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移動式クレーンの関係法令科目では、事業者の義務規定が頻出です。「就業制限」「立入禁止」「作業開始前の点検義務」「作業計画の作成」など、事業者・作業指揮者・運転士それぞれに課せられた義務を整理しておくことで法令科目の得点を上げられます。
就業制限:事業者の義務
クレーン等安全規則第68条では、つり上げ荷重に応じた免許・資格を持つ者にしかクレーン作業をさせてはならないという「就業制限」が規定されています。
| つり上げ荷重 | 必要な資格 | 根拠条文 |
|---|---|---|
| 5t以上 | 移動式クレーン運転士免許 | クレーン等安全規則第68条 |
| 1t以上5t未満 | 移動式クレーン運転技能講習修了 | 同条 |
| 1t未満 | 小型移動式クレーン運転特別教育修了 | 同条 |
就業制限は「事業者が守るべき義務」です。無資格者にクレーンを運転させた場合の責任は事業者にあります。
立入禁止措置
クレーンで荷をつり上げている間、その真下に人を立ち入らせてはなりません(クレーン等安全規則第74条)。吊り荷の落下による重大災害を防ぐための規定です。
事業者は「つり上げ荷重が1t以上の移動式クレーンで荷をつった状態で運転する場合、つり荷の下への立入禁止措置」を取る義務があります。
作業計画の作成義務
つり上げ荷重3t以上の移動式クレーンを用いる作業については、事業者は作業前に「作業計画」を作成し、作業に従事する労働者に周知する義務があります(クレーン等安全規則第66条の2)。
作業計画に含める事項:
- 移動式クレーンの種類・つり上げ荷重
- 作業の方法・順序
- 作業の指揮者の選任
- 使用するワイヤロープ・玉掛け用具の種類
作業の指揮者の選任義務
つり上げ荷重3t以上の移動式クレーンを用いる作業には、作業指揮者を選任する義務があります(クレーン等安全規則第66条の2)。作業指揮者は作業計画に基づいて作業を指揮し、安全を確保する役割を担います。
過負荷禁止
事業者はクレーン等安全規則第69条に基づき、移動式クレーンの定格荷重を超えた荷をつり上げることを禁止しています。「やむを得ない事由」がある場合でも適用されます(例外なし)。
誘導員の配置
移動式クレーンが道路・建物・機械等に接触するおそれがある場所を走行する場合は、誘導員を配置して誘導させなければなりません。また、つり荷が揺れて人や構造物に衝突するおそれがある場合も同様に誘導員等の安全措置が必要です。
試験でよく問われるポイントまとめ
- 就業制限(第68条):事業者が守るべき義務。5t以上は免許必須
- 立入禁止(第74条):つり荷の真下への人の立ち入りは禁止
- 過負荷禁止(第69条):定格荷重超過は例外なく禁止
- 作業計画の作成(第66条の2):3t以上のクレーン作業前に必要
- 作業指揮者の選任(第66条の2):3t以上のクレーン作業に必要
事業者の主要な義務一覧(移動式クレーン関係)
| 義務の種類 | 内容 | 根拠条文 |
|---|---|---|
| 資格者への運転業務の限定 | つり上げ荷重5t以上は免許者のみ | 労安則第41条 |
| 検査証の備え付け | クレーンに検査証を備え付ける | クレーン則第11条 |
| 定期自主検査の実施 | 年次・月次・作業開始前点検 | クレーン則第76〜78条 |
| 作業計画の策定 | 作業ごとに作業計画を定める | クレーン則第66条の2 |
| 作業指揮者の選任 | 作業指揮者を選任して指揮させる | クレーン則第66条の2 |
| 過負荷の禁止 | 定格荷重を超える荷重をかけてはならない | クレーン則第69条 |
作業指揮者の選任が必要な場面
移動式クレーンを使用する作業では、作業指揮者を選任することが義務づけられています(クレーン則第66条の2)。作業指揮者は以下の役割を担います。
- 作業計画に基づき作業の指揮を行う
- 材料・器具等の確認を行う
- 安全装置・ロープ等の機能を点検する
- 関係者以外の立入りを禁止する
違反した場合の罰則
資格のない者にクレーンを運転させた(無免許運転をさせた)場合や、定格荷重を超えて使用した場合は、労働安全衛生法に基づき事業者が罰則の対象になります。義務の履行は事業者に課せられており、違反は刑事責任につながることがあります。
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