就労継続支援B型の虐待防止研修は、年1回以上が義務
就労継続支援B型の虐待防止研修は、年1回以上の実施が義務づけられている。研修とあわせて、虐待防止委員会の設置も義務となっている。
根拠は国の解釈通知(障発第1206001号・最終改正 令和7年3月31日)「第三の3の(22)」(通所型サービスへの共通規定を就労継続支援B型に準用)。障害者虐待防止法(平成23年法律第79号)とあわせて確認する必要がある。
義務づけられている内容
| 義務の内容 | 頻度・補足 |
|---|---|
| 虐待防止委員会の設置・開催 | 定期的に(概ね年1回以上) |
| 研修の実施 | 年1回以上・新規採用時にも実施 |
| 虐待防止責任者の選任 | 専任でなく兼務可 |
| 相談・報告体制の整備 | 通報窓口・連絡先の明示 |
出典:厚生労働省「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準について」(障発第1206001号・最終改正 令和7年3月31日)第三の3の(22)/障害者虐待防止法
就労継続支援B型で特有の虐待リスク
就労継続支援B型は、雇用契約を結ばない形で利用者が生産活動を行うサービスだ。工賃・作業指示・生産ノルマをめぐるトラブルが虐待に発展するリスクが、他のサービスより高い傾向がある。
工賃をめぐる経済的虐待
利用者の生産活動の対価として支払う工賃は、利用者の財産に当たる。工賃の計算を誤って過少に支払う・控除を理由なく行う・工賃の支払いを遅らせるなどは、経済的虐待にあたる可能性がある。工賃台帳と実際の支払い記録が一致しているかどうかを定期的に確認する体制を整えることが重要だ。
生産活動中の叱責・心理的虐待
生産活動中の指導・注意が、過度な叱責・脅迫的な言葉・侮辱的な言動になる場合は心理的虐待に当たる。特に長期利用者の支援では、慣れから不適切な言動が習慣化するリスクがある。研修では、通所型サービスならではの「日常の場面」で起こりやすい虐待の具体例を取り上げることが有効だ。
長期利用者への「慣れ」からくる支援の形骸化
就労継続支援B型は、長期にわたって利用する方が多い。支援計画の形式的な更新・個別支援の省略・定型化した指導が続くと、利用者の意思や希望が無視される放棄放任型の虐待に繋がることがある。研修では「意思決定支援」の観点からも虐待の予防を確認する。
研修で確認する内容
年1回以上の研修で確認すべき主な内容は次のとおりだ。
- 虐待の定義と5種類(工賃・作業指示に関係する事例を含めて)
- 工賃の適正な支払いと経済的虐待の境界線
- 生産活動中に起きやすい叱責・心理的虐待の具体例
- 虐待を発見・疑った場合の通報先(市町村・都道府県)と手順
- 虐待防止責任者・委員会の役割と記録の保存方法
委員会と研修の記録の整備
虐待防止委員会の開催記録・研修の実施記録は2年間保存する。運営指導では次の書類が確認される。
- 虐待防止委員会の開催記録(日時・参加者・議題・決定事項)
- 研修の実施記録(日時・参加者・内容)
- 虐待防止責任者の選任記録
ツールで記録様式と研修資料をまとめて用意する
就労継続支援B型の法定研修の資料・確認テスト・委員会の議題案・訓練の記録様式がまとまったキットを用意している。

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