介護支援専門員実務研修受講試験(ケアマネ試験)の概要【受験資格・合格率・開業までの流れ】

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介護支援専門員(ケアマネジャー)になるためには、介護支援専門員実務研修受講試験(ケアマネ試験)に合格し、実務研修を修了する必要があります。試験の概要・受験資格・合格後の手続きを整理します。

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介護支援専門員実務研修受講試験の概要

介護支援専門員実務研修受講試験は、各都道府県が毎年10月ごろに実施する試験です。合格後に実務研修(87時間以上)を修了することで介護支援専門員証が交付されます。

ケアマネ試験の基本情報(2026年時点)
項目 内容
実施時期 毎年10月(2026年は10月12日・全国一斉)
実施機関 各都道府県(試験の細かい日程・申込方法は都道府県によって異なる)
試験科目 介護支援分野(25問)・保健医療・福祉サービス分野(35問)合計60問
試験時間 120分
合格基準 各分野で概ね60〜70%以上の正答率(年によって異なる)
合格後の手続き 実務研修受講→修了後に登録→介護支援専門員証の交付申請

受験資格(受験できる方)

介護支援専門員実務研修受講試験の受験資格は次のいずれかに該当する方です(令和3年度改正後)。

  • 国家資格等保有者:医師・歯科医師・薬剤師・保健師・助産師・看護師・准看護師・理学療法士・作業療法士・社会福祉士・介護福祉士・視能訓練士・義肢装具士・歯科衛生士・言語聴覚士・あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師・栄養士・管理栄養士・精神保健福祉士などの資格を持つ者で、通算5年以上の実務経験(従事日数900日以上)がある方
  • 相談援助業務等の実務経験者:生活相談員・支援相談員・相談支援専門員・主任相談支援員として通算5年以上の実務経験(従事日数900日以上)がある方

「通算5年以上・900日以上」の計算については、複数の職場・資格での経験を合算できます。ただし、従事した職種・施設の種類等の条件があるため、都道府県の手引きで確認することをお勧めします。

試験の難易度と合格率の推移

介護支援専門員実務研修受講試験は一時期(第18〜21回)に合格率が10%台と非常に低い時期がありましたが、近年は20〜25%程度で推移しています。試験委員会による難易度調整が行われています。

ケアマネ試験の合格率の推移(参考)
回(年度) 受験者数 合格者数 合格率
第25回(令和4年) 54,406人 10,328人 19.0%
第26回(令和5年) 56,494人 11,844人 21.0%
第27回(令和6年) 57,234人 13,685人 23.9%

合格率は試験の難易度によって年によって変動します。6割以上の正答率が目安であることが多いですが、分野ごとに合格基準が設けられているため、苦手分野をなくすことが重要です。

実務研修の概要と修了後の手続き

試験合格後は、各都道府県で実施される「介護支援専門員実務研修」を受講・修了する必要があります。

  • 研修の時間:87時間以上(演習・事例検討・現場実習を含む)
  • 実施時期:都道府県によって異なりますが、試験合格後の翌年春ごろが一般的
  • 修了後の手続き:①介護支援専門員登録(都道府県への登録申請)→②介護支援専門員証の交付申請(5年間有効)

実務研修では、アセスメント・ケアプラン作成・サービス担当者会議の実践的な演習が行われます。研修修了後に実際の業務に就く前の準備として、各種書類の様式・請求業務の基礎についても学んでおくことをお勧めします。

試験に出やすいポイント:介護支援分野の頻出テーマ

ケアマネ試験の「介護支援分野」では、居宅介護支援の実務に直結する内容が多く出題されます。以下のテーマを重点的に押さえることが合格への近道です。

介護支援分野の頻出テーマ
テーマ 具体的な出題内容
ケアプラン作成の流れ アセスメント→原案作成→担当者会議→確定の手順・各書類の役割
サービス担当者会議 開催義務が生じるタイミング・照会で代替できるケース
モニタリング 訪問頻度の基準・記録の保存期間・訪問できない場合の対応
特定事業所加算 各区分の算定要件・主任ケアマネの配置基準
居宅介護支援の基本報酬 費(Ⅰ)〜費(Ⅲ)の区分・要介護度別単位数
軽微な変更 担当者会議を省略できる変更の範囲・記録の書き方
苦情処理・事故対応 記録義務・行政への報告が必要なケース

