クレーン 設置届・変更届の義務と提出期限【クレーン等安全規則第5条】

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クレーン(つり上げ荷重3t以上)やデリック(つり上げ荷重2t以上)を設置・変更・解体する際は、クレーン等安全規則に基づく各種届出が義務付けられています。設置届は設置工事開始30日前、変更届は変更工事開始30日前に所轄労働基準監督署長に届け出る必要があります。廃止したときはクレーン検査証を所轄の労働基準監督署長に遅滞なく返還します(第55条)。

出典:クレーン等安全規則(厚生労働省)

設置届(クレーン等安全規則第5条)

つり上げ荷重3t以上のクレーンを設置しようとする事業者は、工事開始日の30日前までに所轄の労働基準監督署長に設置届を提出しなければなりません。

設置届に記載する事項(第5条)

  • クレーンの種類、つり上げ荷重
  • 設置する場所
  • クレーンの構造に関する事項(クレーン明細書・組立図等を添付)
  • 設置者の氏名または名称

デリックの設置届(第97条)

つり上げ荷重2t以上のデリックを設置しようとする場合も同様に、工事開始日の30日前までに所轄の労働基準監督署長に設置届を提出します。

変更届(第44条・第45条)

クレーンの構造部分を変更しようとする事業者は、変更工事開始日の30日前までに所轄の労働基準監督署長に変更届を提出しなければなりません。

変更届が必要な変更の例

  • つり上げ荷重の変更
  • 構造部分(ガーダー、ジブ等)の取替え
  • スパン、揚程等の変更

軽微な変更

同等品以上の性能を持つ材料への交換など、軽微な変更については変更届が不要な場合があります。ただし「軽微」の判断には確認が必要です。

移設・解体に関する届出

クレーン等安全規則では、クレーンを解体した場合や使用を廃止した場合について次のように規定しています。

クレーン設置報告(第11条・第12条)

事業者は、クレーンの設置が完了したときは、落成検査申請とともに使用検査を受けます(つり上げ荷重3t以上のクレーン)。落成検査に合格した後、クレーン検査証が交付されます。

廃止後の対応

クレーンを廃止したときは、クレーン検査証を所轄の労働基準監督署長に返還します(第55条)。

届出が必要な機械の対象

機械の種類 届出が必要なつり上げ荷重
クレーン 3t以上
デリック 2t以上
移動式クレーン 3t以上(別途・移動式クレーン安全規則)

届出先・手続きのポイント

  • 届出先:所轄の労働基準監督署長
  • 設置届・変更届の提出期限:工事開始の30日前
  • 免除:3t未満のクレーンは設置届が不要(ただし安全管理は必要)
  • 設置届には構造図面(クレーン明細書・組立図)の添付が必要

試験での出題ポイント

  • 「3t以上のクレーンを設置するときは、工事開始30日前に所轄労働基準監督署長に届け出る」
  • 「2t以上のデリックを設置するときは、工事開始30日前に所轄労働基準監督署長に届け出る」
  • 「届出をせずに設置工事を開始することはできない(30日前が必要)」
  • 根拠条文:クレーン等安全規則第5条・第44条・第97条

廃止・使用休止の手続き詳細

クレーン(つり上げ荷重3t以上)を廃止・長期休止する場合の手続きを整理します。

手続きの種類 対象・条件 提出先 タイミング
廃止届(解体届) つり上げ荷重3t以上のクレーンを廃止・解体する 所轄労働基準監督署長 解体工事開始の30日前まで
使用休止報告 1か月以上使用しない(特定機械等に限る) 所轄労働基準監督署長 使用を休止する前
使用再開検査申請 使用休止後に再使用する場合 登録性能検査機関 使用再開前

届出の「30日前」ルールの整理

設置届・変更届・解体届はすべて「工事開始の30日前まで」という共通ルールです。試験では「何日前か」という数字が問われます。

  • 設置届:設置工事開始の30日前まで(クレーン則第5条)
  • 変更届:変更工事開始の30日前まで(クレーン則第44条)
  • 解体届:解体工事開始の30日前まで(クレーン則第97条)

「14日前」「7日前」という誤りの選択肢が出ることがあります。すべて「30日前」と覚えてください。

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本記事はクレーン等安全規則(厚生労働省)に基づきます。最新の規定は厚生労働省・労働基準監督署の公式サイトでご確認ください。

設置届の提出から使用開始までの流れ

クレーンを新設する場合の手続きを時系列で整理します。

  1. 設置届の提出:工事開始30日前までに所轄労働基準監督署長へ届出(クレーン等安全規則第5条)
  2. 設置工事の実施:届出が受理された後、設置工事を行う
  3. 落成検査の申請と受検:設置完了後、所轄労働基準監督署長に落成検査を申請し検査を受ける(第10条)
  4. クレーン検査証の交付:落成検査に合格後、クレーン検査証が交付される
  5. 使用開始:クレーン検査証を受け取った後に使用開始できる

スタッカー式クレーンの特例

スタッカー式クレーンは、荷をラックに収納する倉庫設備用のクレーンです。通常のクレーンのつり上げ荷重3t以上という基準とは異なり、スタッカー式クレーンはつり上げ荷重1t以上で設置届の対象となります(クレーン等安全規則第5条)。

試験で出題される誤りやすいポイント

問われる内容 正しい答え よくある誤答
設置届の提出期限 工事開始の30日前 14日前・7日前と混同する
設置届の届出先 所轄の労働基準監督署長 都道府県労働局長と混同する
スタッカー式クレーンの対象荷重 1t以上 3t以上と同じと思い込む
設置届が不要なクレーン つり上げ荷重3t未満のクレーン すべてのクレーンに必要と思い込む

使用休止・廃止の手続き

クレーンの使用を一時的に休止する場合や廃止する場合にも、クレーン等安全規則に規定があります。

使用休止(第53条)

事業者がクレーンを使用休止する場合は、クレーン検査証を所轄の労働基準監督署長に提出することができます。休止期間中は性能検査の受検義務が停止します。

使用廃止(第55条)

クレーンを廃止したときは、クレーン検査証を遅滞なく所轄の労働基準監督署長に返還します。

変更届後の確認検査

変更届を提出して変更工事を行った後は、使用を再開する前に変更検査を受けなければなりません(第44条)。変更検査は所轄労働基準監督署長が行います。変更検査合格後にクレーン検査証に変更内容が記録されます。

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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