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クレーンの「ジブ」は、荷物を吊り上げるために斜め上に伸びた腕(作業腕)です。ジブクレーンにはラフィングジブ・水平ジブ・タワークレーン型など複数の種類があり、形状・可動方式・用途がそれぞれ異なります。クレーン知識科目の頻出テーマです。
出典:安全衛生技術試験協会 クレーン・デリック運転士(限定なし)受験案内
ジブとは
ジブとは、クレーンのマスト(支柱)またはタワーから斜め上方向に伸びる腕(ブーム)のことです。ジブの先端にシーブを設け、ワイヤロープを介して荷物を吊り上げます。
ジブクレーンの種類
ラフィングジブ(起伏ジブ)
ジブ自体が上下に傾く(起伏する)方式です。ジブの傾きを変えることで荷物の水平方向の位置を調整します。
- ジブを起こす(立てる)と荷物が内側(本体側)に移動
- ジブを倒すと荷物が外側(先端側)に移動
- タワークレーンやジブクレーンで使用される
水平ジブ(水平腕)
ジブ自体は水平に固定されており、ジブ上をトロリー(吊り荷走行装置)が横行することで荷物の水平位置を調整します。
- トロリーがジブ上を走行する
- 水平移動が精確・スムーズ
- タワークレーン(フラットトップ型)などに使用
タワークレーンの構造
タワークレーンは、高層ビルや橋梁などの大型建設現場で使われる高所用クレーンです。垂直なタワーの上部にジブが取り付けられた構造です。
タワークレーンの特徴
- 高所での作業に適している
- 旋回(水平方向の回転)で広い範囲をカバーできる
- ジブの種類によりラフィング型・水平ジブ型がある
ジブの長さと定格荷重の関係
ジブクレーンでは、ジブが長くなる(またはジブ先端の距離が長くなる)ほど定格荷重が小さくなります。これは、モーメント(力×距離)によって転倒のリスクが増加するためです。
この荷重とジブ長さの関係を示した表を「定格荷重表」といい、クレーンの操作時に必ず確認します。
試験での出題ポイント
- 「ラフィングジブはジブ自体が起伏(上下に傾く)して荷物の水平位置を調整する」
- 「水平ジブはジブ上をトロリーが横行して荷物の水平位置を調整する」
- 「ジブが長くなるほど(作業半径が大きいほど)定格荷重は小さくなる」
- 「定格荷重表で作業半径ごとの最大荷重を確認する」
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本記事は安全衛生技術試験協会の受験案内および出題基準に基づきます。受験前に安全衛生技術試験協会の公式サイト(https://www.exam.or.jp/)でご確認ください。
定格荷重表の読み方
ジブクレーンには「定格荷重表」(または「能力表」)が設けられており、作業半径(ジブの先端から真下の距離)ごとに吊り上げ可能な最大荷重が記載されています。
| 作業半径(m) | 定格荷重(t)の例 | ジブ角度(目安) |
|---|---|---|
| 5m | 10t | 大きい(ジブを立てた状態) |
| 10m | 5t | 中程度 |
| 15m | 2t | 小さい(ジブを倒した状態) |
作業半径が大きくなる(ジブが長くなる・倒れる)ほど定格荷重は小さくなります。実際の操作では、吊り上げる荷物の重量と作業半径を確認し、定格荷重を超えないようにします。
ジブクレーンに関する法令の規定
クレーン等安全規則では、ジブクレーンの設置・使用に関して次の規定があります。
つり上げ荷重3t以上のジブクレーン
- 設置届:設置工事開始30日前までに所轄労働基準監督署長に届け出る(クレーン等安全規則第5条)
- 落成検査:設置工事完了後、所轄労働基準監督署長の検査を受ける
- クレーン検査証:落成検査合格後に交付。有効期間は2年(定期性能検査を受けることで更新)
過負荷防止装置の設置義務
つり上げ荷重3t以上の移動式クレーン(ジブクレーン)には過負荷防止装置の設置が義務付けられています(クレーン等安全規則第24条準用)。
ジブの起伏(ラフィング)と安全
ラフィングジブ型クレーンでジブを起こしたり倒したりする「起伏動作」には安全上の注意が必要です。
- 強風時の作業中止:瞬間風速が毎秒10mを超えるおそれがある場合は作業を中止(クレーン等安全規則第31条)
- ジブの起伏時の荷重変化:ジブを倒すと作業半径が増え、定格荷重が下がる。現在の荷重が新しい定格荷重を超えないか確認する
- 過巻防止装置:ジブが過度に立ち上がらないよう過起伏防止装置が設けられているクレーンもある
タワークレーンの設置と管理
タワークレーンは高層ビルや橋梁工事などで使用される大型クレーンであり、次のような管理規定があります。
クライミング(自力上昇)の安全確認
クライミング式タワークレーンは、建物の躯体に固定したガイドレールに沿って自力で上昇します。クライミング作業中は建物の構造部材に大きな荷重がかかるため、事前に構造計算と作業計画の確認が必要です。
タワークレーンの解体
工事完了後のタワークレーンの解体は、設置工事と同様に危険な作業です。解体届の提出(つり上げ荷重3t以上)と安全な解体手順の確保が求められます。
試験の出題パターン
「ジブの長さと定格荷重の関係」
「ジブの長さが長くなるほど定格荷重は大きくなる」→ 誤り(小さくなる)
「作業半径が大きいほど定格荷重は小さくなる」→ 正しい
「ラフィングジブと水平ジブの違い」
ラフィングジブはジブ自体が起伏する・水平ジブはトロリーが横行する、という違いを正確に答えられるようにします。
ジブ関連の試験Q&A
Q:ラフィングジブと水平ジブの根本的な違いは?
A:ラフィングジブはジブ自体が起伏して水平位置を調整する。水平ジブはジブ上をトロリーが横行して水平位置を調整する
Q:作業半径が大きくなると定格荷重はどうなるか?
A:小さくなる(ジブが長くなるほど転倒モーメントが増加するため)
Q:定格荷重表は何を示したものか?
A:作業半径(ジブ先端から真下の距離)ごとの吊り上げ可能な最大荷重を示した表
ジブに関する重要な数値
| 規定・基準 | 値・内容 |
|---|---|
| 強風時の作業中止基準 | 瞬間風速10m/sを超えるおそれがあるとき |
| 設置届の提出時期(3t以上) | 設置工事開始30日前 |
| クレーン検査証の有効期間 | 2年(定期性能検査受検で更新) |

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