1年)と報告周期(1年・3年) 点検と報告は別

数字は条文と一緒に覚えると定着が早い

数字だけを暗記しようとすると、試験の問題文の言い回しが変わったときに対応できなくなります。「この数字は消防法施行令第○条に書いてある」という紐づけがあると、問題の背景まで理解して答えられます。

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出典:消防法施行令第11条・第12条、消防法施行規則第12条・第13条の2・第14条・第31条の6、JIS B 9890(スプリンクラーヘッドの溶融温度)

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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