クレーンの合図・手合図の種類と意味|合図者の指名義務とクレーン則第25条の2

クレーン作業では、運転士と玉掛け者・合図者が確実に意思疎通するために合図が定められています。クレーン等安全規則第25条に基づき、事業者は作業方法・合図の種類を定め、関係労働者に周知する義務があります。手合図・旗合図・笛の種類と動作ごとの合図方法を整理します。

合図の法的根拠

クレーン等安全規則第25条では、事業者はクレーンを使用して作業を行う場合、あらかじめ合図を定め、当該合図を行う者を指名しなければならないとされています。合図者は1人が原則で、複数の合図者がいると運転士が混乱して事故につながります。また第27条により、合図者の指名は事業者が行います。

合図の種類

  • 手合図:手や腕の動作で指示する。最も一般的。
  • 旗合図:旗を使って指示する。遠距離や視認性が必要な場合。
  • 笛(音声合図):笛の吹き方で指示する。補助的に使用。

JIS B 8821(クレーンの合図方法)では標準的な合図方法が定められており、国内のクレーン作業では広く採用されています。

動作別の手合図一覧

動作手合図の方法
巻き上げ(フックを上げる)片腕を水平に伸ばし、手首を中心に水平円を描く
巻き下げ(フックを下げる)片腕を下に向け、手首を中心に水平円を描く
走行(前進)腕を前方水平に伸ばし、前後に振る
走行(後退)腕を後方水平に伸ばし、前後に振る
横行(右に移動)右腕を水平に伸ばし、右方向を指す
横行(左に移動)左腕を水平に伸ばし、左方向を指す
停止片腕を高く上げ、手を開いて静止させる
緊急停止両腕を高く上げ、大きく振る(または笛の連続吹き)
微速(少しだけ動かす)通常の合図を小さく行う

笛による合図

合図笛の吹き方の例
巻き上げ短音2回
巻き下げ短音3回
停止長音1回
緊急停止連続短音(乱打)

合図者の義務と安全ポイント

合図者を指名するのは事業者の義務です(第27条)。複数の合図者が同時に異なる合図を出すと運転士が判断できず重大事故につながるため、原則として合図者は1人に限定します。使用する合図の種類は作業開始前に合図者・運転士・玉掛け者が確認し合います。事業所ごとにJIS B 8821をベースにした独自の合図規程を定めている場合があり、異なる現場に応援に行く場合は事前確認が必要です。

試験での出題ポイント

  • 合図者を指名するのは事業者(第27条)
  • 合図者は原則1人
  • 合図の種類を定め周知する義務:事業者(第25条)
  • 「合図者は玉掛け者とは別に必ず設ける」→ 誤り(兼任可)
  • JIS B 8821が手合図の標準規格

まとめ

クレーン作業の合図は、事業者が種類を定めて合図者(1人・事業者が指名)を指名します。手合図・旗合図・笛の3種類があり、巻上げ・巻下げ・走行・横行・停止・緊急停止の各動作に対応した合図を覚えることが試験対策の基本です。

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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