消防設備士 甲種第3類(以下、甲3)の基礎的知識(機械)は10問あります。乙種第3類(乙3)では5問でしたが、甲3では倍の10問になります。力学(荷重・応力・安全率)・気体の性質(ボイル・シャルルの法則)・流体・金属材料・高圧ガス容器の計算が出題範囲です。理工系出身者は得点源にしやすい科目ですが、文系出身の場合は計算公式を整理してから取り組む方法が効果的です。
この記事では、甲3の基礎的知識(機械)の出題内容と対策を整理します。
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基礎的知識(機械)の出題範囲
甲3の基礎的知識(機械)10問の出題範囲をカテゴリー別に整理します。
| カテゴリー | 主な出題内容 | 目安問題数 |
|---|---|---|
| 力学(静力学) | 荷重・応力・ひずみ・安全率・力のつり合い | 2〜3問 |
| 気体の性質 | ボイルの法則・シャルルの法則・ボイル・シャルルの法則・理想気体 | 2〜3問 |
| 流体力学 | 流量・流速・ベルヌーイの定理・圧力・単位換算 | 1〜2問 |
| 高圧ガス容器 | 充填圧力の計算・充填量・容器の内容積と充填比 | 1〜2問 |
| 金属材料 | 引張強さ・硬さ・延性・靭性・腐食・熱処理 | 1〜2問 |
ボイル・シャルルの法則。気体の体積と圧力の計算
甲3でよく出る気体の法則を整理します。
ボイルの法則(温度一定)
温度が一定の場合、気体の体積は絶対圧力に反比例します。
P₁V₁ = P₂V₂
P:絶対圧力(Pa)、V:体積(m³またはL)
シャルルの法則(圧力一定)
圧力が一定の場合、気体の体積は絶対温度に比例します。
V₁/T₁ = V₂/T₂
T:絶対温度(K)= 摂氏温度(℃)+ 273
ボイル・シャルルの法則(温度も圧力も変化する場合)
P₁V₁/T₁ = P₂V₂/T₂
重要な注意点:計算では必ず絶対温度(K)を使う。摂氏(℃)のまま計算すると誤りになります。0℃=273K、20℃=293K。
計算例
問:20℃・1MPaの気体の体積が10Lのとき、同じ温度・2MPaにした場合の体積は?
答:P₁V₁ = P₂V₂ → 1×10 = 2×V₂ → V₂ = 5L
高圧ガス容器の計算
甲3に特有の出題として、高圧ガス容器の充填量や圧力に関する計算があります。
充填量の計算
充填量(kg)= 容器の内容積(L)×充填比(kg/L)
例:内容積50L・充填比1.5kg/Lの場合、最大充填量 = 50×1.5 = 75kg
温度変化による圧力変化の計算
気体容器内の温度が変化した場合の圧力変化は、ボイル・シャルルの法則から求めます。
例:15℃・14.7MPaのCO2容器が35℃になった場合の圧力変化
P₁/T₁ = P₂/T₂(体積一定)
14.7/(273+15) = P₂/(273+35)
P₂ = 14.7×308/288 ≒ 15.72MPa
力学(静力学)の基礎
力学の問題では、荷重・応力・安全率の計算が出ます。
| 用語 | 定義・計算式 | 単位 |
|---|---|---|
| 荷重(W) | 物体に加わる力 | N(ニュートン)・kN |
| 応力(σ) | σ = 荷重(W)÷ 断面積(A) | Pa・N/mm² |
| ひずみ(ε) | ε = 変形量 ÷ 元の長さ | 無次元 |
| 弾性係数(E) | E = 応力 ÷ ひずみ(フックの法則) | Pa・GPa |
| 安全率(n) | n = 破壊荷重(または引張強さ)÷ 許容応力 | 無次元 |
安全率の計算例:引張強さ 240N/mm²・許容応力 80N/mm² の材料の安全率 = 240÷80 = 3
流体力学の基礎
流体(液体・気体)の流れに関する基礎問題です。
| 法則・概念 | 内容 |
|---|---|
| 連続の方程式 | 配管断面積が変わっても単位時間に流れる流量は一定(A₁v₁ = A₂v₂) |
| ベルヌーイの定理 | 理想流体では圧力・速度・位置のエネルギーの合計が一定 |
| 圧力の単位換算 | 1MPa = 10kgf/cm² = 10bar(近似値) |
金属材料の知識
配管・容器に使われる金属材料の知識も問われます。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 引張強さ | 材料が引っ張られて破断するまでに耐えられる最大の応力 |
| 硬さ | 表面の傷つきにくさ(ビッカース硬さ・ブリネル硬さ等で表す) |
| 延性 | 材料が破断するまでに変形できる能力。大きいほど粘り強い |
| 靭性 | 衝撃に対する強さ。硬い材料は靭性が低い場合がある |
| 腐食 | 金属が化学反応や電気化学反応で劣化する現象。配管の材質選定に重要 |
基礎的知識の勉強法
基礎的知識(機械)10問の勉強で効果的な方法は次のとおりです。
- 計算公式を先に覚えて、数値を代入する練習をする(ボイル・シャルル・応力・安全率)
- 単位変換(MPa→kgf/cm²・℃→K・N→kN)を確実に覚える
- 高圧ガス容器の充填量計算は実際の数値で何度も練習する
- 金属材料の用語は定義と特徴をセットで覚える
理系出身者にとっては得点源ですが、文系出身の場合は計算を後回しにしがちです。ただし計算問題は公式を覚えれば解けるものが多いため、早めに取り組むことをおすすめします。
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出典:消防法施行規則・不活性ガス消火薬剤の規格を定める省令。基礎的知識(機械)の出題範囲は消防試験研究センターの試験概要を参照。
作成日:2026年11月5日

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