加圧式消火器の内部点検は、容器内部の腐食・詰まり・加圧用ガス容器の状態を確認する作業です。消防法施行規則第31条の3に基づき、製造年から3年以内(1回目)、その後は3年ごとに実施が必要です。内部点検には消防設備士乙6または消防設備点検資格者が行うことが義務づけられており、自前で行う場合は資格が必要です。
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▶ 消防設備士 乙種第6類 問題集
加圧式消火器の内部点検が必要な理由
加圧式消火器は通常時の容器内圧力が常圧(大気圧)です。使用時にカートリッジ式の加圧用ガス容器(炭酸ガス)を破裂させることで消火薬剤を放射します。蓄圧式と違い、消火器本体には圧力計がありません。
そのため、外観から内部の状態を確認することができず、定期的な内部点検で次の状態を確認します。
- 容器内部の腐食・変形
- 消火薬剤の固着・変質(粉末消火薬剤は湿気で固まりやすい)
- 加圧用ガス容器(CO2カートリッジ)の重量確認
- 安全栓・ガス導入管・粉末放出管(サイホン管)の詰まりや変形
加圧式消火器の内部点検の手順
内部点検の基本的な流れは次のとおりです(消防庁告示・点検要領に基づく)。
| 順序 | 作業内容 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 1 | 外観確認・準備 | 消火器の腐食・変形・本体キャップの状態を目視確認。作業前に安全な場所への移動 |
| 2 | 安全栓の取り外し | 安全栓(封板)を外す。封板が破損・変形していないか確認 |
| 3 | 本体キャップの取り外し | 専用工具(本体キャップレンチ)でキャップを開放する。キャップのシール・ガスケットの劣化確認 |
| 4 | 加圧用ガス容器の取り出し・確認 | CO2カートリッジを取り出し、規定重量との比較(規定値の±5g以内)。腐食・変形がないか確認 |
| 5 | 消火薬剤の取り出し・確認 | 容器を逆さにして薬剤を取り出す。塊・固着・変色・異臭がないか確認。粉末の場合は0.5mm目の網でふるい確認 |
| 6 | 容器内部の確認 | 腐食(点食・線状腐食)・変形・異物がないか懐中電灯等で目視確認 |
| 7 | 各部品の確認 | サイホン管・ガス導入管・安全弁・粉上り防止用封板(粉末消火器の場合)の詰まり・変形 |
| 8 | 組み立て・復旧 | 薬剤を戻し、キャップを締め付ける。規定トルクで締め(キャップの緩みは放射不良の原因)。安全栓を取り付け |
出典:消防庁「消火器具点検要領」(消防予第xxx号)
加圧用ガス容器(CO2カートリッジ)の重量確認
CO2カートリッジは、容器本体と加圧ガスを合わせた重量が規定されています。点検では容量計(はかり)を使って実測重量を測定します。
- 規定重量:容器に刻印された重量(充填重量)
- 許容差:規定値の±5g(g単位での精密な確認が必要)
- 重量不足:CO2が漏れている可能性→交換が必要
消火薬剤の確認基準
取り出した消火薬剤の確認基準は次のとおりです。
- 粉末消火薬剤:固まり・変色・異臭がなく、0.5mm目の網を通過できること(固着がないこと)
- 強化液・泡系:変色・異臭がないこと。pHや比重の測定が必要な場合がある
- 異物混入:容器内に水・油・その他の異物が混入していないこと
内部点検の実施者と記録
内部点検は消防設備士乙6または消防設備点検資格者が行います(消防法施行規則第31条の6)。点検後は点検結果報告書に記録し、消防長(署長)へ報告します(特定防火対象物は年1回、非特定防火対象物は3年に1回)。
まとめ
加圧式消火器の内部点検は、製造年から3年以内(1回目)・以降3年ごとに実施します(消防法施行規則第31条の3)。手順は安全栓取り外し→キャップ開放→CO2カートリッジの重量確認(±5g)→薬剤取り出し・確認→容器内部の目視確認→組み立て・復旧の順です。薬剤の固着・腐食・カートリッジの重量不足が主な交換判断の基準です。実施者は消防設備士乙6または点検資格者に限られます。
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