特定事業所加算(Ⅰ〜Ⅲ・A)の要件と、取ると収入がいくら変わるか。

特定事業所加算(Ⅰ〜Ⅲ・A)の要件と、取ると収入がいくら変わるか。 介護

居宅介護支援の特定事業所加算(Ⅰ〜Ⅲ・A)は、一定の体制・専門性を備えた事業所に上乗せされる加算です。最も単価の高い加算(Ⅰ)は1件あたり519単位で、担当件数が40件の場合は月約20万円以上の収入増につながります。要件を満たすかどうかによって事業所の収入が大きく変わる加算です。

担当件数・要介護度・加算・地域区分を入力して開業後の収支を試算できます。
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特定事業所加算の種類と単価

特定事業所加算は、体制と専門性の水準に応じて4種類に分かれます。

加算の種類 1件あたりの単価 位置づけ
特定事業所加算(Ⅰ) 519単位/月 最上位・主任ケアマネ常勤・専門研修修了者の確保
特定事業所加算(Ⅱ) 421単位/月 主任ケアマネ常勤・専門研修修了者の確保
特定事業所加算(Ⅲ) 323単位/月 主任ケアマネ or 専門研修修了者
特定事業所加算(A) 114単位/月 中山間地域等の小規模事業所向け

出典:厚生労働大臣が定める居宅介護支援に係る居宅介護支援費の算定に関する基準(告示第125号・令和6年3月改定)

加算(Ⅰ)と加算(Ⅲ)では1件あたりの単価が196単位(約2,000円)違います。担当件数が多ければ多いほど、加算の種類による収入の差が大きくなります。

加算(Ⅰ)〜(Ⅲ)の要件の詳細

加算(Ⅰ)の要件

加算(Ⅰ)を算定するには次の要件をすべて満たす必要があります。

  • 主任介護支援専門員が常勤で1名以上いること(管理者が兼務している場合を含む)
  • ケアマネジャーが常勤で3名以上いること
  • 介護支援専門員実務研修(専門課程Ⅰ・Ⅱ)の修了者を確保していること
  • 毎月、利用者・家族・担当者が参加する介護支援専門員研修を実施していること
  • 質の高いケアマネジメントを実施していること(困難事例への対応・24時間連絡体制)
  • 公正中立の確保(複数の指定居宅サービス事業者等のリストを利用者に提示していること)

加算(Ⅱ)の要件

加算(Ⅱ)の要件は加算(Ⅰ)から「毎月の研修実施」を外したものとほぼ共通です。主任ケアマネ常勤・ケアマネジャー3名以上・専門研修修了者の確保・24時間連絡体制・公正中立が主な条件です。

加算(Ⅲ)の要件

加算(Ⅲ)は加算(Ⅱ)より人員の水準が低く、主任ケアマネジャーの常勤か専門研修修了者の確保のどちらかで算定できます。小規模な事業所や立ち上げ間もない事業所でも要件を満たしやすい設計になっています。

加算(A)について

加算(A)は中山間地域等の小規模な事業所を対象とした加算で、単価は114単位と低めですが、他の加算との要件が異なります。中山間地域等における加算と組み合わせることが想定されています。

担当件数別の加算による月次収入の増加額

地域区分10円/単位で計算した場合の、加算ありとなしの月次収入の差です。

担当件数 加算(Ⅰ)で増える収入
(519単位×10円×件数)
加算(Ⅲ)で増える収入
(323単位×10円×件数)
20件 約103,800円/月 約64,600円/月
30件 約155,700円/月 約96,900円/月
40件 約207,600円/月 約129,200円/月
50件(費Ⅰ:44件+費Ⅱ:6件) 約240,000円/月(概算) 約149,000円/月(概算)

担当件数40件で加算(Ⅰ)を算定できれば、加算なしの場合と比べて月20万円以上の収入差が生まれます。年間では250万円以上の違いになります。

開業当初から加算は算定できるか

特定事業所加算の算定は、事前に体制の届出が必要です。加算(Ⅰ)や(Ⅱ)の要件である「ケアマネジャー3名以上の常勤確保」は、開業時点で人員を揃えていれば届出は可能です。

ただし「専門研修修了者の確保」については、修了者が事業所に在籍していることが条件なので、採用時点で修了者を確保しておくか、既存のケアマネジャーが研修を修了してから届出をする流れになります。

開業時に加算(Ⅲ)から始めるケース

開業当初は人員が少なく加算(Ⅰ)・(Ⅱ)の要件を満たしにくい場合、まず加算(Ⅲ)から算定を始め、体制が整ってから加算(Ⅱ)・(Ⅰ)に切り替えるステップアップも現実的な選択肢です。加算が1件あたり200単位以上違う以上、体制強化と加算の向上を並行して進める意味は大きいです。

加算算定に必要な書類・届出

特定事業所加算の算定を開始するには、事業所所在地の市区町村または都道府県(指定権者)に体制届出書を提出します。届出の締め切りと算定開始月は自治体によって異なるため、事前に管轄窓口に確認してください。一般的に月の初日から算定するには前月末日までの届出が求められることが多いです。

まとめ

  • 特定事業所加算は1件あたり114〜519単位(加算の種類による)の上乗せがある
  • 担当件数40件で加算(Ⅰ)を算定すると、加算なしと比べて月20万円以上の収入増になる
  • 加算(Ⅰ)・(Ⅱ)は主任ケアマネ常勤・3名以上の常勤確保・専門研修修了者が要件
  • 加算(Ⅲ)は主任ケアマネor専門研修修了者のいずれかで算定可能。開業当初から狙いやすい
  • 算定開始には指定権者への体制届出が必要。締め切りは自治体に確認する

担当件数・加算の種類・地域区分を入力して、特定事業所加算を含む月次収入を試算できます。
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【参考にした資料】
・厚生労働大臣が定める居宅介護支援に係る居宅介護支援費の算定に関する基準(告示第125号・令和6年3月改定)
・指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)

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業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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