計画相談支援の虐待防止研修、義務の内容と進め方。

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計画相談支援の虐待防止研修は、年1回以上が義務

計画相談支援(指定特定相談支援)の虐待防止研修は、年1回以上の実施が義務づけられている。

根拠は指定計画相談支援の事業の人員及び運営に関する基準(平成24年厚生労働省令第28号)第28条の2。

条文には「指定特定相談支援事業者は、虐待の防止のための担当者を設けること、虐待の防止のための指針を整備すること、従業者に対し、虐待の防止のための研修を定期的に実施すること及び前各号の措置を適切に実施するための担当者を置くことその他の必要な体制の整備に努めなければならない」と定められている。

「努めなければならない」は努力義務の法律用語で、強制義務(「なければならない」)とは法律上の性格が異なる。ただし、指定基準に定められた事項として、運営指導では実施状況が確認される。

虐待防止として基準に定められている4つの事項

計画相談支援の虐待防止に関する義務を整理すると、次の4つになる。

義務の内容 実施頻度
指針の整備 作成・定期見直し
委員会の開催 年1回以上
研修の実施 年1回以上
担当者の設置 常時

研修で扱う内容

虐待防止研修で扱う内容は、虐待の定義・種類、発生要因、発見した際の対応、通報義務の4つが中心になる。

虐待の定義と5つの種類

障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律(障害者虐待防止法)第2条第7項に、次の5種類が定められている。

  1. 身体的虐待:障害者の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴行を加えること
  2. 性的虐待:障害者にわいせつな行為をすること又は障害者をしてわいせつな行為をさせること
  3. 心理的虐待:障害者に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応その他の障害者に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと
  4. 放棄・放置(ネグレクト):障害者を衰弱させるような著しい減食又は長時間の放置等の行為を行うこと
  5. 経済的虐待:障害者の財産を不当に処分することその他障害者から不当に財産上の利益を得ること

計画相談支援の職員が気づきやすい場面

計画相談支援の相談支援専門員は訪問業務が中心になる。利用者宅、生活介護・グループホーム等のサービス事業所、医療機関など様々な場所を訪問する中で、虐待の兆候に気づく場面がある。

  • 家族・養護者による虐待:自宅訪問時に、家族の言動・利用者の様子(あざ・萎縮した態度・経済的な困窮)から兆候を読み取る場面がある
  • 施設従事者による虐待:モニタリング訪問時に、利用しているサービス事業所での虐待の兆候を発見する場面がある
  • 言葉による傷つき:家族・支援者から「施設に行ってほしい」「あなたのせいで」など、利用者の心理的外傷になりうる発言を聞く場合がある

通報義務(障害者虐待防止法第16条)

障害者虐待防止法第16条は、施設従事者等による障害者虐待を発見した場合の通報義務を定めている。

「障害者福祉施設従事者等による障害者虐待を受けたと思われる障害者を発見した者は、速やかに、これを市町村に通報しなければならない」(同法第16条第1項)

特定相談支援事業の従業者は「障害者福祉施設従事者等」に含まれ、通報義務の対象となる。通報先は市区町村の担当窓口(障害福祉課等)。

虐待に至りやすい職員の状態と組織的対応

虐待は特別に悪意のある人だけが起こすのではなく、疲弊・孤立・知識不足が重なった状態で発生しやすいことが知られている。計画相談支援では1人の相談支援専門員が多くの利用者を担当し、業務負担が集中しやすい。研修では、困難を1人で抱えずに組織として対処する体制の大切さを伝えることが重要になる。

委員会の進め方

虐待防止委員会は年1回以上の開催が義務づけられている。委員会で扱う内容の例を示す。

  • 前回以降の対応事案の振り返り(ヒヤリハット・苦情含む)
  • 利用者・家族からの申し出で気になった事項の共有
  • 研修内容の検討・確認
  • 指針の見直し(変更の要否確認)
  • 担当者の確認

委員会の記録には、開催日時・出席者・議題・決定事項・次回開催予定を記載し、全従業者への周知の証跡(回覧サイン等)も残す。

指針の内容

虐待防止の指針には次の内容を盛り込む。

  • 虐待防止に関する基本的な考え方
  • 虐待の防止のための委員会その他の事業所内の組織に関する事項
  • 虐待の防止のための職員研修に関する基本方針
  • 虐待等が発生した場合の対応方法に関する基本方針
  • 虐待等が発生した場合の相談・報告体制に関する事項
  • 成年後見制度の利用支援に関する事項
  • 虐待防止のための取組に関する定期的な点検に関する事項

記録の整備

研修・委員会の記録は、指定計画相談支援の基準省令第31条に基づき2年間保存する。

運営指導では次の書類が確認される。

  • 虐待防止委員会の議事録(開催日時・出席者・議題・決定事項・周知の証跡)
  • 研修の実施記録(日時・参加者・内容・実施者のサイン)
  • 担当者の設置を確認できる書類(担当者名・役職が分かる資料)
  • 指針の文書

ツールで記録様式と研修資料をまとめて用意する

計画相談支援の虐待防止研修の資料・確認テスト・委員会の議題と記録様式がまとまったキットを用意している。

→ 計画相談支援 法定研修・訓練キット

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