試験に出やすいポイント:保健医療・福祉サービス分野の頻出テーマ

保健医療・福祉サービス分野(35問)は試験の半分以上を占めます。医療的なケアに関する知識と、各サービスの基本的な仕組みを理解することが重要です。

  • 疾患・医療的ケア:認知症(アルツハイマー型・血管性・レビー小体型等)の特徴・在宅酸素療法・経管栄養・褥瘡予防
  • 医薬品・服薬管理:高齢者に多い副作用・薬の管理と服薬支援の範囲
  • リハビリテーション:PT・OT・STの役割の違い・廃用症候群への対応
  • 各サービスの運営基準:訪問介護・通所介護・短期入所等の人員・設備基準
  • 地域包括ケア・総合事業:介護予防ケアマネジメントの種類・地域包括支援センターとの関係

ケアマネ試験の学習方法

ケアマネ試験に合格するための学習方法について、主なアプローチを紹介します。

  • 公式テキストの活用:一般社団法人日本介護支援専門員協会が監修する「介護支援専門員基本テキスト」が標準的な学習教材です。
  • 過去問を繰り返す:試験の出題傾向を把握するために過去問を繰り返すことが有効です。分野別の正答率を確認して苦手分野を集中的に強化する。
  • 法令・告示の改正に注意:毎年の介護報酬改定・法令改正の内容が出題される場合があります。受験年度の改定情報を必ず確認しておく。
  • 通信講座・受験対策講座の活用:ユーキャン・三幸福祉カレッジ・LEC等の受験対策講座を活用する方法もあります。

試験勉強と仕事の両立:よくある詰まりポイント

ケアマネ試験を受験する方の多くは、介護・医療・福祉の現場で働きながら受験します。仕事と勉強の両立で詰まりやすいポイントと対策を整理します。

  • 勉強時間の確保:試験の約3〜6か月前から、1日30〜60分の学習時間を確保することが一般的です。通勤時間・昼休みを活用したスキマ学習も有効です。
  • 医療知識の補強:介護職出身の方は保健医療分野が苦手なことが多い。逆に医療職出身の方は介護保険制度の細かい手続きが苦手なケースがある。自分の弱点分野を先に把握して対策する。
  • 制度改正への対応:介護報酬改定(3年ごと)の年に受験する場合、改正内容が出題されやすい。改定年は特に法令・告示の変更点を確認する。
  • 模試の活用:本番に近い条件で解く模試を受けることで、時間配分・弱点の最終確認ができます。試験の1〜2か月前に模試を受けることをお勧めします。

仕事をしながら独学で合格するためのスケジュール例

現職の介護職・医療職として働きながら独学でケアマネ試験に合格するための学習スケジュール例です。試験は10月上旬が多いため、逆算して計画を立てることをお勧めします。

6か月学習スケジュールの例
時期 学習内容 目安時間
4月(6か月前) テキスト購入・出題範囲の全体把握・受験申込み 週4〜5時間
5月〜6月 介護支援分野・保健医療分野の各論を読み込む 週5〜8時間
7月〜8月 過去問(3〜5年分)を分野別に解く・苦手テーマを絞り込む 週8〜10時間
9月 弱点分野の集中対策・模試を2〜3回受ける 週10〜12時間
10月(試験直前) 直近の法改正・模試の間違いを再確認・コンディション管理 週5〜8時間

試験当日の注意点

都道府県ごとに試験の会場・集合時間・持ち物の規定が異なります。受験票に記載の内容を前日に必ず確認してください。

  • 試験科目の選択免除:保健師・看護師・介護福祉士等の特定の国家資格を持つ方は、保健医療福祉サービス分野の一部が免除される制度がある都道府県もある(近年は廃止した都道府県が多い)。受験する都道府県の実施要綱で確認する。
  • 解答方式:マークシート方式。迷った問題は後で戻れるよう番号を記録しておく。
  • 時間管理:120分で60問なので、1問あたり2分が目安。最初の45分で35問(保健医療福祉)、次の45分で25問(介護支援)、残り30分で見直す流れが一般的。

