GH日中型の「その他費用」22.4%(1,297万円)の内訳と高さの背景

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厚生労働省「令和7年障害福祉サービス等経営概況調査結果」(令和6年度決算)によると、グループホーム日中サービス支援型(GH日中型)の「その他費用」は12,970千円(約1,297万円)です。収入5,803万円に対して22.4%という比率は7サービス中3番目に高い水準で、絶対額では生活介護(13,617千円)に次ぐ規模です。

GH日中型の費用内訳(全国平均)

費用項目 金額(千円) 収入比率 費用比率
人件費 38,375千円 66.1% 69.0%
その他費用 12,970千円 22.4% 23.3%
減価償却費 2,659千円 4.6% 4.8%
外注費・委託費 1,047千円 1.8% 1.9%
費用合計 55,051千円 94.9% 100%
収支差額 2,979千円 5.1% −

費用の23.3%が「その他費用」です。人件費(69.0%)に次ぐ第2の費用項目で、GH日中型の収益性に大きく影響しています。

GH日中型の「その他費用」の主な内訳

住居の賃借料・施設維持費(最大の費目):GH日中型は入居者が常時居住する施設であり、24時間365日の建物維持が必要です。賃貸型の場合、定員14人前後(WAM参考値14.1人)の建物賃料が毎月発生します。都市部では月30〜80万円規模になるケースもあり、年間賃料が360〜960万円のケースも想定されます。

食費・給食費(利用者負担を超える事業者負担分):GH日中型は「日中」も含めたサービスを提供するため、昼食・夕食の提供が必要です。食材費・調理スタッフ費用のうち、利用者負担を超えた部分が事業者コストとして計上されます。入居者14人分の食費・光熱費は、包括型より多くなります。

水道光熱費:日中サービスを提供するため、昼間も照明・空調・調理設備が稼働します。GH包括型と比べて日中の電力・ガス使用量が多くなります。年間150〜300万円程度が目安です。

修繕費・消耗品費:入居者が日常生活を送る施設の修繕(壁・床・浴室・共用スペース等)と、日常的な消耗品(清掃用品・日用品等)の補充が継続的に発生します。24時間365日の稼働であるため、包括型と同様に修繕費がかかります。

送迎・外出支援費:GH日中型は日中サービスを事業所内で提供しますが、利用者の通院・外出・余暇支援のための移動費(車両維持費・燃料費・外出時の費用)が含まれます。

GH日中型と生活介護のその他費用の比較

項目 GH日中型 生活介護
その他費用(千円) 12,970千円 13,617千円
収入比率 22.4% 17.2%
平均年収入 5,803万円 7,939万円
サービスの性質 居住(24h)+日中 通所(日中のみ)

GH日中型は生活介護より絶対額では少ないものの(12,970千円 vs 13,617千円)、収入規模が小さいため収入比率(22.4%)が生活介護(17.2%)を大きく上回っています。GH日中型は「居住サービス(住居運営コスト)+日中サービス(活動・プログラムコスト)」という二重の費用構造が、その他費用率を押し上げています。

その他費用管理のポイント

GH日中型の収支差率5.1%の中で、その他費用22.4%の削減は収益改善の余地を持つ費目です。重点確認事項:

  • 賃借料の見直し:契約更新時の条件交渉・定員増設(同じ賃料でより多くの収入を得る)・省エネ設備の導入(光熱費削減)
  • 食費の利用者負担額の適正化:実際の食材費・光熱費に見合った利用者負担額が設定されているかを確認する(地域の相場と上限を確認した上で)
  • 管理費按分の確認:法人本部から配分される管理費の按分基準(合理的な根拠があるか)を確認する

GH日中型の「その他費用率22.4%」を全国平均以下に抑えられれば、現在の収支差率5.1%(全体平均)からの改善余地があります。

GH日中型の減価償却費4.6%(259万円)の意味

GH日中型の減価償却費は2,659千円(約259万円・収入比4.6%)で、7サービス中で最も高い比率です(GH包括型3.7%・生活介護4.1%・短期入所4.5%と比較しても最高水準)。

減価償却費が高い理由は、GH日中型が重度障害者(強度行動障害・医療的ケア等)に対応するための専用設備投資を行っているケースが多いためです。個室の確保・バリアフリー改修・医療対応設備(吸引機・経管栄養対応等)・見守り設備(センサー・カメラ等)の設置コストが減価償却費として毎年計上されます。また、建物所有型のGH日中型(賃貸ではなく自社・法人所有)では、建物の減価償却が大きな費目になります。

GH日中型で減価償却費が収入の4.6%を超えている場合は、大型設備投資の時期に当たっている可能性があります。設備投資は耐用年数にわたって費用が発生し続けるため、投資判断の際には償却完了後の収支も試算することが重要です。その他費用(22.4%)と減価償却費(4.6%)の合計が収入の27%前後を占めることを念頭に置いた経営計画が必要です。

GH日中型の全体的な費用構造として、人件費66.1%+その他費用22.4%+減価償却費4.6%+外注費1.8%の合計94.9%が費用となり、収支差率は5.1%です。他のサービスと異なり「人件費・その他費用・減価償却費の3本柱」が高く、費用削減の余地が限られています。GH日中型の収益改善には、稼働率86.0%(WAM参考値)を維持・向上させ、重度障害者支援加算・夜間支援等体制加算・重度夜間支援加算等の収入を最大化することが現実的な経営改善策です。

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出典:厚生労働省「令和7年障害福祉サービス等経営概況調査結果」(令和6年度決算)。

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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