就労定着支援は2018年(平成30年)4月に創設されたサービスです。創設以来、事業所数・利用者数ともに増加傾向にありますが、就労移行支援などの他サービスと比べるとまだ少ない状況です。全国の規模感と、事業所数が少ない構造的な理由を整理します。
就労定着支援は2018年4月に創設された比較的新しいサービス
就労定着支援は、障害者総合支援法の改正(平成28年法律第65号・施行平成30年4月1日)により新設されました。就労移行支援等を経て一般就労した方が、就労後も安定して働き続けられるよう支援する仕組みとして設けられたサービスです。
創設から7〜8年が経過しており、サービス開始当初に比べて事業所数・利用者数は大幅に増加しています。毎年の事業所数・利用者数の推移は、厚生労働省が公表する「障害福祉サービス等の利用状況について(国保連データ)」または「障害福祉サービス等経営実態調査」で確認できます。
事業所数は増加傾向にあるが、就労移行支援より少ない
就労定着支援の全国事業所数は創設以来増加しています。ただし、就労移行支援(令和4年度末で3,500か所前後)と比較すると、就労定着支援の事業所数はまだ少ない状況です。
事業所数が比較的少ない主な理由は、以下のとおりです。
- 利用者の確保に時間がかかる構造:就労定着支援の利用者は、就労移行支援等を経て一般就労し、さらに就職後6か月が経過してから利用を開始します。新規開業から利用者が積み上がるまでに2〜3年かかります
- 収益が安定するまでの期間が長い:新規開業の1〜2年目は最低区分(区分7)での算定となり、収益が出にくい期間が続きます。3年目以降に就労定着率の実績が反映されます
- 多機能型での運営が実質的に有利:就労移行支援と組み合わせた多機能型での運営が多く、就労定着支援を単独の指定サービスとして届け出ている事業所は相対的に少なくなっています
- 制度の認知度:2018年創設で比較的新しいサービスであり、開業を検討している事業者への認知がまだ十分でない面もあります
利用者数・受給者証所持者数の確認先
就労定着支援の利用者数(受給者証所持者数)も毎年増加しています。最新の数字は以下の公表資料で確認できます。
- 厚生労働省「障害福祉サービス等の利用状況について」:国保連データをもとに毎月・四半期ごとに更新される統計。サービス種別ごとの事業所数・利用者数が確認できます
- WAM NET(社会福祉施設等調査・国保連データ):障害福祉サービスの利用動向を時系列で確認できます
- 厚生労働省「障害福祉サービス等経営実態調査(旧:経営概況調査)」:隔年で実施される調査で、事業所の経営状況(収支差率・人件費率・稼働率)が確認できます
全国の収支差率は経営概況調査から
就労定着支援を含む障害福祉サービスの全国平均の収支差率は、厚生労働省の経営実態調査(旧:経営概況調査)で公表されています。収支差率を含む全国の数字については、就労定着支援を含む福祉9サービスの全国の数字にまとめています。
事業所数が少ない今が参入の窓
就労定着支援は競合事業所が他のサービスより少なく、連携先の就労移行支援・就労継続支援事業所との関係をうまく構築できれば、利用者を安定して確保できる可能性があります。
特に、すでに就労移行支援を運営している事業所が多機能型で就労定着支援を追加する場合、自事業所から一般就労した方がそのまま利用者になるため、利用者獲得のコストが低く抑えられます。
就労定着支援の3年間の収支の変化については、就労定着支援 収支シミュレーター(無料)で試算できます。新規開業の1〜2年目の収入が少ない期間をどう乗り越えるか、損益分岐点の利用者数はいくらかを事前に確認しておくことをお勧めします。
参考・出典
- 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法・平成28年法律第65号による改正・平成30年4月施行)
- 「障害福祉サービス等経営実態調査」(厚生労働省・隔年実施)
- 「障害福祉サービス等の利用状況について」(厚生労働省・国保連データ)
この記事は2026年11月時点の情報に基づいています。事業所数・利用者数の最新の数字は、厚生労働省またはWAM NETの公表資料でご確認ください。
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