消防設備士 第1類の合格率は、令和6年度(令和6年4月〜令和7年3月)時点で甲1が24.1%、乙1が31.0%です(消防試験研究センター公表)。甲1は4人に1人合格、乙1は3人に1人合格という水準です。
6年分の推移、甲1と乙1の差がなぜ生まれるか、合格ラインに絡んで点を落としやすい場所を、公式の数字でまとめます。
令和6年度の合格率:甲1は24.1%・乙1は31.0%
| 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
|---|---|---|---|
| 甲種第1類 | 12,086人 | 2,914人 | 24.1% |
| 乙種第1類 | 2,161人 | 669人 | 31.0% |
出典:一般財団法人消防試験研究センター「試験実施状況(令和6年4月〜令和7年3月)」
甲1の受験者数は乙1の約5.6倍です。屋内消火栓・スプリンクラーの設置が多い大型施設では工事まで担当できる甲1の需要が高く、受験者数に反映されています。合格率は甲1のほうが約7ポイント低い状態が続いています。
甲1の合格率6年間の推移
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 令和元年度 | 13,218人 | 3,244人 | 24.5% |
| 令和2年度 | 11,254人 | 2,659人 | 23.6% |
| 令和3年度 | 12,105人 | 2,981人 | 24.6% |
| 令和4年度 | 13,220人 | 3,281人 | 24.8% |
| 令和5年度 | 13,212人 | 3,348人 | 25.3% |
| 令和6年度 | 12,086人 | 2,914人 | 24.1% |
出典:消防試験研究センター「試験実施状況」各年度版。
6年間を通じて甲1の合格率は24〜25%台で安定しています。年度によって若干の上下はありますが、30%を超えたことはなく「3〜4人に1人」という難易度が続いています。
乙1の合格率6年間の推移
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 令和元年度 | 2,516人 | 713人 | 28.3% |
| 令和2年度 | 2,036人 | 604人 | 29.7% |
| 令和3年度 | 2,200人 | 708人 | 32.2% |
| 令和4年度 | 2,314人 | 735人 | 31.8% |
| 令和5年度 | 2,330人 | 745人 | 32.0% |
| 令和6年度 | 2,161人 | 669人 | 31.0% |
乙1の合格率は令和2年度の29.7%を底に、直近は30〜32%台で推移しています。甲1より高いものの、単純に「簡単」というわけではなく、専門科目(屋内消火栓・スプリンクラー)の範囲が広いことに変わりはありません。
甲1の合格率が乙1より低い3つの理由
甲1と乙1の合格率には7〜8ポイントの差があります。同じ「第1類」なのになぜ差が生まれるかというと、試験の構成が違うからです。
理由1:筆記の問題数が多く、基礎知識の比重が高い
甲1の筆記は45問・乙1は30問です。甲1には「基礎的知識(機械・流体)」の10問が乙1と同様にありますが、甲1の構造機能科目は25問(乙1は10問)と大きく増えます。問題数が多い分、幅広い知識が必要です。
理由2:実技に製図(計算問題含む)がある
甲1の実技は鑑別5問と製図2問の計7問です。乙1の実技は鑑別5問のみ。製図の2問には計算問題(ヘッド個数、水源水量、ポンプ全揚程)が含まれることがあり、これが苦手な受験者の足を引っ張ります。
理由3:受験資格があるため準備が不十分なまま受験する人がいる
甲1は学歴・実務経験などの受験資格が必要です(消防法第17条の9第2項・消防法施行規則第33条の8)。資格を持っているからこそ受験できるわけですが、「仕事で使うから受けてみた」という軽い気持ちで試験に臨む人もいます。準備不足での受験が合格率を下げる一因になっています。
乙1より甲1の方が「難しく感じる」理由は計算問題にある
試験の合格率の数字だけ見ると「甲1は乙1より25%低い」と思いますが、実際のところ、乙1でも40%以上は不合格です。乙1が「簡単な試験」なわけではなく、1類全般が「しっかり準備しないと受からない試験」です。
甲1を受験する人が「特に難しい」と感じる場所が計算問題です。公式を暗記するだけでは歯が立たず、式の意味(なぜこの計算をするか)を理解してから問題を繰り返すことが必要です。
| 計算の種類 | 難易度の感じ方 | 攻略のポイント |
|---|---|---|
| ヘッド個数の計算 | 面積の割り算なので比較的わかりやすい | 水平距離と防護面積の対応を覚える |
| 水源水量の計算 | 設備の条件(同時開放個数)さえ覚えれば計算自体は掛け算 | 設備ごとの同時使用数・単位水量を整理する |
| ポンプ全揚程の計算 | 式の各変数の意味がわかりにくく難しい | 「水を何m上げるか」のイメージをつかんでから式に入る |
合格ラインの3条件のうち「実技60%」で落ちる人が多い
消防設備士試験は3段階の合格ラインがあります(消防試験研究センター公表の合格基準)。
- 筆記:各科目40%以上
- 筆記:全体60%以上
- 実技:60%以上
3つをすべて満たして合格です。受験者が最後に悔しがるのは「筆記は通ったのに実技が足りなかった」というパターンです。
甲1の実技(鑑別5問+製図2問)で60%というのは、実技7問のうち5問程度正解することを意味します。製図が全滅でも鑑別で点数を稼げば届く計算ですが、製図の計算問題を放置したままだと厳しくなります。
乙1の実技は鑑別5問のみで、60%ラインは3問正解(4問で安全圏)。鑑別問題は写真・図を見て名前や数字を書く問題なので、設備の部品名と外見を合わせて覚えることが直接点数に結びつきます。
科目免除の活用で合格率は上がるか
消防設備士試験には、他の類を持っている場合や電気工事士などの資格を持っている場合に、筆記の一部が免除される制度があります(消防法施行規則第44条)。
ただし、科目免除には注意点があります。免除された科目は点数にカウントされず、免除なしの残りの科目で60%以上・各40%以上を達成する必要があります。科目数が減る分だけ「一発で間違えると痛い」状況が生まれます。
免除を使うかどうかは、自分が免除対象の科目を得意かどうかで判断するのが現実的です。苦手な科目が免除されるなら使う価値がありますが、得意な科目が免除されると取れる点数が減ります。
受験の前に「何ヶ月の準備期間があるか」を確認する
甲1と乙1の試験は全国で複数回実施されており、受験地や時期によって受験機会が異なります。消防試験研究センターのウェブサイトで最新の試験日程を確認してください。
目安として、仕事で設備を触ったことがある人なら甲1で3〜4ヶ月・乙1で2〜3ヶ月程度の準備が多く語られます。設備の経験がゼロから始める場合は、基礎知識の理解に時間がかかるので余裕を持ったスケジュールを立てる方が安全です。
問題集で繰り返し練習するのが1類の攻略に効く
1類の試験は「出る数字が多い」試験です。テキストを読んで全部覚えようとするより、問題を解いて「この数字はどの条文か」を確認しながら覚える方が効率が上がります。
消防設備士 第1類の問題集(確認済みの問題・数字ドリル・鑑別・計算問題・模試・AI問題生成)は無料から使えます。甲1・乙1どちらの模試にも対応しています。
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出典:一般財団法人消防試験研究センター「試験実施状況」令和元年度〜令和6年度各版、消防法第17条の9、消防法施行規則第33条の8・第44条


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