就労継続支援B型の運営指導、工賃の適正性と研修の記録で確認されること。

就労継続支援B型

就労継続支援B型の運営指導で確認される研修記録は4種類

就労継続支援B型の運営指導では、法定研修・訓練・委員会の記録が確認される。義務のある4テーマ(虐待防止・身体拘束の適正化・感染症・BCP)の記録が対象になる。

根拠は国の解釈通知(障発第1206001号・最終改正 令和7年3月31日)。記録の保存義務は指定障害福祉サービスの事業の運営に関する基準に定められており、保存期間は2年間。

確認される研修の記録一覧

テーマ 確認される記録 最低頻度
虐待防止 委員会の議事録・研修の実施記録・担当者設置の書類・指針文書 委員会・研修とも年1回以上
身体拘束の適正化 委員会の議事録・研修の実施記録・指針文書 委員会・研修とも年1回以上
感染症・食中毒 委員会の記録・研修の実施記録・訓練の実施記録・指針文書 委員会おおむね3か月に1回以上・研修と訓練は年2回以上
BCP(業務継続計画) 研修の実施記録・訓練の実施記録・BCPの文書 研修・訓練とも年1回以上

身体拘束の適正化の減算

就労継続支援B型の身体拘束廃止未実施減算は、委員会の定期開催・指針の整備・研修の定期実施の3点が未整備の場合に所定単位数の1%が減算される(通所系サービスの減算率)。

入所系サービスの10%減算と比べると小さい数字に見えるが、全利用者・全日程に適用されるため累積の影響は大きい。委員会・研修の記録整備を怠ると、運営指導での指摘時点から減算の対象となることがある。

B型特有の確認事項

就労継続支援B型の運営指導では、研修記録以外にも次のような確認が行われることがある。

工賃の適正性

前年度の平均工賃月額は報酬区分に直接影響する。運営指導では、工賃の算出根拠(作業報告書・受注記録・支払い記録)が適切に整備されているかが確認される。

個別支援計画の作成・更新

利用者ごとの個別支援計画が作成されているか、定期的にモニタリング・更新されているかが確認される。

生産活動記録

作業の実施状況・受注・納品の記録が整備されているかが確認される。生産活動の記録は工賃算出の根拠にもなるため、欠かせない書類だ。

よくある指摘事例

指摘の内容 対応
身体拘束の研修記録がない 年1回以上の実施が必要。委員会と研修は別物として記録を分ける
感染症委員会の開催が年1〜2回しかない おおむね3か月に1回以上(年4回以上)が必要
感染症の研修と訓練の記録が年1回ずつしかない どちらも年2回以上が必要
BCPは作成しているが研修・訓練の記録がない BCP文書の策定だけでなく、研修と訓練の実施・記録も必要
研修の記録に参加者の氏名が記載されていない 参加者全員の氏名を記載する(全員が受講したことの証明になる)

記録の準備チェックリスト

運営指導の前に以下を確認する。

  • 虐待防止委員会:年1回以上開催されているか・議事録が2年分保存されているか・全職員への周知記録はあるか
  • 虐待防止研修:年1回以上実施されているか・参加者・内容・担当者が記録されているか
  • 身体拘束委員会:年1回以上開催されているか・議事録が2年分保存されているか
  • 身体拘束研修:年1回以上実施されているか
  • 感染症委員会:おおむね3か月に1回以上(年4回以上)開催されているか
  • 感染症研修:年2回以上実施されているか
  • 感染症訓練:年2回以上実施されているか
  • BCP研修:年1回以上実施されているか
  • BCP訓練:年1回以上実施されているか
  • 指針文書(虐待防止・身体拘束・感染症)・BCP文書が作成されているか
  • 記録の保存期間(2年間)を満たしているか

ツールで記録様式と研修資料をまとめて用意する

就労継続支援B型の法定研修・訓練の記録様式と研修資料がまとまったキットを用意している。委員会の議題と議事録テンプレートも含まれている。

→ 就労継続支援B型 法定研修・訓練キット

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この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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