合格後の実務研修でつまずきやすいポイント

実務研修(87時間以上)は演習中心のカリキュラムで、グループワークが多く含まれます。事例を読んでアセスメント・ケアプランを作成する演習が主なため、試験の知識問題とは異なる力が求められます。

  • アセスメントの視点:「医療面の課題」だけでなく「生活全体の課題」「本人の意欲・意向」を統合してニーズを整理する視点を持つことが求められる。
  • ケアプランの目標設定:「〜を行う(サービス内容)」ではなく「〜できるようになる(利用者の生活目標)」という書き方を研修で指摘されることが多い。
  • 担当者会議の進め方:ロールプレイ演習があるため、事前に進行例を確認しておくと戸惑わない。

ケアマネ資格を活かして開業するまでの流れ

ケアマネ試験合格→実務研修修了→資格取得後、居宅介護支援事業所を開業するまでのステップを整理します。

  1. ケアマネ試験合格・実務研修修了(介護支援専門員証の取得)
  2. 実務経験を積む(居宅介護支援事業所・施設のケアマネ等で)
  3. 主任介護支援専門員(主任ケアマネ)資格取得を検討(特定事業所加算の算定に有利)
  4. 開業準備(法人設立・事務所確保・指定申請)
  5. 指定取得後、開業

居宅介護支援事業所の開業は、ケアマネ資格取得後すぐに可能ですが、実務経験を十分に積んでから開業することで、利用者対応・多職種連携・請求業務等のノウハウを持って開業に臨むことができます。

試験に関するよくある質問Q&A

ケアマネ試験に関してよく寄せられる疑問をQ&A形式でまとめます。

  • Q. 何回でも受験できる?
    受験資格を満たしていれば回数の制限はありません。ただし、合格後に実務研修を修了しなければ介護支援専門員証は交付されません。
  • Q. 勤務していた法人が倒産・廃業した場合、業務経歴はどうすれば証明できる?
    在籍していた証明書が取得できない場合は、雇用保険の加入記録等で補完できる都道府県もあります。事前に担当窓口に相談することをお勧めします。
  • Q. 非常勤での勤務経験も実務経験に含まれる?
    非常勤・パートタイムでも、900日以上・5年以上の要件を満たせば受験資格の対象となります。
  • Q. 試験に落ちた場合、すぐ翌年に再受験できる?
    受験資格を引き続き満たしていれば再受験できます。翌年の申込み期間を確認して手続きしてください。

資格取得にかかる費用の目安

ケアマネ試験から実務研修修了・証取得までにかかる費用の目安を整理します。

  • 受験料:都道府県によって異なりますが8,000〜10,000円程度が一般的
  • 参考書・テキスト:公式テキスト(1〜2巻)+問題集で5,000〜15,000円程度
  • 実務研修受講料:都道府県・実施機関によって異なりますが20,000〜60,000円程度
  • 登録・証交付手数料:都道府県によって異なりますが3,000〜5,000円程度

ケアマネ試験合格後の事業所選びのポイント

実務研修修了後、最初にどの事業所で経験を積むかは、その後の開業準備に大きく影響します。就職先選びで意識したいポイントを整理します。

  • 担当件数の規模:最初から多件数を担当させる事業所では、業務の質よりスピードが求められる場合がある。10〜30件程度から始められる事業所のほうが、丁寧な仕事の進め方を学べる。
  • 主任ケアマネの存在:主任ケアマネが在籍している事業所では、困ったときのスーパービジョン(相談・助言)が受けやすい。
  • ICT・書類管理の体制:ケアプランデータ連携システム・請求ソフトの使い方を実務で身につけておくと、開業後もスムーズ。
  • 地域連携の実態:担当する地域の医療機関・介護サービス事業所との関係を学べる環境が、開業後の人脈形成にもなる。

参考・出典

  • 介護支援専門員実務研修受講試験実施要綱(各都道府県)
  • 公益財団法人社会福祉振興・試験センター(ケアマネ試験情報)

この記事は2026年11月時点の情報に基づいています。試験の詳細・受験資格・申込方法は受験する年の都道府県の実施要綱でご確認ください。

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この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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