電離放射線障害予防規則(電離則)|被ばく線量限度・管理区域・特殊健康診断を解説

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電離放射線障害予防規則(電離則)は、エックス線・ガンマ線・中性子線等の電離放射線を取り扱う作業場の健康障害防止を目的とした規則です。試験では被ばく線量限度の数値・管理区域の設定基準・特殊健康診断の頻度が出題されます。

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電離放射線の種類と透過力

種類 特徴 透過力
アルファ(α)線 ヘリウム原子核の流れ。紙1枚で遮へい可能 最も低い
ベータ(β)線 電子の流れ。薄いアルミ板で遮へい可能 中程度
ガンマ(γ)線・エックス(X)線 電磁波。鉛・コンクリートの厚い遮へいが必要 最も高い
中性子線 核分裂等で発生。水・パラフィン等で遮へい 高い(特殊)

被ばく線量限度(電離則第4条・第5条)

放射線業務従事者の被ばく線量は以下の限度以下でなければなりません。

区分 線量限度 備考
実効線量(全身) 5年間で100mSv・かつ1年間で50mSv以下 電離則第4条第1項
眼の水晶体 1年間で20mSv・5年間で100mSv以下(2021年4月改正で旧150mSvから強化) 電離則第5条第1項
皮膚 1年間で500mSv以下 電離則第5条第2項
妊娠中の女性(腹部表面) 妊娠期間中2mSv以下 電離則第6条

管理区域の設定(電離則第3条)

放射線業務を行う作業場のうち、外部放射線による実効線量が3か月につき1.3mSvを超えるおそれのある区域を「管理区域」として標識で明示しなければなりません。管理区域への立入りは放射線業務従事者以外は原則禁止です。

作業環境測定(電離則第54条)

管理区域内の外部放射線の量の測定は、1か月以内に1回定期的に行わなければなりません(他の化学物質系の「6か月以内に1回」と異なる)。

放射線障害の健康影響

影響の種類 特徴 代表的な障害
確定的影響(非確率的影響) しきい値を超えると必ず発生する 急性放射線症・脱毛・白内障・不妊
確率的影響 しきい値がなく線量に比例してリスクが上がる がん・白血病・遺伝的影響

特殊健康診断(電離則第56条)

放射線業務従事者に対し、6か月以内に1回(雇入れ・配置換えの際は直近の検査後の期間が6か月以内でなければ実施)定期に健康診断を行わなければなりません。主な検査項目は次のとおりです。

  • 被ばく歴の調査(医師の指示があれば他の項目の省略不可)
  • 白血球数・分画の検査
  • 赤血球数・ヘモグロビン量・ヘマトクリット値の検査
  • 血小板数の検査
  • 白内障の有無に関する眼の検査
  • 皮膚の検査

試験での出題ポイント

  • 全身(実効線量)の限度:「5年で100mSv・かつ1年で50mSv以下」(両方言える必要あり)
  • 作業環境測定の頻度:「1か月以内に1回」(他の有害物質は6か月と異なる)
  • 管理区域の設定基準:3か月で1.3mSvを超えるおそれのある区域
  • 確率的影響(がん・白血病)はしきい値なし・確定的影響(白内障・不妊)はしきい値あり

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出典:
・電離放射線障害予防規則 第3条・第4条・第5条・第6条・第54条・第56条
・厚生労働省「電離放射線障害予防規則の解説」

最新の試験日程・受験申請・公表試験問題は、公益財団法人 安全衛生技術試験協会(www.exam.or.jp)の公式サイトでご確認ください。

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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