令和6年4月の介護報酬改定では、居宅介護支援の基本報酬が引き上げられました。特定事業所加算の見直し・処遇改善加算の一本化・オンラインモニタリングの導入・虐待防止の義務化など、事業所の運営に直結する変更が複数ありました。この記事では居宅介護支援に関わる令和6年改定の主なポイントを整理します。
基本報酬:引き上げ
令和6年4月改定では、居宅介護支援の基本報酬(居宅介護支援費)が引き上げられました。主任ケアマネが在籍する事業所を優遇する報酬体系は維持されています。
なお、令和8年6月にも介護報酬の改定が実施されており、現在適用されている単位数は令和8年6月以降の数値です。収支シミュレーターで使用している単位数は令和8年6月適用のものです。
処遇改善加算の一本化(令和6年6月〜)
令和6年6月改定で、介護職員処遇改善加算・介護職員等特定処遇改善加算・介護職員等ベースアップ等支援加算の3つが「介護職員等処遇改善加算」に一本化されました。居宅介護支援は従来、処遇改善加算の対象外でしたが、令和8年6月改定から対象に追加され、加算率2.1%が新設されています。
オンラインモニタリングの導入(令和6年4月〜)
令和6年4月改定で、一定の要件を満たす場合に定期モニタリング訪問のICT代替(オンラインモニタリング)が認められました。訪問を2か月に1回以上とし、訪問しない月はテレビ電話等を活用してモニタリングを実施できます。
適用条件は以下の3点です。
- 利用者の状態が安定していること
- 利用者の同意(文書による同意が望ましい)があること
- サービス担当者会議等で関係者の合意があること
訪問しない月もモニタリング記録の作成は必要です。原則は居宅訪問による対面確認であり、オンラインはあくまで要件を満たした場合の例外です。
虐待防止の義務化(令和6年4月〜)
令和3年改定で努力義務とされていた虐待防止の取り組みが、令和6年4月から義務化されました。居宅介護支援事業所に求められる措置は以下のとおりです。
| 措置 | 内容 |
|---|---|
| 虐待防止のための指針の整備 | 虐待の早期発見・通報・対応の手順を定めた指針を作成する |
| 虐待防止委員会の設置 | 定期的に開催(おおむね1年に1回以上)し、指針の見直し等を行う |
| 従業者への研修の実施 | 年1回以上、虐待防止に関する研修を従業者全員に実施する |
| 担当者(虐待防止責任者)の設置 | 虐待防止のための措置を担当する者を定める |
BCP(業務継続計画)の義務化(令和6年4月〜)
令和3年改定で努力義務とされていたBCP(感染症・自然災害時の業務継続計画)の策定が、令和6年4月から完全義務化されました。感染症BCPと自然災害BCPの両方の策定・定期的な研修・訓練の実施が義務付けられています。
身体的拘束等適正化の義務化(令和6年4月〜)
令和6年4月から、居宅介護支援事業所にも身体的拘束等の適正化のための措置が義務化されました。具体的には、身体的拘束等を行わないための指針の整備・定期的な研修の実施が求められます。
特定事業所加算の見直し
令和6年改定では特定事業所加算の算定要件の一部が見直されました。加算(Ⅰ)〜(Ⅲ)・加算(A)の体系は維持されつつ、算定要件のうち研修・計画に関する要件が整理されました。特定事業所加算は最高区分(Ⅰ)で月1利用者あたり519単位(令和8年6月現在)と収益への影響が大きいため、要件充足状況を定期的に確認してください。
その他の主な変更点
| 変更内容 | 概要 |
|---|---|
| サービス担当者会議・モニタリングの記録の電磁的方法による提供 | 利用者の同意のもと、電磁的方法(メール・電子ファイル)による記録の提供が引き続き認められる |
| 居宅介護支援費の請求方法の見直し | 月途中での給付管理等に関する取扱いの明確化 |
| ヤングケアラーへの配慮 | ケアプラン作成時にヤングケアラー(18歳未満の家族介護者)の存在を把握した場合は、適切な機関への相談につなぐ対応を行う |
居宅介護支援事業所の開業と3年間の収支シミュレーションは、居宅介護支援事業所(ケアマネ事務所)収支シミュレーターで確認できます。
参考・出典
- 令和6年度介護報酬改定の概要(厚生労働省・2024年1月)
- 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)(改正後)
この記事は2026年11月時点の情報に基づいています。改定の詳細は厚生労働省の通知・事業所所在地の市区町村に確認してください。
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