許容濃度と管理濃度の違い|TLVの法的位置づけ・管理区分の判定基準との関係

第一種衛生管理者の試験全体については、こちらの記事もご参照ください。
▶ 第一種衛生管理者 試験ガイド(概要・合格率・勉強法)

許容濃度と管理濃度は、どちらも作業環境中の化学物質の空気中濃度の基準値ですが、設定機関・目的・法的位置づけが異なります。試験では両者の違いと、管理濃度を基準に算出される「第1〜第3管理区分」の判定基準との関係が問われます。

問題をすぐに解いてみたい方は、こちらのアプリをご利用ください。
▶ 第一種衛生管理者 過去問アプリ

許容濃度とは

許容濃度(TLV:Threshold Limit Value)は、日本産業衛生学会が勧告する「労働者がほぼ全員、有害作用を受けないと考えられる空気中の化学物質の濃度の上限値」です。

  • 設定機関:日本産業衛生学会(毎年更新)
  • 法的拘束力:なし(学術的な勧告値)
  • 目的:産業衛生上の理想的な上限
  • 対象:8時間労働(1日)・週40時間の継続暴露を前提

管理濃度とは

管理濃度は、有機則・特化則等の規則に基づいて厚生労働大臣が告示(定める)した「作業環境管理の達成目標値」です。

  • 設定機関:厚生労働大臣(告示)
  • 法的拘束力:あり(法令上の基準値)
  • 目的:作業環境測定の評価基準(管理区分の判定に使用)
  • 許容濃度より若干低い値に設定されていることが多い

許容濃度と管理濃度の比較

項目 許容濃度(TLV) 管理濃度
設定機関 日本産業衛生学会 厚生労働大臣(告示)
法的位置づけ 勧告値(拘束力なし) 法令上の基準値(拘束力あり)
使用目的 理想的な健康保護の上限 作業環境測定の管理区分判定基準
数値の傾向 健康保護の視点から設定 許容濃度を参考に若干低く設定

濃度基準値(2023年新設)との関係

2023年の安衛法改正(自律的管理)で「濃度基準値」が新たに設けられました。これは個人ばく露の評価基準として、管理濃度とは別に設定された法定の上限値です。リスクアセスメント結果がこの値を超える場合、具体的な管理措置が義務付けられます。

試験での出題ポイント

  • 許容濃度:日本産業衛生学会の「勧告値」→法的拘束力なし
  • 管理濃度:厚生労働大臣が告示した「法令上の基準値」→管理区分の判定に使用
  • 両者は「同じ物質でも異なる値を持つ場合がある」
  • 管理区分の判定は管理濃度を基準に行う(許容濃度ではない)

問題をすぐに解いてみたい方は、こちらのアプリをご利用ください。
▶ 第一種衛生管理者 過去問アプリ

出典:
・日本産業衛生学会「許容濃度等の勧告」(毎年更新)
・作業環境評価基準 第2条(管理濃度の定義)
・厚生労働省「化学物質の自律的な管理の実施に係る規則・指針」

最新の試験日程・受験申請・公表試験問題は、公益財団法人 安全衛生技術試験協会(www.exam.or.jp)の公式サイトでご確認ください。

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

ご質問はメールで。電話・面談はしていません。

fufumumu_designをフォローする
資格
fufumumu_designをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました