乙6の試験内容と出題範囲。3科目35問の具体的な出題テーマを整理する。

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乙種第6類(乙6)の試験は法令・物化・性消の3科目35問です。各科目60%以上かつ全体でも60%以上が合格基準です(消防試験研究センター「危険物取扱者試験 試験科目及び問題数」)。この記事では各科目の具体的な出題テーマと、どの知識を優先して覚えるべきかを整理します。

法令(15問)の出題テーマ

法令は3科目のうち最も問題数が多く(15問)、合格には9問以上(60%)が必要です。消防法・危険物の規制に関する政令・危険物の規制に関する規則の3法令から出ます。

危険物の分類と指定数量

  • 危険物の類別(第1類〜第6類)とそれぞれの性質の概要
  • 指定数量の定義と倍数計算(複数品名がある場合の合算方法)
  • 指定数量の倍数が1以上になる場合の規制(届出・許可)

製造所等の種類と基準

  • 製造所・7種類の貯蔵所(屋内・屋外・屋内タンク・屋外タンク・地下タンク・簡易タンク・移動タンク)・4種類の取扱所(給油・販売・一般・移送)の合計12施設
  • 各施設の保安距離・保有空地の数値
  • 製造所の設置・変更許可・完成検査・仮使用の手続き

危険物取扱者制度

  • 甲種・乙種・丙種の取扱いできる危険物の違い
  • 危険物取扱者の選任義務と届出期限(遅滞なく)
  • 危険物取扱者が立ち会わなければ取り扱えない規定(丙種を除く無資格者)
  • 危険物保安監督者の選任(製造所等ごと)・解任条件
  • 危険物保安統括管理者・危険物施設保安員の要件

定期点検・予防規程

  • 定期点検が必要な施設・記録の保存期間(3年間)
  • 予防規程の作成が必要な施設と認可・変更の手続き

危険物の運搬と移送

  • 運搬容器の基準(内容量・材質・表示事項)
  • 混載禁止の組み合わせ(第1類と第6類は同じ車両に混載可)
  • 移送(タンクローリー)の基準

事故対応・保安点検

  • 危険物施設での事故発生時の通報義務
  • 危険物の漏洩・流出時の対応

物化(10問)の出題テーマ

物化は燃焼・爆発・電気・酸化還元など化学と物理の基礎から出ます。合格には6問以上(60%)が必要です。

燃焼と消火

  • 燃焼の三要素(可燃物・酸素・点火源)と消火の原理(冷却・窒息・除去・抑制)
  • 引火点・発火点・燃焼範囲(爆発限界)の定義と使い分け
  • 燃焼の種類(表面燃焼・蒸発燃焼・分解燃焼・自己燃焼)

酸化と還元

  • 酸化と還元の定義(電子の授受・酸素の増減・水素の増減)
  • 酸化剤・還元剤の例
  • 第6類危険物(酸化性液体)が可燃物と接触すると燃焼を促進する理由

酸と塩基

  • 強酸(塩酸・硝酸・硫酸・過塩素酸)と弱酸(酢酸・炭酸等)の違い
  • pHと酸性・塩基性の関係
  • 中和反応の仕組み

気体・液体の性質

  • 比重・蒸気比重の定義(蒸気比重が1以上→空気より重く低所に滞留)
  • 沸点・融点・凝固点の定義
  • 気体の法則(ボイル・シャルルの法則の基本)

静電気と電気

  • 静電気の発生原因(摩擦・流体の流れ)と危険性(放電による点火源)
  • 静電気の防止方法(接地・導電性の増加)

性消(10問)の出題テーマ

性消は乙6に特化した科目で、第6類6品目の性状・危険等級・消火方法を問います。合格には6問以上(60%)が必要です。6品目の違いを正確に覚えることが最重要です。

第6類共通の性質

  • すべて酸化性液体(液状の酸化性物質)
  • 自身は燃焼しない(不燃性)
  • 可燃物・有機物と接触すると燃焼を促進させる
  • 皮膚・粘膜・金属への腐食性
  • 蒸気は有毒

各品目の性状(最重要)

品目 危険等級 消火 特記事項
過塩素酸 I 大量の水 最も強い酸の一つ・有機物と爆発反応
過酸化水素 II 大量の水 遮光容器・6%以上が規制対象・分解でO₂発生
硝酸 II 大量の水 銅・銀を溶かす・金・白金は溶かさない
三フッ化臭素 I 乾燥砂 水厳禁・フッ化水素(HF)生成
五フッ化臭素 I 乾燥砂 水厳禁・フッ化水素(HF)生成
五フッ化ヨウ素 I 乾燥砂 水厳禁・フッ化水素(HF)生成

消火方法の区別(最頻出)

  • 大量の水:過塩素酸・過酸化水素・硝酸(フッ素を含まない3品目)
  • 乾燥砂(水厳禁):三フッ化臭素・五フッ化臭素・五フッ化ヨウ素(フッ素系3品目)

危険等級の区分

  • 危険等級I:過塩素酸・三フッ化臭素・五フッ化臭素・五フッ化ヨウ素
  • 危険等級II:過酸化水素・硝酸

各品目の特徴的な問題

  • 過酸化水素:遮光容器・ガス抜き口・6%以上が規制対象
  • 硝酸:銅・銀は溶かす、金・白金は溶かさない・NO₂の発生
  • フッ素系3品目:水と反応してフッ化水素(HF)発生・フッ素樹脂容器で保管

学習の優先順位

35問(3科目)を通じた学習の優先順位を整理します。

  1. 性消(10問)の第6類6品目比較:消火方法と危険等級の区別を最優先で覚える
  2. 法令(15問)の製造所等の種類・指定数量計算:問題数が多いため確実に得点源にする
  3. 法令の危険物取扱者制度・定期点検:選任義務・保存期間の数値を押さえる
  4. 物化(10問)の燃焼・酸化還元:基礎知識なので優先度は高くないが確実に押さえる

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出典:消防試験研究センター「危険物取扱者試験 試験科目及び問題数」、消防法・危険物の規制に関する政令・危険物の規制に関する規則、危険物の規制に関する政令別表第3(危険等級)。作成日:2026年11月。

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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