危険物第1類(酸化性固体)は、加熱・衝撃・摩擦によって酸素を放出し可燃物と激しく反応する固体危険物です。物質自体は不燃性ですが、可燃物との混合や加熱で爆発的に燃焼します。甲種の性消20問では第1類の品名・性状・消火方法が出題されます。塩素酸塩類・過塩素酸塩類・硝酸塩類・無機過酸化物の特徴を中心に整理します。
第1類 酸化性固体の定義と共通性質
第1類危険物は「酸化性固体」として危険物令別表第1に定められています。共通する性質は以下のとおりです。
- 物質自体は不燃性:単独では燃えない
- 酸化性が高い:加熱・衝撃で分解し、酸素を放出する
- 可燃物と混合すると危険:酸素を供給することで、可燃物の燃焼を激化または爆発させる
- 比重:1より大きいものが多い(水より重い)
- 水溶性:多くの品名は水に溶ける
出典:危険物の規制に関する政令別表第1
主な品名の一覧(危険物令別表第1)
| 品名 | 代表物質 | 特徴 |
|---|---|---|
| 塩素酸塩類 | 塩素酸カリウム(KClO₃) | 加熱・有機物との混合で爆発。硫黄・木炭との混合は特に危険 |
| 過塩素酸塩類 | 過塩素酸カリウム(KClO₄) | 塩素酸塩類より安定だが高温で分解し酸素放出 |
| 無機過酸化物 | 過酸化ナトリウム(Na₂O₂)・過酸化カリウム | 水と反応して発熱・酸素発生(禁水性を示すものもある) |
| 亜塩素酸塩類 | 亜塩素酸ナトリウム(NaClO₂) | 衝撃・加熱で分解 |
| 臭素酸塩類 | 臭素酸カリウム(KBrO₃) | 熱に不安定 |
| 硝酸塩類 | 硝酸カリウム(KNO₃)・硝酸ナトリウム | 爆薬の原料。加熱で酸素放出(黒色火薬の成分) |
| よう素酸塩類 | よう素酸カリウム(KIO₃) | 加熱で分解・酸素放出 |
| 過マンガン酸塩類 | 過マンガン酸カリウム(KMnO₄) | 有機物・硫酸との混合で発火の危険。紫色の結晶 |
| 重クロム酸塩類 | 重クロム酸カリウム(K₂Cr₂O₇) | 橙赤色の結晶。強い酸化力 |
出典:危険物の規制に関する政令別表第1
指定数量
第1類の指定数量は品名によって異なります。
| 分類 | 指定数量 | 対象品名 |
|---|---|---|
| 第1種酸化性固体 | 50kg | 塩素酸塩類・過塩素酸塩類・無機過酸化物・亜塩素酸塩類 |
| 第2種酸化性固体 | 300kg | 臭素酸塩類・硝酸塩類・よう素酸塩類 |
| 第3種酸化性固体 | 1,000kg | 過マンガン酸塩類・重クロム酸塩類等 |
出典:危険物の規制に関する政令別表第3
塩素酸カリウム・硝酸カリウムの重要ポイント
塩素酸カリウム(KClO₃)
- 白色の結晶
- 約400℃で分解し酸素を放出
- 硫黄・赤りん・木炭と混合すると感度の高い爆発物になる
- 硫酸と反応して二酸化塩素(ClO₂)を発生(有毒)
硝酸カリウム(KNO₃)
- 白色の結晶。水に溶ける
- 黒色火薬(硝酸カリウム+木炭+硫黄)の成分
- 約400℃で分解し酸素を放出
- 有機物と混合すると爆発の危険
無機過酸化物の特別な注意点
過酸化ナトリウム(Na₂O₂)・過酸化カリウム(K₂O₂)は、水と反応して発熱し酸素を発生します。第1類は通常「注水消火」が有効ですが、無機過酸化物は水との反応で危険なため、乾燥砂での消火が推奨されます。
この「第1類の例外(無機過酸化物は注水厳禁)」は試験でよく問われるポイントです。
貯蔵・取扱いの注意点
- 可燃物・還元性物質との隔離:木材・紙・有機物との混合厳禁
- 加熱・衝撃・摩擦の回避:衝撃を与える作業は禁止
- 冷所での保管:高温での保管は分解を促進する
- 密閉保管:吸湿による分解・変質を防ぐ
消火方法
- 原則:大量の水で冷却・希釈(注水消火)
- 例外(無機過酸化物):水・泡消火剤は禁止。乾燥砂で消火
この記事について
掲載情報は危険物の規制に関する政令別表第1・第3に基づいています。指定数量の変更等は消防試験研究センター(https://www.shoubo-shiken.or.jp/)の最新情報を確認してください。
作成:fufumumu_design 最終更新:2026年11月

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