第3石油類の性質と試験ポイント。重油・グリセリン・クレオソート油の数値を整理する。

第3石油類の性質と試験ポイント。重油・グリセリン・クレオソート油の数値を整理する。 資格

危険物取扱者 乙4 AI問題集(無料で150問)

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第3石油類は、引火点が70℃以上200℃未満の引火性液体です(危険物令別表第3)。重油が最も代表的な物質で、指定数量は非水溶性2,000L・水溶性4,000Lです。常温では引火の危険は低いですが、加熱状態や霧状にすると引火の可能性があります。第2石油類(灯油・軽油)より引火点が高く、第4石油類(潤滑油等)より引火点が低い位置にあります。

第3石油類の定義と指定数量

第3石油類は、1気圧・温度20℃において引火点が70℃以上200℃未満の引火性液体です(危険物令別表第3)。指定数量は非水溶性が2,000L・水溶性が4,000Lです。

試験では「第3石油類の引火点は70℃以上200℃未満」という正確な区分が問われます。「70℃未満」「200℃以上」という誤りの選択肢が出ます。

主な代表物質と引火点・性質

物質名 引火点 水溶性 特記事項
重油 60℃以上(JIS規格) 非水溶性 暗褐色〜黒色・特有臭・指定数量2,000L
クレオソート油 74℃ 非水溶性 木材防腐剤・黄褐色〜暗褐色・特有臭
アニリン 70℃ わずかに水溶性 無色〜淡黄色・特有の腐魚臭・毒性あり
グリセリン 160℃ 水溶性 無色透明・粘稠・甘味・指定数量4,000L
エチレングリコール 111℃ 水溶性 不凍液(クーラント)・無色透明・甘味

重油はJIS K 2205による区分でA・B・C重油に分かれます。最も一般的なA重油の引火点は60℃以上です。試験では「重油は第3石油類」という区分が問われます。

重油の性質の詳細

重油は石油精製の残留分で、暗褐色〜黒色の粘度の高い液体です。特有の石油臭があり、蒸気は空気より重いです。次の特徴を覚えておきます。

  • 比重:0.9〜1.0前後(水に近いか少し重い場合もある)
  • 蒸気比重:5前後(空気より重く低所に滞留)
  • 常温では蒸気圧が低く引火しにくいが、霧状に噴射されると着火しやすい
  • 消火:泡・粉末・CO2消火剤が有効。棒状注水は厳禁

「重油は常温で着火しやすい」は誤りです。引火点が60℃以上のため、常温(20℃前後)では液面から蒸発する蒸気量が少なく引火しにくいです。ただし噴霧した場合は表面積が増え引火の危険が高まります。

グリセリンとエチレングリコール(水溶性)

グリセリンは石けん製造の副産物として得られる無色透明の粘稠液体です。甘味があり毒性は低く、食品や化粧品にも使われます。引火点は160℃と高く第3石油類の中でも比較的安全性が高いです。

エチレングリコールは自動車の不凍液(クーラント液)として広く使われます。引火点111℃・水溶性・甘味という特徴を覚えます。

重油の種類(A・B・C重油)

重油はJIS K 2205によってA重油・B重油・C重油の3種類に区分されます。いずれも第3石油類(非水溶性・指定数量2,000L)ですが、動粘度・硫黄分・引火点が異なります。

種別 引火点 主な用途
A重油 60℃以上 ボイラー・農業用エンジン
B重油 60℃以上 船舶用ボイラー(現在はあまり使われない)
C重油 70℃以上 大型ボイラー・発電所

試験では「重油は第3石油類・指定数量2,000L」という基本事項が問われます。A・B・C重油の区分の詳細よりも「重油の引火点は70℃以上200℃未満の範囲に入る」という点を押さえます。

第3石油類の安全な取り扱い

第3石油類は引火点が高いため常温での取り扱いは比較的安全です。しかし次の点に注意が必要です。

  • 重油は噴霧された状態(ミスト)では引火点以下でも着火の危険がある
  • グリセリン・エチレングリコールは水溶性で廃液が環境に影響する可能性がある
  • アニリンは毒性があり吸入・皮膚吸収に注意する
  • クレオソート油は発がん性が疑われており皮膚への接触を避ける

第3石油類の数値まとめ

数値・区分 内容
引火点の範囲 70℃以上200℃未満
指定数量(非水溶性) 2,000L
指定数量(水溶性) 4,000L
重油の引火点(A重油) 60℃以上(JIS K 2205)
グリセリンの引火点 160℃
エチレングリコールの引火点 111℃
重油の比重 0.9〜1.0前後

第2石油類・第3石油類・第4石油類の比較

項目 第2石油類 第3石油類 第4石油類
引火点の範囲 21〜70℃未満 70〜200℃未満 200℃以上
指定数量(非水溶性) 1,000L 2,000L 6,000L
代表物質 灯油・軽油 重油・グリセリン ギヤ油・シリンダー油

よくある誤りのパターン

誤りの例 正しい内容
重油の指定数量は1,000L 重油は非水溶性・指定数量2,000L。1,000Lは第2石油類(灯油・軽油)
グリセリンは非水溶性 グリセリンは水溶性・指定数量4,000L
第3石油類の引火点は70℃未満 70℃以上200℃未満が正しい区分
重油は常温で引火しやすい 引火点60℃以上。常温では引火しにくいが噴霧すると危険

