すぐにご利用されたい方は、こちらからどうぞ。
▶ 福祉事業所の経営診断ツール(無料で試せます)
障害福祉サービスの費用の中で、外注費・委託費(給食・送迎・業務委託等)の割合はサービスによって大きく異なります。厚生労働省「令和7年障害福祁サービス等経営概況調査結果」(令和6年度決算)のデータをもとに、7サービスの外注費・委託費比率を比較します。
外注費・委託費比率(7サービス比較)
| サービス | 外注費・委託費(千円) | 収入比率 |
|---|---|---|
| 生活介護 | 2,585千円 | 3.3% |
| 就労移行支援 | 912千円 | 3.2% |
| 児発 | 629千円 | 2.8% |
| 短期入所 | 309千円 | 3.5%(収入が小さいため高率) |
| GH日中型 | 1,047千円 | 1.8% |
| GH包括型 | 742千円 | 1.9% |
| 放デイ | 290千円 | 0.9% |
収入比率で見ると短期入所(3.5%)・生活介護(3.3%)・就労移行支援(3.2%)が高く、放デイ(0.9%)が最も低い水準です。短期入所は収入規模が小さいため比率が高く見えますが、絶対額は309千円と小さい点に注意が必要です。
生活介護の外注費3.3%(2,585千円)が高い理由
生活介護は年収7,939万円という大規模事業のため、外注費の絶対額(2,585千円=約259万円)は7サービス中で最大です。生活介護で外注費が多い主な理由は次のとおりです。
給食・食事の外部委託:生活介護は通所型の終日支援で、昼食を提供する事業所が多い。給食の調理を外部業者に委託する場合、委託費(食材費除く)が外注費として計上されます。定員28人(平均)の規模では、給食委託費が年間100〜200万円程度になることがあります。
専門的な支援のための業務委託:理学療法士・作業療法士・言語聴覚士等を常勤ではなく業務委託(外部契約)で配置している事業所があります。この委託費が外注費に含まれます。加算算定要件を満たしつつ人件費を抑えるための手法として活用されます。
入浴支援等の外部委託:重度障害者の入浴支援を外部の福祉用具会社や福祉サービス会社に委託するケースがあります。
就労移行支援の外注費3.2%(912千円)が高い理由
就労移行支援の外注費912千円(3.2%)は、年収2,878万円の事業所での負担としては比較的高い水準です。就労移行支援で外注費が多い主な理由は次のとおりです。
就労移行支援プログラムの外部委託:ビジネスマナー研修・パソコン研修・コミュニケーション訓練等を専門業者に委託するケースがあります。プログラムの質を担保しながら自事業所職員の負担を下げる方法ですが、委託費が外注費に計上されます。
精神科・心療内科との連携費用:精神障害者への専門的な支援のため、精神保健福祉士・臨床心理士を業務委託で関与させている事業所があります。これも外注費に含まれます。
放デイの外注費0.9%(290千円)が低い理由
放デイの外注費・委託費率0.9%(290千円)は7サービス中最も低い水準です。放デイは放課後・土日祝の短時間支援が中心で、給食・食事の提供が少なく(おやつ程度)、外部委託するプログラムの費用も小さい傾向があります。
また、放デイは事業所スタッフ自身が支援プログラムを作成・実施するケースが多く、外部業者への委託が少ない。この低い外注費率が放デイの収支差率(9.1%)が高い理由のひとつです。
サービス別の外注費率の全国平均と自事業所の比較
自事業所の外注費率を計算するには次の式を使います。
外注費率 = 年間外注費・委託費 ÷ 年間収入 × 100
全国平均の目安(令和6年度)は生活介護3.3%・就労移行支援3.2%・児発2.8%・GH日中型1.8%・GH包括型1.9%・放デイ0.9%です。
自事業所の外注費率が全国平均を2ポイント以上上回っている場合は、具体的にどの委託先にいくら支払っているかを確認します。特に「毎月定額の契約」になっている委託については、利用者数の変動に関係なく固定費として発生しているため、稼働率が下がると外注費率が上昇します。
反対に、全国平均を大きく下回っている場合(特に生活介護や児発で外注費が極端に少ない場合)は、専門職の委託を行っていないことが加算取得の機会損失になっていないかを確認します。例えば、生活介護で理学療法士を業務委託で配置することで取得できる加算があれば、委託費を上回る加算収入が得られる可能性があります。
外注費・委託費の適正水準と管理方法
外注費・委託費の適正水準は、各サービスの全国平均を目安にできます。自事業所の外注費率が全国平均を大きく上回っている場合は、次の点を確認します。
- 内製化できる業務があるか:外部委託している業務のうち、自事業所の職員が担当できるものはないか確認する。ただし、職員の業務負担増が離職率上昇につながらないか合わせて確認する
- 委託先の契約条件を見直す:同一サービスで複数年契約している場合、価格交渉・契約更新時の条件見直しで費用を削減できる可能性がある
- 加算算定との費用対効果を確認する:業務委託を通じて加算算定要件を満たしている場合、委託費と加算収入のバランスを確認する。加算収入が委託費を上回っていれば、そのまま継続することが収益上は有利
外注費の増加は必ずしも問題ではなく、加算収入や支援の質の向上と紐づいている場合は許容できます。年次で外注費率の変化を追うことで、費用の膨張を早期に発見できます。
すぐにご利用されたい方は、こちらからどうぞ。
▶ 福祉事業所の経営診断ツール(無料で試せます)
出典:厚生労働省「令和7年障害福祁サービス等経営概況調査結果」(令和6年度決算)。外注費・委託費の内訳については同調査の集計区分を参照してください。

コメント