問題をすぐに解いてみたい方は、こちらのアプリをご利用ください。
▶ 二級ボイラー技士 過去問アプリ(無料)
現代のボイラーには「自動燃焼制御」と「自動給水制御」が備わっており、蒸気圧力と水位を自動的に一定範囲内に保ちます。二級ボイラー技士試験の「ボイラーの取扱い」「関係法令」双方で自動制御と安全装置の連動・動作条件が問われます。ここでは圧力制御・水位制御それぞれの仕組みを整理します。
自動制御の全体像
ボイラーの自動制御は大きく2系統に分かれます。
| 制御系統 | 制御対象 | 主な検出器・調節器 |
|---|---|---|
| 自動燃焼制御(ACC) | 蒸気圧力を一定範囲に保つ | 蒸気圧力計・圧力調節器・燃焼制御弁・バーナー制御装置 |
| 自動給水制御(AWC) | 缶水の水位を一定範囲に保つ | 水位検出器(フロート・電極・差圧)・水位調節器・給水調節弁・給水ポンプ |
自動燃焼制御(ACC)の仕組み
自動燃焼制御は蒸気圧力を検出して燃焼量を増減させる制御ループです。
- 圧力センサー:ブルドン管圧力計や電気式圧力変換器(ダイアフラム型)で蒸気圧力を連続測定する
- 圧力調節器:目標圧力(設定値)と実際の圧力を比較して偏差を計算する
- 燃焼量の調整:偏差に応じてバーナーの燃料供給量・空気量を増減させる
蒸気圧力が高くなりすぎると燃焼を下げ、低くなると燃焼を上げます。これにより蒸気圧力は設定値付近に安定します。
自動給水制御(AWC)の仕組み
自動給水制御は水位を検出して給水量を制御する制御ループです。水位の検出方式にはいくつか種類があります。
| 検出方式 | 原理 | 特徴 |
|---|---|---|
| フロート式 | 浮子が水位とともに上下し、連結したリンクで弁を開閉 | シンプルで信頼性が高い。大きな水位変動に弱い |
| 電極式(電気伝導式) | 水位が電極に触れるかどうかで通電・非通電を検出 | 多点の水位(高・低・超低等)を個別に検出できる。水の電気伝導率に依存する |
| 差圧式 | ボイラー缶内の水頭圧と基準圧の差から水位を計算 | 精度が高い。大型ボイラーに適する |
1要素制御・2要素制御・3要素制御
自動給水制御の精度は「要素数」によって異なります。
| 制御方式 | 検出要素 | 概要 |
|---|---|---|
| 1要素制御 | 水位のみ | 水位だけを見て給水量を調整。シンプル。負荷変動への追従が遅い |
| 2要素制御 | 水位+蒸気流量 | 水位に加えて蒸気流量(負荷)も測定し、先行制御する。1要素よりスウェル・シュリンクへの対応が速い |
| 3要素制御 | 水位+蒸気流量+給水流量 | 3要素をフィードバック・フィードフォワードで組み合わせた最も精密な制御。大型・高圧ボイラーに使用 |
安全装置との連動
自動制御系は安全装置とインターロック(連動)しており、異常時にバーナーや給水ポンプを自動停止させます。
| 異常 | 安全装置の動作 |
|---|---|
| 蒸気圧力が設定値超過 | 高圧力遮断スイッチ(圧力スイッチ)が作動 → バーナー停止 |
| 水位が安全低水面以下 | 低水位遮断装置が作動 → バーナー停止(燃料遮断) |
| 給水ポンプ停止 | ポンプ運転信号なし → バーナー停止(貫流ボイラーの場合) |
| 炎の消滅(燃焼失敗) | フレームアイ(炎検出器)が炎なしを検出 → 燃料遮断弁を閉鎖 |
フレームアイ(炎検出器)の種類
ガスバーナー・油バーナーでは点火失敗・途中消炎を検出するためにフレームアイが使われます。
- 紫外線式(UVセンサー):炎が放つ紫外線を検出する。炎がないときに紫外線がないため確実に検出できる。ガスバーナーに適する
- 光電管(赤外線・可視光)式:炎の発する光(赤外線・可視光)を光電管で検出する。炎色に対応した感度設定が必要
フレームアイが炎なしを検出すると、燃料遮断弁(ソレノイドバルブ)が即座に閉じられ、燃料供給が止まります。
プレパージ(前掃気)とポストパージ(後掃気)
ガスバーナーは点火前に炉内の未燃ガスを排出するプレパージ(前掃気)が義務付けられています。
- プレパージ:点火前に炉内・煙道を新鮮な空気で置換する。未燃ガスが残っていると点火時に爆発の危険がある
- プレパージ時間:炉内容積の数倍以上の空気量で置換することが推奨される
- ポストパージ:バーナー停止後に炉内の未燃ガス・高温ガスを排出するための後掃気
試験で間違えやすいポイント
- 「自動燃焼制御は水位を一定に保つための制御」は誤り。圧力を一定に保つための制御。水位は自動給水制御が担当
- 「フレームアイは炎の温度を測定する装置」は誤り。炎の有無(紫外線・光)を検出する装置
- 「プレパージはバーナー停止後に行う」は誤り。プレパージは点火前の前掃気。停止後はポストパージ
- 「1要素制御は水位・蒸気流量・給水流量の3つを検出する」は誤り。1要素は水位のみを検出する最もシンプルな制御
この記事のまとめ
- 自動燃焼制御(ACC)=蒸気圧力を検出してバーナーを制御。自動給水制御(AWC)=水位を検出して給水量を制御
- 給水制御は1要素(水位のみ)→2要素(水位+蒸気流量)→3要素(+給水流量)の順に精度が上がる
- フレームアイは炎の有無を検出。消炎時は燃料遮断弁を即時閉鎖する安全装置と連動
- プレパージ(前掃気)は点火前の未燃ガス除去。爆発防止のための重要な手順
出典:ボイラー及び圧力容器安全規則(e-Gov法令検索)・ボイラー構造規格(昭和47年労働省告示第33号)・安全衛生技術試験協会 公表試験問題
作成:fufumumu_design|更新:2026年11月
問題をすぐに解いてみたい方は、こちらのアプリをご利用ください。
▶ 二級ボイラー技士 過去問アプリ(無料)

コメント