クレーンの使用休止・廃止の届出手続き|1か月以上使わない場合と廃止後の検査証返還

クレーンを長期間使用しない場合(使用休止)や廃止する場合は、所轄労働基準監督署長への届出が必要です。クレーン等安全規則第14条・第15条に基づく手続きで、届出を怠ると検査証の有効期間管理で問題が生じます。手続きの内容と再使用時の注意点を整理します。

使用休止届とは

クレーンを一定期間使用しない場合、事業者は所轄労働基準監督署長に使用休止届を提出することができます(クレーン等安全規則第14条)。使用休止届を提出すると、休止期間中は検査証の有効期間が停止します。有効期間が残っていても休止期間は進まないため、実質的な使用可能期間が延長されます。

使用休止届の要件

  • 届出先:所轄労働基準監督署長
  • 提出書類:クレーン使用休止報告書
  • クレーン検査証の添付(同時に提出して保管を委ねる)
  • 義務:任意届出(義務ではない)

廃止届とは

クレーンを廃止(解体・スクラップ・廃棄)する場合、事業者は廃止後遅滞なく所轄労働基準監督署長に廃止届を提出しなければなりません(第15条)。

廃止届の要件

  • 届出先:所轄労働基準監督署長
  • 提出書類:クレーン廃止報告書
  • クレーン検査証の添付(返還)
  • 提出時期:廃止後遅滞なく

使用休止から再使用する場合

使用休止中のクレーンを再び使用する場合は、所轄労働基準監督署長に使用再開報告を提出し、検査証の返還を受けます(第14条第3項)。

  • 検査証の有効期間が残っている場合:そのまま使用可能
  • 有効期間が切れていた場合:使用検査を受けて検査証の再交付が必要

休止届を提出していない場合は有効期間が通常どおり進みます。長期休止予定のクレーンは必ず届出を行い、有効期間の消費を防ぐことが重要です。

届出の種類まとめ

届出の種類届出先タイミング根拠条文
設置届所轄労働基準監督署長工事開始30日前まで第6条
使用休止届所轄労働基準監督署長休止しようとするとき(任意)第14条
使用再開報告所轄労働基準監督署長再使用前第14条第3項
廃止届所轄労働基準監督署長廃止後遅滞なく第15条
変更届所轄労働基準監督署長変更工事開始30日前まで第11条

試験での出題ポイント

  • 使用休止届の届出先:所轄労働基準監督署長(第14条)
  • 廃止届の提出時期:廃止後遅滞なく(第15条)
  • 「使用休止届を提出すると検査証の有効期間が停止する」→ ○
  • 「廃止届は廃止予定の1か月前に提出する」→ 誤り
  • 「使用休止届は義務である」→ 誤り(任意)

まとめ

クレーンの使用休止届は任意ですが、提出することで検査証の有効期間を停止できるため、長期休止には届出が有効です。廃止届は廃止後遅滞なく提出する義務があります。移設の場合は廃止でなく設置届・落成検査が必要な点も押さえておきましょう。

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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