認知症の親の介護保険申請。はじめての手順と認定区分の目安

親が認知症と診断されたら、介護保険の申請を「そのうちやろう」と先延ばしにしているケースは多い。しかし要介護認定の申請は「申請した日」が起算日になるため、動き出しが遅れるほど認定後のサービス利用開始が遅くなる。認定まで通常1〜2か月かかることを考えると、診断書をもらった日に申請するのが最善だ。はじめて申請する場合に何を準備すればいいか、流れを順番に整理した。

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介護保険は65歳以上が対象(40歳以上の一部疾患も含む)

介護保険の要介護認定を申請できるのは、原則として65歳以上の方(第1号被保険者)だ。

ただし、40歳以上65歳未満の方(第2号被保険者)でも、特定疾病(全16疾患)に該当する場合は申請できる。認知症に関連する特定疾病としては「初老期における認知症」(若年性認知症を含む)・「脳血管疾患」等が該当する。

65歳になった時点で介護保険被保険者証が自動的に送付されてくる。紛失した場合は市区町村の介護保険課で再発行できる。

要介護認定の申請に必要なもの

申請窓口は市区町村の介護保険課(または地域包括支援センター)だ。申請書は窓口でもらえる。

持ち物の基本は以下の3点だが、市区町村によって異なるため事前に電話確認する。

  1. 介護保険被保険者証(65歳以上の方に自動送付される水色のカード)
  2. 本人確認書類(マイナンバーカード・運転免許証・住民基本台帳カード等)
  3. 印鑑(認印で可。市区町村によっては不要)

申請は本人または家族が行える。来所が難しい場合は、地域包括支援センターや居宅介護支援事業所のスタッフに代行を依頼することもできる。

申請後の流れ(認定まで30日以内が原則)

申請後の流れは以下の通りだ。

  1. 認定調査員の訪問:申請後、市区町村の認定調査員が自宅を訪問して本人の生活状況・動作能力等を聞き取る(74項目の調査)。家族も同席できる。
  2. 主治医の意見書:市区町村から主治医(かかりつけ医)に対して意見書の作成が依頼される。認知症の場合、担当医(神経内科・精神科等)が作成する。
  3. 審査・判定:認定調査の結果と主治医の意見書をもとに、コンピューター判定(一次判定)+介護認定審査会(二次判定)が行われる。
  4. 認定結果の通知:申請日から原則30日以内に「要支援1〜2」または「要介護1〜5」の認定結果が通知される(複雑なケースは60日以内)。「非該当(自立)」の場合は介護保険サービスは利用できない。

認定区分と利用できるサービスの違い

認定区分 状態のめやす 1か月の区分支給限度基準額(概算目安。1単位=約10円換算)
要支援1 日常生活はほぼ自立。部分的に支援が必要 50,320円(1割負担)
要支援2 歩行不安定・一部介護が必要 105,310円(1割負担)
要介護1 認知症の初期段階。部分的な介護が必要 167,650円(1割負担)
要介護2 日常的な介護が必要 197,050円(1割負担)
要介護3 排泄・入浴等に全介助が必要 270,480円(1割負担)
要介護4 日常生活のほぼ全てに介護が必要 309,380円(1割負担)
要介護5 最重度。寝たきり状態 362,170円(1割負担)

自己負担は原則1割(所得によっては2割または3割)。上記の限度額内であれば、実際に使った費用の1割程度が自己負担になる(限度額超過分は全額自己負担)。

認定後にやること:ケアマネジャーの選定

要介護1以上の認定が出た後は、居宅介護支援事業所のケアマネジャー(介護支援専門員)を選んでケアプランを作成してもらうことが必要だ。

ケアマネジャーの探し方は主に2つある。①地域包括支援センターや市区町村に紹介を依頼する、②近所の居宅介護支援事業所に直接連絡する。

ケアマネジャーへの費用は全額が介護保険から給付されるため、利用者の自己負担はない。介護保険サービスを利用するためのケアプランはケアマネジャーが作成する。

この記事のまとめ

  • 要介護認定の申請は「申請した日」が起算日。診断書をもらった日に動くのが最善
  • 申請窓口は市区町村の介護保険課または地域包括支援センター(持ち物:被保険者証・本人確認書類・印鑑)
  • 申請から認定まで原則30日以内(複雑なケースは60日以内)
  • 認定区分は要支援1〜2・要介護1〜5の7段階で、利用限度額が異なる
  • 要介護1以上の認定後はケアマネジャーを選んでケアプランを作成する(ケアマネ費用は無料)

出典:介護保険法第27条(要介護認定)・第40条(居宅介護支援)、厚生労働省「介護保険制度の概要」、厚生労働省「令和6年度介護報酬改定について」

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この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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