消防設備士第5類の「構造・機能及び工事整備」は、乙5で15問、甲5で25問出題される最大の科目です。合格基準は各科目40%以上(乙5で6問以上・甲5で10問以上)かつ全体60%以上です。出題テーマは避難器具の各部の名称・構造・整備方法・計算問題・設置基準の細目(施行規則第27条)です。乙5と甲5の違いは「工事」関連問題(配線・設置工事手順)の有無です。
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乙5と甲5の構造整備の出題数の違い
乙5の構造整備(15問)は「各器具の構造と整備」に集中しています。甲5は25問に増え、「工事に関する問題」が加わります。
| 出題テーマ | 乙5の問題数目安 | 甲5の問題数目安 |
|---|---|---|
| 各器具の構造・各部の名称 | 5〜7問 | 7〜10問 |
| 設置基準の細目(施行規則第27条) | 3〜5問 | 5〜8問 |
| 整備の手順・検査方法 | 3〜5問 | 4〜7問 |
| 型式試験・規格省令 | 1〜2問 | 2〜4問 |
| 工事に関する問題(甲5のみ) | — | 5〜7問 |
出典:消防試験研究センター「試験科目と問題数」をもとに著者が作成
器具別の構造・各部の名称(鑑別とも連動)
構造整備の問題は筆記だけでなく実技の鑑別とも内容が重なります。器具ごとに各部の名称と機能を整理します。
緩降機の構造
| 部品名 | 機能 | 試験でよく出るポイント |
|---|---|---|
| 調速器 | 降下速度を一定に保つ。ロープの制動力を自重に応じて調整 | 「調速器の役割は何か」→降下速度を一定に保つ |
| ロープ | 使用者が握って降下するロープ | 長さは取付け位置から降着面まで |
| 着用具(ベルト) | 使用者の腰・胸に装着して体重を支える | 「着用具の役割は何か」を答えられるよう |
| 取付け具(ブラケット) | 窓枠・壁面に緩降機を固定する | JIS G3101またはG3444が材料規格 |
| フック | 取付け具と調速器をつなぐ金具 | 取り外し可能な構造 |
避難はしごの構造
| 部品名 | 機能 | 試験でよく出るポイント |
|---|---|---|
| 縦さん(たてさん) | はしごの縦の骨格部分。左右2本 | 固定はしごは構造上堅固な部分に取り付ける |
| 横さん(よこさん) | 足を乗せる横棒 | 壁面から10cm以上離す(施行規則第27条第4号ハ) |
| 取付け具 | 建物に固定するための器具 | ボルト締め・埋込み・溶接で堅固に固定 |
| 降下口 | 降下するための開口部 | 直径50cm以上の円が内接する大きさ(施行規則第27条第4号ニ) |
救助袋の構造
| 部品名 | 機能 | 試験でよく出るポイント |
|---|---|---|
| 本体(袋) | 内部を使用者が降下する筒状の袋 | 「安全な降下速度を保てる長さ」が基準 |
| 入口部 | 使用者が足から入る開口部 | 垂直式と斜降式で入り方が異なる |
| 取付け枠 | 建物の壁・床に固定して袋を吊り下げる | JIS G3101またはG3444の材料を使用 |
| 収納ケース | 平常時に袋を収納する容器 | 使用時に素早く展開できる構造 |
設置基準の細目(施行規則第27条)から出る問題
施行規則第27条は「避難器具の設置及び維持に関する技術上の基準の細目」として器具ごとの設置条件を定めています。構造整備の問題では条文の数値が直接問われます。
| 器具 | 施行規則第27条の号数 | 主な数値・条件 |
|---|---|---|
| 固定はしご | 第4号 | 横さんは壁から10cm以上・降下口は直径50cm以上の円内接・4階以上は金属製 |
| つり下げはしご | 第5号 | 横さんは壁から10cm以上・4階以上は金属製・ハッチ型取付け具が必要 |
| 緩降機 | 第6号 | ロープ長は取付け位置から降着面まで・取付け具はJIS G3101またはG3444 |
| すべり台 | 第7号 | 転落防止措置が必要・安全な降下速度を保てること |
| すべり棒・避難ロープ | 第8号 | 長さは取付け位置から降着面まで・すべり棒は上部と下部を取付け具で固定 |
| 救助袋 | 第10号 | 袋の長さは安全な降下速度を保てる長さ・取付け具はJIS G3101またはG3444 |
出典:消防法施行規則第27条(e-Gov法令検索)
整備の手順・検査方法で出る問題
整備に関する問題は「何をどの手順で確認するか」という形で出ます。
緩降機の点検・整備の手順
- 取付け具の固定状態を確認する(ボルトの緩み・腐食等)
- ロープの状態を確認する(切断・ほつれ・変形等がないか)
- 調速器の動作確認をする(作動させてロープを繰り出し速度が一定か)
- 着用具の状態を確認する(ベルトの劣化・バックルの動作)
- 収納状態に戻す(ロープを正しく巻き取る)
避難はしごの点検・整備の手順
- 取付け金具の固定状態を確認する(ボルトの緩み・腐食・変形等)
- 横さんの間隔・変形・腐食を確認する
- 壁面からの距離を確認する(10cm以上保たれているか)
- 降下口の大きさを確認する(直径50cm以上の円が内接するか)
- 使用展開試験をする(実際に引き下げて動作確認)
甲5で追加される工事関連の問題
甲5の構造整備は25問で、乙5より10問多くなります。追加の10問の多くは「工事に関する問題」です。主な内容は次のとおりです。
- 着工届の提出時期(工事開始10日前まで)と届出先(消防長または消防署長)
- 設置届の提出時期(工事完了後4日以内)と届出先
- 設置工事の手順(取付け位置の確認→取付け具の固定→本体の取付け→動作確認)
- 設置後の確認検査の内容(消防長または消防署長による検査)
- 使用材料の規格確認(JIS G3101・G3444の識別)
型式試験・規格省令で出る問題
避難器具のうち、金属製避難はしごと緩降機は「検定対象機械器具等」(消防法第17条の2の5)に該当し、型式承認・型式適合検定を受けなければなりません。試験では次のような問いが出ます。
- 「金属製避難はしごは検定対象機械器具等か」→ ○(金属製のもの)
- 「緩降機は検定対象機械器具等か」→ ○
- 「救助袋は検定対象機械器具等か」→ × (消防庁長官の基準に適合するものでよい)
構造整備の攻略法まとめ
構造整備15問(乙5)・25問(甲5)は最も問題数が多い科目です。器具ごとに「各部の名称と機能」「施行規則第27条の数値」「整備の手順」を表で整理して覚えることが最も効率的な勉強法です。鑑別(実技)と内容が重なるため、構造整備の勉強が鑑別の準備にもなります。
- 緩降機:調速器の役割・ロープ長の基準・取付け具の材料規格
- 固定はしご:横さんの距離(10cm)・降下口の大きさ(50cm円内接)・4階以上は金属製
- 救助袋:垂直式と斜降式の違い・袋の長さの基準・取付け具の材料規格

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