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ブローダウン(ブロー)はボイラーの缶水品質を維持するための重要な操作です。一級ボイラー技士試験では、ブローの種類・目的・手順・注意事項が出題されます。
ブローダウンの目的
ボイラーを連続運転すると、給水中の溶解固形分が蒸発によって缶水中に濃縮されます。この濃縮を防ぎ缶水品質を維持するために、缶水の一部を排出する操作をブロー(ブローダウン)といいます。
主な目的:
- 缶水の全溶解固形分(TDS)・塩化物イオン・シリカ等の濃度を管理値以下に保つ
- スラッジ(固形分の堆積物)を排出して水管・ドラム・ヘッダー底部を清浄に保つ
- 缶水のpH・硬度を適正範囲に維持する
ブローの種類
1. 間欠ブロー(底部ブロー・スラッジブロー)
ボイラー底部(下胴・下部ヘッダー)のブロー弁を短時間開放して、底部に沈殿したスラッジを排出します。
- 実施タイミング:低負荷時・起動前・操業終了前が推奨(高負荷時は缶水水位変動が大きく危険)
- 実施回数:1日1〜2回が一般的。缶水水質・スラッジ量に応じて調整
- 実施手順:①ブロー弁(二次側)をゆっくり開く → ②指定時間ブロー → ③ブロー弁をゆっくり閉じる → ④水位確認
- ブロー前後に水面計で水位を確認し、水位異常がないことを確認する
2. 連続ブロー(表面ブロー・スカムブロー)
缶水水面付近から少量を連続的に排出して、溶解固形分の濃縮を防ぎます。
- 缶水表面に浮くスカム(油分・浮遊固形物)も排出できる
- 連続ブローの排水量は「濃縮倍数」に基づいて計算する
- 高圧ボイラーでは連続ブローが主流(TDS管理の精度が高い)
濃縮倍数とブロー量の計算
缶水の濃縮度は「濃縮倍数(N)」で表します。
濃縮倍数 N = 缶水TDS ÷ 給水TDS
ブロー率(%)= 1 ÷ (N – 1) × 100
例:給水TDS = 50 mg/L、缶水TDS管理値 = 500 mg/L の場合
N = 500 ÷ 50 = 10
ブロー率 = 1 ÷ (10 – 1) × 100 ≒ 11.1%
つまり発生蒸気量の約11%を連続ブローで排出する必要があります。
ブロー弁の構造と操作
ボイラーのブロー弁(排水弁)は高温・高圧の缶水を扱うため、特別な構造が求められます。
- ブロー弁は通常2個直列に設置される(一次弁・二次弁)
- 操作順序:開くとき→一次弁から開ける、閉じるとき→二次弁から閉める(逆だと弁座に負荷がかかり損傷の原因)
- ブロー弁は急開せずゆっくり操作して、急激な圧力変動・ウォーターハンマーを防ぐ
ブローダウン排水の処理
高温・高圧の缶水をそのまま排出するとフラッシュ蒸発(急激な蒸発)が起きて危険です。またpH・TDSが高いため、そのまま下水道へ放流すると法令違反になる場合があります。
- フラッシュタンク:高圧ブロー水をタンクで減圧し、フラッシュ蒸気(二次蒸気)と排水に分離する
- 冷却後排水:水温を排水基準(通常45℃以下等)に冷却してから放流する
- 熱回収:フラッシュ蒸気を給水予熱や脱気器に利用して熱効率を向上させる
ブロー操作の注意点
- ブロー中は水位を必ず監視し、安全低水面以下に下がらないようにする
- ブロー操作前後に水面計で水位確認を行う
- 他の作業者にブロー操作を知らせる(多人数で操作する場合の連絡徹底)
- ブロー量・時間を記録する
試験ポイント
- 間欠ブロー(底部ブロー):スラッジ排出、低負荷時実施
- 連続ブロー(表面ブロー):溶解固形分濃度管理
- ブロー弁は一次弁から開け、二次弁から閉める
- 濃縮倍数=缶水TDS÷給水TDS
出典:ボイラー及び圧力容器安全規則・安全衛生技術試験協会 公表試験問題
作成:fufumumu_design|更新:2026年11月
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