引火性固体は第2類危険物(可燃性固体)に分類されます(指定数量1,000kg・危険等級III)。第2類の中で最大の指定数量を持ちます。固形アルコール・ゴムのり・ラッカーパテ等が代表例で、引火点が40℃未満の固体が対象です。消火には泡・二酸化炭素・粉末・ハロゲン化物消火剤が使えます(水は効果が低い)。禁水物質ではないため、乾燥砂での消火は必須ではありません。
引火性固体の基本データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 分類 | 第2類危険物(可燃性固体) |
| 指定数量 | 1,000kg(第2類で最大) |
| 危険等級 | III |
| 法令上の定義 | 引火点が40℃未満の固体 |
| 代表例 | 固形アルコール・ゴムのり・ラッカーパテ |
| 禁水性 | なし |
| 消火方法 | 泡・CO₂・粉末・ハロゲン化物消火剤可 |
出典:消防法施行令別表第一(第二類)・危険物の規制に関する規則第1条の3。
引火性固体の法令上の定義
消防法上「引火性固体」とは「固形アルコールその他1気圧において引火点が40度未満のもの」と規定されています(消防法施行令別表第一第二類)。ポイントは「引火点が40℃未満の固体」という定義で、液体(引火性液体・第4類)とは区別されます。
- 「引火性固体」は常温で固体(固形・ゲル状など)である。
- 引火点が40℃未満のため、夏場など気温が高い時期に特に引火危険がある。
- 第4類(引火性液体)とは「固体か液体か」で区別する。
- 混同しやすい例:ゴムのりは常温で固体状・ラッカーパテも固体状→第2類。
引火性固体の代表例
| 物質名 | 引火点 | 特徴 |
|---|---|---|
| 固形アルコール | 約20℃ | 調理用燃料・キャンプ用品。エタノールをゲル化した固体。 |
| ゴムのり | 約20℃以下 | ゴム接着剤。有機溶剤を含む固体状接着剤。 |
| ラッカーパテ | 約21℃以下 | 塗装下地材。有機溶剤を含むパテ状の固体。 |
これらはいずれも有機溶剤を含むか、低引火点の有機物から構成されています。
引火性固体の消火方法
引火性固体は禁水性ではないため、使用できる消火剤の種類が他の第2類(禁水性物質)より多いです。
| 消火剤 | 可否 | 備考 |
|---|---|---|
| 泡消火剤 | 可 | 有機物の燃焼に効果的 |
| 二酸化炭素(CO₂) | 可 | 有機物の窒息消火に有効 |
| 粉末消火剤 | 可 | 即効性がある |
| ハロゲン化物 | 可 | 連鎖反応を抑制する |
| 水・強化液 | 使用可能だが効果が低い | 水はかえって燃焼物を広げる場合がある |
| 乾燥砂 | 可(但し必須ではない) | 禁水性でないため必須扱いでない |
試験では「引火性固体の消火に使えない消火剤はどれか」ではなく、「適切な消火剤」を選ぶ問いが多いです。泡・CO₂・粉末が最適解として出題されます。
引火性固体と第4類(引火性液体)の違い
引火性固体と第4類(特殊引火物・ガソリン・アルコール等)は、ともに引火の危険がありますが、以下の点で区別されます。
| 項目 | 引火性固体(第2類) | 引火性液体(第4類) |
|---|---|---|
| 状態 | 固体(固形・ゲル状) | 液体 |
| 引火点の基準 | 40℃未満(の固体) | 液体のまま揮発して引火 |
| 指定数量 | 1,000kg | 50L〜6,000L(品名による) |
| 代表例 | 固形アルコール・ゴムのり | ガソリン・灯油・アルコール |
引火性固体の保管方法
- 火気・熱源から遠ざけて保管する(引火点が40℃未満のため)。
- 気温が上がる夏場や直射日光が当たる場所での保管を避ける。
- 密閉容器で保管し、蒸気が漏れ出さないようにする(固形アルコール・ゴムのりは有機溶剤が揮発しやすい)。
- 第1類(酸化性固体)との接触禁止。
第2類危険物の指定数量まとめ(比較)
| 品名 | 指定数量 | 危険等級 |
|---|---|---|
| 硫化りん | 100kg | II |
| 赤りん | 100kg | II |
| 硫黄 | 100kg | II |
| 鉄粉 | 500kg | III |
| 金属粉 | 500kg | III |
| マグネシウム | 500kg | III |
| 引火性固体 | 1,000kg | III |
「指定数量が最も多いのはどれか」という問いでは引火性固体(1,000kg)が正解です。
乙2試験での引火性固体の出題パターン
| 問われる内容 | 答え |
|---|---|
| 引火性固体の法令上の定義 | 引火点が40℃未満の固体 |
| 引火性固体の指定数量 | 1,000kg(第2類で最大) |
| 引火性固体の消火方法 | 泡・CO₂・粉末・ハロゲン化物(水は効果低) |
| 引火性固体は禁水性か | 禁水性ではない(水との反応でガス発生しない) |
| 固形アルコールは何類危険物か | 第2類(引火性固体) |
| 引火性固体と第4類の区別 | 常温での状態:固体か液体か |
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