第3石油類の位置づけ

第3石油類は第4類の中で「引火点が高く常温では比較的安全だが、大量貯蔵・加熱・噴霧時は注意が必要」という位置にある区分です。重油は産業用燃料として大量に消費されており、工場・発電所・船舶・農業機械など幅広い分野で使われます。指定数量2,000Lを超える貯蔵は危険物施設の設置許可が必要であり、乙4の資格を持つ危険物取扱者が保安監督者として関わる施設の一つです。

試験では「第3石油類の重油は常温で引火する危険がある」という選択肢が出ることがあります。重油のA重油の引火点は60℃以上であり、常温(20℃前後)では引火しません。しかし、加熱された状態(60℃以上)や噴霧された状態では着火の危険があります。「常温で引火しない」と「60℃以上では引火する」の両方を覚えておきます。

クレオソート油・アニリンの詳細

クレオソート油は石炭タールを蒸留して得られる黄褐色〜暗褐色の液体で、特有の臭気を持ちます。鉄道枕木・電柱・木製フェンスの防腐剤として長年使われてきました。引火点74℃・非水溶性・指定数量2,000Lです。皮膚吸収による毒性があり、一部の国では使用が制限されています。

アニリンは無色〜淡黄色の液体で、特有の腐魚臭(腐った魚のようなにおい)を持ちます。染料・農薬・医薬品の原料として重要な化学原料です。引火点70℃で第3石油類の下限に位置し、わずかに水に溶けます(水100gに約3.5g溶ける)。毒性が高く、吸入・皮膚吸収・経口摂取で血液障害(メトヘモグロビン血症)を起こす可能性があります。

エチレングリコール(不凍液)の特徴

エチレングリコールは自動車の冷却水(ラジエーター液)に広く使われる水溶性の第3石油類です。水と混合して使用することで、低温での凍結を防ぐと同時に高温での沸点を上げます。

主な性質は次のとおりです。

  • 無色透明・甘味・やや粘稠な液体
  • 引火点111℃・水溶性・指定数量4,000L
  • 比重:約1.11(水より重い)
  • 毒性:摂取した場合は腎臓障害を起こす(犬や猫の事故が多い)

第3石油類の消火方法

非水溶性の第3石油類(重油・クレオソート油等)には泡・粉末・CO2消火剤が有効です。棒状注水は厳禁です。水溶性の物質(グリセリン・エチレングリコール等)には耐アルコール型(AR型)泡消火剤を使います。

重油火災の特徴は、比重が0.9〜1.0前後で水と近いため、水をかけると重油が浮いて広がり火災が拡大する可能性があります。泡で液面を覆い空気を遮断することが効果的です。

試験対策のポイント

第3石油類の問題は次の3点を軸に押さえます。

第1に引火点の区分(70℃以上200℃未満)です。第2石油類(21〜70℃未満)・第4石油類(200℃以上)との境界を正確に覚えます。境界値の70℃と200℃が選択肢で入れ替えられる場合があります。

第2に指定数量です。非水溶性2,000L・水溶性4,000Lです。重油(非水溶性2,000L)とグリセリン(水溶性4,000L)の区別が重要です。グリセリンは水溶性のため指定数量が2倍になります。

第3に水溶性・非水溶性の判断です。重油・クレオソート油は非水溶性、グリセリン・エチレングリコールは水溶性です。水溶性の物質には耐アルコール型(AR型)泡消火剤を使います。

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重油を扱う職場の安全管理

重油はボイラー・発電機・船舶用燃料として大量に使われます。指定数量2,000Lを超える貯蔵には危険物施設の設置許可が必要です。工場や発電所の燃料タンクは屋外タンク貯蔵所として設置・管理されます。

重油の扱いで特に注意が必要な点は以下のとおりです。

  • 重油は粘度が高く霧化しにくいですが、噴霧(ノズルからの噴射)時は細かい液滴になり着火しやすくなる
  • タンクへの注油時は静電気対策(アース・流速管理)が必要
  • 重油火災は泡消火剤で液面を覆い窒息消火する。棒状注水は拡大を招くため厳禁
  • 漏洩した重油が土壌や排水路に流入すると環境汚染を起こすため速やかに回収する

乙4の資格を持つ危険物取扱者は重油施設での作業立会い・保安監督者としての選任対象になります。第3石油類の重油は日常的に大量使用される危険物であり、現場知識として引火点・指定数量・消火方法を正確に把握しておくことが重要です。

試験において第3石油類の出題数は多くはありませんが、指定数量の数値(非水溶性2,000L・水溶性4,000L)と代表物質(重油・グリセリン)の組み合わせは必ず押さえておきます。第2石油類(1,000L・2,000L)と混同しやすいため、「第3石油類は第2石油類の2倍」という比率で覚える方法が効果的です。また「重油は非水溶性・グリセリンは水溶性」という水溶性の違いが消火剤の選択(通常泡 vs AR型泡)に直結するため、両者のセットで覚えておきます。

出典:危険物の規制に関する政令 別表第3(総務省)、消防法第2条(消防庁)、JIS K 2205(日本産業標準調査会)

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業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

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