健康診断の種類と頻度。定期健診・特殊健診・報告義務を解説

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事業者が実施しなければならない健康診断には「一般健康診断」と「特殊健康診断」があります。それぞれ実施頻度・対象者・記録の保存期間が異なり、第一種衛生管理者試験では定期健康診断・特殊健康診断の種類と頻度・結果の取り扱いが毎回出題されます。

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健康診断の種類一覧

種類 根拠規定 対象者 頻度
雇入れ時健康診断 安衛則第43条 常時使用する労働者 雇い入れ時(採用直後)
定期健康診断 安衛則第44条 常時使用する労働者 1年以内に1回
特定業務従事者健康診断 安衛則第45条 深夜業・粉じん等の特定業務従事者 6か月以内に1回
海外派遣労働者健康診断 安衛則第45条の2 6か月以上海外に派遣する労働者 派遣前・帰国後
給食従業員の検便 安衛則第47条 事業に附属する食堂・炊事場の給食業務に従事する労働者 雇い入れ時・配置転換時
有機溶剤健康診断 有機則第29条 有機溶剤業務従事者 6か月以内に1回
特定化学物質健康診断 特化則第39条 特定化学物質業務従事者 6か月以内に1回
鉛健康診断 鉛則第53条 鉛業務従事者 6か月以内に1回
石綿健康診断 石綿則第40条 石綿業務従事者 6か月以内に1回
じん肺健康診断 じん肺法第8条 粉じん作業従事者 管理区分により1〜3年以内
歯科医師による健康診断 安衛則第48条 塩酸・硝酸・硫酸・亜硫酸・フッ化水素・黄りん等の酸蒸気発散場所での業務従事者 6か月以内に1回

定期健康診断の実施項目

定期健康診断では次の11項目を実施します(安衛則第44条)。ただし、医師が不必要と認める項目は省略できます(省略規定あり)。

  1. 既往歴・業務歴の調査
  2. 自覚症状・他覚症状の有無の検査
  3. 身長・体重・腹囲・視力・聴力の検査
  4. 胸部エックス線検査(一定の年齢等で省略可)
  5. 血圧の測定
  6. 貧血検査(赤血球数・血色素量)(一定の年齢等で省略可)
  7. 肝機能検査(GOT・GPT・γ-GTP)(一定の年齢等で省略可)
  8. 血中脂質検査(LDL・HDLコレステロール・血清トリグリセライド)(一定の年齢等で省略可)
  9. 血糖検査(一定の年齢等で省略可)
  10. 尿検査(尿中の糖・蛋白の有無の検査)
  11. 心電図検査(一定の年齢等で省略可)

健康診断結果の取り扱い

記録の保存

健康診断結果の記録は原則5年間保存しなければなりません(安衛則第51条)。ただし次の業務は特別の保存期間が定められています。

  • 石綿業務の健診記録:40年間(石綿則第41条)
  • 特定化学物質の特別管理物質の健診記録:30年間(特化則第40条)
  • 鉛業務・有機溶剤業務の健診記録:5年間(鉛則第55条・有機則第30条)

有所見者への対応

健康診断で異常の所見のある労働者に対しては、医師・歯科医師の意見を聴取し、必要に応じて就業上の措置(就業の禁止・就業場所の変更・労働時間の短縮等)を実施しなければなりません(安衛法第66条の5)。

労働基準監督署への報告

常時50人以上の事業場は、定期健康診断の実施後に「定期健康診断結果報告書」を所轄の労働基準監督署長に提出しなければなりません(安衛則第52条)。50人未満の事業場には提出義務はありません。

労働者への結果通知

事業者は健康診断の結果を遅滞なく労働者本人に通知しなければなりません(安衛法第66条の6)。

特定業務従事者健康診断(安衛則第45条)

定期健康診断を1年に1回以上行うべき業務(特定業務)に常時従事する労働者に対しては、6か月以内に1回の健康診断が必要です。特定業務の主な例は次のとおりです(安衛則第13条第1項に列挙)。

  • 多量の高熱物体を取り扱う業務・著しく暑熱な場所での業務
  • 多量の低温物体を取り扱う業務・著しく寒冷な場所での業務
  • ラジウム放射線・エックス線等の有害放射線にさらされる業務
  • 土石・岩石・鉱物・金属・炭素の粉じんを著しく発散する場所での業務
  • 強烈な騒音を発する場所での業務
  • 深夜業を含む業務

試験での出題ポイント

健康診断の種類と頻度は毎回出題されます。特に次の点に注意してください。

  • 一般定期健康診断:1年以内に1回(特定業務従事者は6か月以内に1回)
  • 有機則・特化則・鉛則・石綿則の特殊健康診断:6か月以内に1回(共通)
  • じん肺健診:管理区分により1〜3年(他と頻度が異なることに注意)
  • 歯科医師による健診:酸蒸気にさらされる業務で6か月以内に1回(一般定期健診とは別)
  • 記録保存:原則5年間。石綿は40年間・特別管理物質は30年間・鉛と有機溶剤は5年間(規則ごとに異なる)
  • 50人以上の報告義務:所轄の労働基準監督署長への提出

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出典:
・労働安全衛生法 第66条〜第66条の6
・労働安全衛生規則 第43条〜第52条
・有機溶剤中毒予防規則 第29条 / 特定化学物質障害予防規則 第39条 / 鉛中毒予防規則 第53条 / 石綿障害予防規則 第40条 / じん肺法 第8条

最新の試験日程・受験申請・公表試験問題は、公益財団法人 安全衛生技術試験協会(www.exam.or.jp)の公式サイトでご確認ください。

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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