就労継続支援B型の意思決定支援研修、作業の選択と工賃目標を本人と決める。

就労継続支援B型の意思決定支援研修、作業の選択と工賃目標を本人と決める。 福祉事業の開業と運営





就労継続支援B型の意思決定支援研修、作業の選択と工賃目標を本人と決める。


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就労継続支援B型では、利用者の意思や選好を尊重したサービス提供が求められています(指定基準第57条第2項。第202条で準用)。B型固有の場面は、「どの作業に就くか」「工賃の目標をどう設定するか」「将来の就労に向けてどう進むか」という、働くことに関わる選択が日常的にある点です。

この記事では、就労継続支援B型の意思決定支援研修の根拠と、作業・工賃に関わるB型固有の場面での実践を整理します。

意思決定支援の根拠

指定基準第57条第2項(就労継続支援B型のサービス提供の原則)は、事業者に次を求めています。

「就労継続支援B型は、通常の事業所に雇用されることが困難であって、雇用契約に基づく就労が困難である者に対して、就労の機会の提供及び生産活動の機会の提供その他の就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練その他の必要な支援を行うものとする。」

加えて、厚生労働省「障害福祉サービス等の提供に係る意思決定支援ガイドライン」(平成29年3月)では、「本人の意思を尊重して支援を行うこと」が支援者に求められる基本姿勢として示されています。

意思決定支援の3つのステップ

意思決定支援ガイドラインでは、支援の基本ステップを次のように整理しています。

ステップ 内容 B型での具体例
①本人の意思・選好の確認 本人がどうしたいか、何が好きかを丁寧に確認する 「どの作業が楽しいか」「何が苦手か」を個別面談で聞く
②情報提供と理解の確認 選択肢とそれぞれの結果を分かりやすく伝え、理解しているか確認する 「この作業をすると工賃がいくら増えるか」を写真・図で説明する
③本人が選択する 最終的な決定は本人が行う。代弁者(家族・相談支援専門員)の意見は参考にとどめる 「どちらの作業にするか」を本人に選んでもらう。記録に残す

意思決定支援で重要なのは、「本人が理解できる形で情報を提供した上で、本人に選んでもらう」というプロセスを守ることです。家族や支援者が先に答えを決めて誘導することは、意思決定支援とは言えません。

B型固有の意思決定の場面

作業内容の選択

B型では複数の作業種目がある場合に、どの作業を行うかを利用者と相談して決める機会があります。「希望する作業に就けているか」は、個別支援計画の評価項目の一つとして運営指導で確認されることがあります。

本人が希望する作業に就けない場合(作業量の都合・スキルの問題等)は、その理由と今後の見通しを本人に分かりやすく説明し、記録に残すことが重要です。

工賃の目標設定

B型では、工賃向上支援計画(工賃向上計画)に基づいて工賃向上の取り組みが求められています。利用者個人の工賃目標(「今月はいくら稼ぎたい」「3か月後にはこの金額を目指す」)を、本人と話し合って設定することが意思決定支援の実践例です。

工賃目標の設定に本人が関与しているかどうかは、個別支援計画の作成プロセスとして記録に残します。

利用継続・退所の意思決定

「一般就労に移行するかどうか」「B型の利用を続けるかどうか」は、利用者にとって重大な選択です。相談支援専門員・家族・ハローワーク等の関係機関が関わる場面でも、最終的な決定者は本人であることを確認します。

利用者が「辞めたくない」「続けたい」という意思を示している場合は、その意思を記録に残した上で、相談支援専門員等と連携して本人の意思に沿った支援につなぎます。

意思が確認しにくい場合の対応

言語でのコミュニケーションが難しい利用者の場合、表情・行動・身体の反応から「好み」「不快感」を読み取る観察が重要になります。支援ガイドラインでは「推定意思」という考え方が示されており、本人の過去の行動・経験・価値観などから意思を推定して支援する方法が説明されています。

複数の職員で観察した結果を共有してケア会議で確認するプロセスが、意思決定支援の記録として機能します。

まとめ

就労継続支援B型の意思決定支援研修では、指定基準第57条第2項と意思決定支援ガイドラインの3ステップを確認するとともに、作業選択・工賃目標・利用継続のようなB型固有の場面でどう本人の意思を尊重するかを実践的に整理します。「本人に分かる形で情報を提供し、本人に選んでもらい、そのプロセスを記録する」という軸を研修で繰り返し確認することが、支援の質の向上につながります。

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出典:指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第171号)第57条第2項(第202条で準用)・厚生労働省「障害福祉サービス等の提供に係る意思決定支援ガイドライン」(平成29年3月)。研修の実施頻度・記録様式は指定権者の案内を確認してください。


この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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