就労継続支援B型のBCP訓練、受注先への影響と工賃への対応が特有の視点。

就労継続支援B型

就労継続支援B型のBCP訓練は、年1回以上が義務

就労継続支援B型の業務継続計画(BCP)に関する研修・訓練は、それぞれ年1回以上の実施が義務づけられている。

根拠は国の解釈通知(障発第1206001号・最終改正 令和7年3月31日)。BCPの研修・訓練の回数は同通知「第三の3の(23)」(p.57〜59)に定められている。

BCPとして義務づけられている内容

義務の内容 頻度・補足
業務継続計画の策定 感染症・非常災害を想定した計画を作成
研修の実施 年1回以上・新規採用時には別途行うことが望ましい
訓練の実施 年1回以上
計画の定期的な見直し 訓練等の結果を踏まえて見直す

出典:厚生労働省「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準について」(障発第1206001号・最終改正 令和7年3月31日)第三の3の(23) p.57〜59

B型事業所のBCP訓練で考えること

就労継続支援B型は、利用者が生産活動(作業)を行う場であり、受注先(企業・個人)との契約が存在する場合が多い。地震・洪水・感染症拡大などが発生したとき、「利用者への支援をどう継続するか」に加えて「生産活動・受注への影響をどう最小化するか」の視点も持っておく必要がある。

利用者への連絡と工賃への影響

事業所が休業または縮小する場合、利用者への速やかな連絡が必要だ。就労継続支援B型では利用者が工賃を受け取っているため、活動の停止が工賃の減少に直結する。利用者・家族への連絡方法(電話・メール・家族への一斉連絡)と、工賃の扱いをBCPに明記しておくことが重要だ。

在宅での活動継続

施設が利用できない状況でも、一部の利用者が在宅で軽作業を続けられる体制を整えている事業所がある。在宅での作業提供が可能かどうか、可能な場合の手順・支援方法をBCPに盛り込んでおくことで、利用者の生活リズムや収入の維持につながる。

受注先への対応

受注先の企業・個人との契約において、災害・感染症発生時の納期変更・作業休止の連絡タイミングを事前に確認しておくことが、関係維持に有効だ。BCPに「受注先への連絡先と対応手順」を盛り込んでおく。

訓練の進め方

BCPの訓練は、実際の発生を想定したシミュレーションが基本となる。

  • 想定①「大雨で事業所周辺が浸水、今日・明日は通所不可」の連絡対応を実際にシミュレーションする
  • 想定②「職員2名が感染症で欠勤、利用者5名の作業を縮小しながら継続」という条件でどう動くかを確認する
  • 訓練後に「うまくいかなかった点」「事前に決めておくべきだった点」を記録し、BCPを見直す

研修で扱う内容の例

  • BCPとは何か・なぜ必要か(利用者の生活・工賃・受注先への影響)
  • 当事業所のBCPの内容確認(非常時の連絡先・役割分担・優先業務)
  • 感染症発生時と自然災害時の対応の違い
  • 訓練の振り返りと改善点の共有

記録の整備と保存期間

研修・訓練の記録は2年間保存する。運営指導では次の書類が確認される。

  • BCPの文書(策定日・最終見直し日が確認できるもの)
  • 研修の実施記録(日時・参加者・内容・担当者のサイン)
  • 訓練の実施記録(日時・参加者・想定シナリオ・振り返り結果)

ツールで記録様式と研修資料をまとめて用意する

就労継続支援B型のBCP研修・訓練の資料と記録様式がまとまったキットを用意している。

→ 就労継続支援B型 法定研修・訓練キット

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業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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