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移動式クレーンの上部旋回体は、クレーン作業の中核となる部分です。試験では旋回装置の仕組み・構成部品の役割・旋回時の注意点が出題されます。ここでは旋回装置の基本構造とその役割を整理します。
上部旋回体の構成
移動式クレーンの上部旋回体は下部走行体の上に乗り、360度回転できます。旋回は旋回装置(旋回ベアリング+旋回モータ)によって実現されています。
| 部品名 | 役割 |
|---|---|
| 旋回ベアリング | 上部旋回体と下部走行体を結合し、回転を可能にする大型の軸受け |
| 旋回モータ(油圧モータ) | 油圧力を旋回運動に変換する |
| 旋回減速機 | 油圧モータの回転数を落とし、旋回ピニオン(歯車)を回す |
| 旋回ピニオン | 旋回ベアリングのギヤリングと噛み合って旋回動作を実現する歯車 |
| カウンタウエイト | 旋回体後方に搭載されるバランスウエイト。つり荷との転倒モーメントを打ち消す |
旋回モータと旋回ブレーキ
旋回装置の油圧モータは、コントロールバルブ(方向切換弁)の切り換えで正転・逆転できます。旋回を止めるときは旋回ブレーキが作動します。
旋回ブレーキには「摩擦ブレーキ(機械式)」と「油圧カウンタバランスバルブ」を組み合わせたものが多く使われています。旋回中に急停止すると吊り荷が慣性で振れるため、滑らかに減速・停止させることが安全作業の基本です。
カウンタウエイトの役割
カウンタウエイトは上部旋回体の後部に搭載されるバランスウエイトです。ジブ(前方)の重量とつり荷(前方)に対抗するモーメントを発生させ、機体全体の安定を確保します。
カウンタウエイトが重いほど、より大きな荷をつり上げることができます。ただしカウンタウエイトが重くなるほど機体全体の重量も増え、アウトリガーの接地圧が上がります。
旋回時の注意点
旋回作業時に注意が必要なポイントは以下のとおりです。
- 旋回中はつり荷が遠心力で外側に振れる可能性がある
- 旋回速度が速いほど遠心力による荷振れが大きくなる
- 旋回停止時に急ブレーキをかけると荷が大きく振れる
- 傾斜地での旋回は機体の安定が変化するため特に注意が必要
- 旋回範囲内に人・障害物がないことを確認してから旋回する
旋回角度と作業範囲
移動式クレーンのほとんどは360度旋回が可能です。ただし機種によっては旋回範囲が制限されている場合があります(機体の形状・補助ジブの取り付け等による)。旋回停止装置(旋回リミット)が設定されている場合は、制限角度を超えると自動停止します。
試験でよく問われるポイントまとめ
- 旋回は旋回ベアリング(回転を可能にする)と旋回モータ(動力を供給)で実現
- カウンタウエイトはジブ・つり荷の転倒モーメントに対抗するバランスウエイト
- 旋回停止時の急ブレーキで荷が大きく振れる
- 旋回中は遠心力による荷振れに注意が必要
旋回の速度制御方法の比較
| 制御方式 | 特徴 |
|---|---|
| 電磁ブレーキ方式 | 電磁ブレーキのON/OFFで停止。急停止しやすく荷の振れが起きやすい |
| 流体継手方式 | 流体の粘性で動力伝達を行い、なめらかな加速・減速が可能 |
| インバータ方式 | 電動機の周波数を制御して無段階に速度変更。最も精密な制御が可能 |
旋回時の荷振れと対策
旋回開始・停止時に急激な速度変化があると、つり荷が振り子のように振れます(荷振れ)。荷振れは以下の理由で危険です。
- 振れた荷が構造物・人・機械に当たる
- 荷の振れにより実際の荷重モーメントが定格を超える可能性がある
- 玉掛け用ワイヤロープに過大な張力がかかる
対策:ゆっくりと加速し、停止前に徐々に速度を落とす「インチング操作」が有効です。荷が振れた状態でさらに旋回操作を続けることは避けます。
旋回ブレーキの役割
旋回を止めるためのブレーキです。電磁ブレーキが一般的で、電源が切れると自動的にブレーキがかかる「ノーマルクローズ型」が安全上使われます。ブレーキが緩まったまま(解放状態で固着)になると旋回を止められなくなるため、作業開始前点検でブレーキの動作確認が重要です。
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